本編完結:淫魔の好きな人

加速・D・歩

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・本編完結

4 疲れてる?

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近藤こんどう大丈夫か、ここ最近ボーっとし過ぎだぞ」
「はい、すみません」

 社内にある自販機で休憩と思って寄ると壁際で声がして俺の好きな近藤こんどう冬馬とうまと彼を心配する同僚の声がした。仕事で忙しいのかな、部署が違うから話しかけづらいし、はあ……こんな恋なんて不毛だとは思うけど何故か彼にときめいてしまう。中坊でもあるまいし……

 彼らが見えない側で少しでも彼の近くにいたくてコーヒーを飲む。

「資料作り近藤には明後日の会議を、」
「分かってます、大丈夫です。最近少ししか寝れてなくて……」
「むむ、うむ。分かった。あまり無理するなよ。休憩終わったら顔を見せな」
「ええ、分かりました。」




 彼らが居なくなったあと飲んだコーヒーの缶をゴミ箱に捨てて仕事に戻る。カタカタとキーボードを打つ音、少し椅子の背もたれに伸びぃ~っと体を預ける。

大山おおやま追加いいか?」
「えー、」
「用事でもあるのか?」
「いや、無いっすけどぉ」
「んじゃ、頼むな」

 机の空いてる場所に書類がドンと音をたてて積まれる。これ今日中に終わるのか? いや、無理か……はあ、久しぶりの残業だ。でも彼も頑張ってるっぽいし俺もやるぞ! それで残業が終わったら休みの日に行こ。

 その後は手が空いた数人の同僚に手伝ってもらいながらなんとか終わった。

「大山、飲みに行かね? 最近つれないぞ?」
「分かりました~、あ、支払いは割り勘ですからね?」
「えー、手伝いしたから奢りが良かったー!」


 5人と会社を出て駅へ向かう。飲食店がある駅まで皆と電車に乗って降りる。途中、彼も残業だったのか同じ電車だった。彼はホテル街がある所で降りちゃったけど、やっぱ恋人が居るよなぁ……ガックリ肩を下ろして落ち込むけどそんな事を同僚は気付かないでどこの居酒屋に行くか話し合ってる。

「やっぱ、鳥貴でしょ!」
「だよね! 安いし!」
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