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7・分岐:子供出来たよエンド
1『始めまして!』
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愛しの金玉が拐われた──
金玉という名前で稀人の彼は、俺よりも歳上の人だった。【異世界人】の彼と言葉が通じないし、喋ってもくれない。いや、ジェスチャーから声が出ないんだとは知ってる。けど、何故彼は声が出なくなったのか、ジェスチャーだけでは理由が分からなかった。
【学園】に入学し始めてから彼は俺以外に興味を持つようになった。稀人だから俺らの体液を摂取しないといけないのは分かるけど──気分は良くない。
誰彼構わずにキスして行くし……、そんな彼は俺が授業を受けてる間に忽然と【学園】から消えた──
サボってた生徒が怪しい集団を見たと言ってたし、俺にも数日前に心当たりがあった。
ピンク髪の女性──彼女は金玉を見て「貴方! 稀人でしょ?! ゴメェス様の元に帰りましょう?!」って彼の手を引こうとした人が居た。
最初はどこかの学年の先生かと思ってたけど、もしかして──それにゴメェスって名前も聞いたことがあった。
父様に確認した所、ゴメェスってやつも領主をやっていた。父様と同じどっかの貴族のパーティーで会ったこともある間柄だと。
そこにピンク髪の女性は居ますか? と父様に尋ねると『なんだ? あの稀人に熱があるかと思ったら気になる女でも出来たのか?』って言ってきてそれどころじゃないと経由を説明すると確かにゴメェスって人の所に姪でピンク髪の女性──ヨリィミという人がいると聞いた。父様も拐われた彼を探してくれると言ってくれた。
彼が無事に戻ってくるかヤキモキしながら生活する日々──俺は小さい頃に初めて屋敷で出会った。
父様が買ってきた奴隷で初めて見た時も似合わないメイド服を着ていた。すぐに、ああ、また父様の性処理用なのかな、と思った。俺の母様がそうだったから──……昼間は彼が俺の遊び相手をしてくれる。絵本を読んだり、よく頭をお互いに撫でたり、それが気持ちよくて好きだった。
俺が屋敷の庭にある噴水で遊ぼうと誘った時に、お互いずぶ濡れになって彼が俺に風邪引かないように俺を優先して行動した結果、金玉が風邪を引いた。
夜目を醒ました俺は彼が医務室で寝かされてるって聞いて謝ろうと部屋に向かうと物音がしてドアを少しだけ開けると、彼は父様と交わってる姿を見た──俺は何かいけないものを見てしまった感覚になって胸が痛くなる。
風邪引いてるせいか虚ろな目で父様に身体を揺さぶられてる姿が記憶に残ってた。
まあ、その後は父様を説得して【学園】に一緒についてきてもらったんだけど、まさか拐われるなんて……父様からも小言を言われたし。
『せっかく奴隷オークションで稀人を発見して買ってきたのに拐われる、だと……?! テリィテス、稀人が見つかった際は屋敷から出さないからな』
今は彼が無事に帰ってきてくれればそれでいい。
俺が彼に渡した俺のモノであると証明するブローチが海の中で見つかったと報告があった。
海──……金玉、どこに行ったんだ……
『ブフォッ、金玉って呼ばれてんの、あはは! おかしー!』
突然の声に俺は部屋を見渡した。が、誰の姿も見えなかった。気のせいか? と思ったが、
『ひひひ、金玉は草! あはは、おかしー、ひひ』
変な笑い声だけが響く。
「誰か居るのか?! 姿を表せ!!」
『んー、【この世界】での具現化は一瞬だけどもー、はーい初めまして!』
誰も居なかった場所から全身が黒い、稀人──が現れた。
『稀人じゃなーいけどね?』
「俺の思ってることが分かるのか……?」
『まあね、お。ほら具現化しなくなったでしょ!』
目の前に現れた男はスウ……と薄くなって消えていった。が声は聴こえる。
お前は誰だ?
『んー、クロでいいよ。まぁ、ちょーっと勘違いしててさぁ。彼の名前別の子と同じで『彼』かなと思ってハードモードにしちゃったらさ違う子だったみたいなんだ』
『クロ』と名乗る男は金玉を別の人物だと勘違いしたと、……全く意味が分からん。
『いや、平然とキンタマ呼ばわりする方がシュールな気がする。』
そうなのか? そういや誰と間違ったんだ。それに名前は──
『はいはい、とりあえず俺の話を聞いてね?』
『クロ』が説明した内容は、金玉──彼の本当の名前は山田圭。全然金玉じゃなかった。圭か。発音も分かれば全然、名前の意味は「整った形、貴重なもの、潔い、清らか、凛とした」とかあるらしい。
【こっち】では稀人はマナを持ってないからこの【世界】のマナを取り込ませる為に俺達の体液を稀人に与える。『クロ』は圭が居た世界ではキスも交わる行為すらしたことが無いと聞いてマジかよと思った。それこそ、“清らかな身体”をしてたんだな。
それで『クロ』がいう同じ名前の人が居てそっちに合わせてハードモードでこの【世界】に来てしまったらしい。言葉が通じないのは確かに不便だ。それはどうにかならないのか? と聞いたら本来の稀人達は《自動翻訳》という別【世界】に行ったとしても言葉には困らない“ギフト付与”をされるらしい。
って、事は『クロ』は神なのか? と聞けば“管理者”なだけだと答えた。違いが分からないが。
それで、今からでも《自動翻訳》付与は出来ないのかと聞くと、再度付けるには“実績解除”をしないといけないらしい。それについてはこの【世界】の俺と出会わない彼の人生を歩まないと行けないらしい。
俺と出会わない──そんな事は考えられないし、どこかの街でお互い知らないまますれ違う事もあるのか。
それを聞くと切ないがこの【世界】で生活するなら是非とも《自動翻訳》付与させてくれと『クロ』に伝えた。
『おひっさ~!』
「久しぶり……? いや、別れたのは今さっきだろ、」
『時間の進み方が違うからねぇ……?』
今さっき別れたのにすぐに戻ってきた『彼』は久しぶりと俺に声をかけた。時間の進みが違う、そういうモノなのかと変に納得してしまう自分がいる。
『あで、キミと出会う準備が出来ました~! パフパフ!』
「おお……?」
『クロ』が言うには、今の圭とはだいたい12歳ぐらい年が離れてるんだけど、それがほぼなくなって3歳差になると。出逢うのは俺が5歳、圭が8歳の頃って言っても中身は最初の17歳らしい。ややこしいな。でも“言葉が通じない”【世界】で幼い時に来るのは辛いだろう。
ん……? 言葉が通じないのか? いや、さっき《自動翻訳》付与してくれって話したじゃないか!
『いやあ~ごっめぇ~ん! 圭くんから嫌がられちゃってぇ』
は? 聞くとこれの前の人生で分からないなりに主人になった人に単語を教えてもらって生活は出来てたらしい。で、その“記憶”があるままなら《自動翻訳》は要らないと。
まあ、それなら良いけどと思ってたら『クロ』は次の俺達の出会いでは今までの人生の経験を初期化して俺と出逢うらしい。
「いや、つけてやれよ」
『えー、前の主の記憶があるの嫌じゃない? 清ってて欲しくない?』
それを言われるとぐぬぬ。
今でも【学園】生活で稀人の生態に体液が必要なのは分かってたけど他人と交わる姿は見たくなかった。
『よいしょ、とりあえずねキミの方に色々とやる事にしたよ』
「は、? 何を」
俺に今の記憶のまま過去に飛ぶ。名前も圭って分かってるし、それに──……
「は、圭の考えてる事が分かる?!」
『良いでしょ! 良いでしょ!』
「た、確かに圭が言葉分からないで、方向修正出来るならそれは有り難いが……」
『そうだ。圭が降りてくる日とこの紙あげるね』
何もない空間から手に渡された4枚ほどの紙。『クロ』は使う時が分かると言って──……
『おおっとこんな時間だ。話が長くなっちゃったな! じゃあ彼の事よろしくね!』
金玉という名前で稀人の彼は、俺よりも歳上の人だった。【異世界人】の彼と言葉が通じないし、喋ってもくれない。いや、ジェスチャーから声が出ないんだとは知ってる。けど、何故彼は声が出なくなったのか、ジェスチャーだけでは理由が分からなかった。
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ピンク髪の女性──彼女は金玉を見て「貴方! 稀人でしょ?! ゴメェス様の元に帰りましょう?!」って彼の手を引こうとした人が居た。
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父様に確認した所、ゴメェスってやつも領主をやっていた。父様と同じどっかの貴族のパーティーで会ったこともある間柄だと。
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彼が無事に戻ってくるかヤキモキしながら生活する日々──俺は小さい頃に初めて屋敷で出会った。
父様が買ってきた奴隷で初めて見た時も似合わないメイド服を着ていた。すぐに、ああ、また父様の性処理用なのかな、と思った。俺の母様がそうだったから──……昼間は彼が俺の遊び相手をしてくれる。絵本を読んだり、よく頭をお互いに撫でたり、それが気持ちよくて好きだった。
俺が屋敷の庭にある噴水で遊ぼうと誘った時に、お互いずぶ濡れになって彼が俺に風邪引かないように俺を優先して行動した結果、金玉が風邪を引いた。
夜目を醒ました俺は彼が医務室で寝かされてるって聞いて謝ろうと部屋に向かうと物音がしてドアを少しだけ開けると、彼は父様と交わってる姿を見た──俺は何かいけないものを見てしまった感覚になって胸が痛くなる。
風邪引いてるせいか虚ろな目で父様に身体を揺さぶられてる姿が記憶に残ってた。
まあ、その後は父様を説得して【学園】に一緒についてきてもらったんだけど、まさか拐われるなんて……父様からも小言を言われたし。
『せっかく奴隷オークションで稀人を発見して買ってきたのに拐われる、だと……?! テリィテス、稀人が見つかった際は屋敷から出さないからな』
今は彼が無事に帰ってきてくれればそれでいい。
俺が彼に渡した俺のモノであると証明するブローチが海の中で見つかったと報告があった。
海──……金玉、どこに行ったんだ……
『ブフォッ、金玉って呼ばれてんの、あはは! おかしー!』
突然の声に俺は部屋を見渡した。が、誰の姿も見えなかった。気のせいか? と思ったが、
『ひひひ、金玉は草! あはは、おかしー、ひひ』
変な笑い声だけが響く。
「誰か居るのか?! 姿を表せ!!」
『んー、【この世界】での具現化は一瞬だけどもー、はーい初めまして!』
誰も居なかった場所から全身が黒い、稀人──が現れた。
『稀人じゃなーいけどね?』
「俺の思ってることが分かるのか……?」
『まあね、お。ほら具現化しなくなったでしょ!』
目の前に現れた男はスウ……と薄くなって消えていった。が声は聴こえる。
お前は誰だ?
『んー、クロでいいよ。まぁ、ちょーっと勘違いしててさぁ。彼の名前別の子と同じで『彼』かなと思ってハードモードにしちゃったらさ違う子だったみたいなんだ』
『クロ』と名乗る男は金玉を別の人物だと勘違いしたと、……全く意味が分からん。
『いや、平然とキンタマ呼ばわりする方がシュールな気がする。』
そうなのか? そういや誰と間違ったんだ。それに名前は──
『はいはい、とりあえず俺の話を聞いてね?』
『クロ』が説明した内容は、金玉──彼の本当の名前は山田圭。全然金玉じゃなかった。圭か。発音も分かれば全然、名前の意味は「整った形、貴重なもの、潔い、清らか、凛とした」とかあるらしい。
【こっち】では稀人はマナを持ってないからこの【世界】のマナを取り込ませる為に俺達の体液を稀人に与える。『クロ』は圭が居た世界ではキスも交わる行為すらしたことが無いと聞いてマジかよと思った。それこそ、“清らかな身体”をしてたんだな。
それで『クロ』がいう同じ名前の人が居てそっちに合わせてハードモードでこの【世界】に来てしまったらしい。言葉が通じないのは確かに不便だ。それはどうにかならないのか? と聞いたら本来の稀人達は《自動翻訳》という別【世界】に行ったとしても言葉には困らない“ギフト付与”をされるらしい。
って、事は『クロ』は神なのか? と聞けば“管理者”なだけだと答えた。違いが分からないが。
それで、今からでも《自動翻訳》付与は出来ないのかと聞くと、再度付けるには“実績解除”をしないといけないらしい。それについてはこの【世界】の俺と出会わない彼の人生を歩まないと行けないらしい。
俺と出会わない──そんな事は考えられないし、どこかの街でお互い知らないまますれ違う事もあるのか。
それを聞くと切ないがこの【世界】で生活するなら是非とも《自動翻訳》付与させてくれと『クロ』に伝えた。
『おひっさ~!』
「久しぶり……? いや、別れたのは今さっきだろ、」
『時間の進み方が違うからねぇ……?』
今さっき別れたのにすぐに戻ってきた『彼』は久しぶりと俺に声をかけた。時間の進みが違う、そういうモノなのかと変に納得してしまう自分がいる。
『あで、キミと出会う準備が出来ました~! パフパフ!』
「おお……?」
『クロ』が言うには、今の圭とはだいたい12歳ぐらい年が離れてるんだけど、それがほぼなくなって3歳差になると。出逢うのは俺が5歳、圭が8歳の頃って言っても中身は最初の17歳らしい。ややこしいな。でも“言葉が通じない”【世界】で幼い時に来るのは辛いだろう。
ん……? 言葉が通じないのか? いや、さっき《自動翻訳》付与してくれって話したじゃないか!
『いやあ~ごっめぇ~ん! 圭くんから嫌がられちゃってぇ』
は? 聞くとこれの前の人生で分からないなりに主人になった人に単語を教えてもらって生活は出来てたらしい。で、その“記憶”があるままなら《自動翻訳》は要らないと。
まあ、それなら良いけどと思ってたら『クロ』は次の俺達の出会いでは今までの人生の経験を初期化して俺と出逢うらしい。
「いや、つけてやれよ」
『えー、前の主の記憶があるの嫌じゃない? 清ってて欲しくない?』
それを言われるとぐぬぬ。
今でも【学園】生活で稀人の生態に体液が必要なのは分かってたけど他人と交わる姿は見たくなかった。
『よいしょ、とりあえずねキミの方に色々とやる事にしたよ』
「は、? 何を」
俺に今の記憶のまま過去に飛ぶ。名前も圭って分かってるし、それに──……
「は、圭の考えてる事が分かる?!」
『良いでしょ! 良いでしょ!』
「た、確かに圭が言葉分からないで、方向修正出来るならそれは有り難いが……」
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