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第3章 エイレン城への道
ドラゴンライダー①
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***
ロジアンさんに案内されて訪れたアラン様の寝室は、無駄がない、整理整頓された殺風景な部屋だった。
城主といえば、普通は一番ぜいたくな部屋を使うのだろうと思っていたから、予想に反して、大きな暖炉がある以外は大した装飾品もなく、ただ質素な石造りの室内のかたすみに鎧や剣が置かれているのをみて、ニゲルは意外な気持ちになった。
この部屋を見る限り、アラン様がつね日頃からぜいたくを好まない人である事はあきらかである。
いや、そもそもこのお城全体がそんな感じで、みんなが質素な暮らしをしていることに気がついてはいた。
ただ、城主というものはここでは一番えらい人だから、少しは贅沢をしているかもと思っただけで、実際、寝室を見て、いよいよアラン様がそんな人ではないと改めて再確認したわけである。貴族といえども、色々な人がいるのだなぁとニゲルはなんとなく思ったのだった。
「…それで。こんな夜更けに一体なんの話だ?」
ロジアンさんは寝室を案内するとすぐに去っていき、つい先ほどまでニゲルは扉の前で1人おろおろとしていた。
そしてすぐに開いた扉のそばに立つアラン様に少し不審そうな顔をされてしまい、固まってしまったものの、すぐに部屋に入れてもらえたところである。
今は大きな寝台に腰をかけるアラン様に向かい合うように椅子に腰をかけている。
「アラン様っ!あの…湖に入って本当にごめんなさい!本当にッ…ごめんなさい!皆さんに迷惑を…おかけしました…」
「…本当なら城から追い出しているぞ」
「はい…ッ、本当に、ごめんなさい…!」
部屋には2人しかいない。
静まりかえって、不気味なほど人の気配がない部屋で、いやでも緊張していた。
それにしても、何度聞いてもアラン様の声は迫力がある。こうして一言何かを言われただけで、しどろもどろする自分がいる。
「…その…。」
大きな身体は白い上下の寝間着の上から厚みのある茶色いローブをはおっていて、これからお休みになろうとしているところのようだ。
「…遅くにすみません…僕、少しだけお話ししたい事があって…ちょっとだけお時間もらえませんか?」
頭を少し下げたまま固まる。
目の前で太い腕を組んでこちらを見下ろしているのを感じて、ぎゅっと息を詰めた。
「はぁ…。謝りに来たかと思えばなんだ。ドラゴンライダーについて聞きに来たのか?」
「あっ!はい…」
アラン様はニゲルの気持ちに気づいていたのか、あきれたような顔をして頭を軽くポンポンと叩くと、いいだろう、と簡素に答えてくれて、サフィラスには内緒だぞと言った。
「はい。内緒にします。ありがとうございます」
寝室はとても広くて、燭台のろうそくがぼんやりとした温かみのある色で部屋を照らしている。
その中でようやく落ち着いてお互い目線を交わしている。
アラン様はふぅ、と柔らかい光に照らされた横顔からため息をつくと、やがて静かに口を開いた。
「まず、ドラゴンライダーは、ドラゴンと意思疎通が出来る唯一の人だ」
「いし、そつう…ですか」
「そうだ。ドラゴンの感情を理解でき、自分の伝えたい事を伝える事ができる、超人だ」
ニゲルは緊張が高まってきて、ひざに乗せていた指をいじった。
「サフィラスの師匠もドラゴンライダーだったんですよね?」
「その通り。彼の本当の名はよく知らないが、皆からはファーガスと呼ばれていた」
「ファーガス…」
なぜその名前で呼ばれていたのだろう。
サフィラスは師匠の本当の名前を知っているのだろうか…。
「ファーガスとは、勇者という意味だ」
「勇者?」
「ああ。ドラゴンに乗るなんて前代未聞だろう?誰もあの姿を見たら腰を抜かす。まあ、姿を見た事のある者など、この世に数えるほどしかいないのだろうが。とにかくソレを従わせるなんて、どう考えたって尋常ではない。だから、そう呼ばれた」
「ファーガスさんはいつ頃からドラゴンライダーだったんですか?」
「彼は謎が多くてな…私もよくは知らぬが、サフィラスが言うには、10代の頃からドラゴンと意思疎通出来たそうだ。ライダーになったのがいつ頃かは不明だ」
「あの、サフィラスからは、師匠は、その…サフィラスを助けて死んだって、聞いて…」
ニゲルはうつむいて手元を見た。
聞いて良いかは分からなかったけど、どんな人か知りたいのだ。その好奇心には勝てない。
「どうやらそうらしいな。私もそう聞いている。あの時のサフィラスは自分を見失なっていたよ。それに、ドラゴンもファーガスが亡くなってぱったり姿を消したのだ。だから今回突然現れて私もおどろいた」
「あの…アラン様はあのドラゴンに昔会った事があるんですよね?」
ニゲルはじっと鋭い2つの眼を見つめる。
「…あるとも」
「それは、ファーガスさんが居た時ですか?」
「いかにも」
「いつ頃ですか?」
「何十年も前だ」
「ということは、サフィラスがまだ魔導師になる前ですか?」
「そうだ。ファーガスには合計7人の弟子がいた。皆、10代の子供の時に弟子入りした。私はその1人であり、最初の弟子だ。だが、弟子であった期間は一番短い」
「…!」
弟子が7人?
「その7人は…ファーガスさんに選ばれたって事ですか?」
アラン様はうなずいた。
「そうだ。お前たちを狙うアオガン、そして、お前の父と母も弟子だった」
「え…」
衝撃の事実に、ニゲルは言葉が出なかった。お父さんとお母さんがサフィラスの師匠、ファーガスさんの弟子だったとは。
「サフィラスがなんと言っているかは知らないが、お前はいずれ命を狙われる存在だ。まあ、私が知らなかったくらいだ。子供の存在を必死にこれまで隠していたのだろう。しかし、アオガンに見つかったら最後だ。逃げられない」
「な、なんで…どうしてアオガンは魔法士をそこまで目の敵にするんだろう…」
思わず口から突いて出た言葉に、アラン様が答えた。
「それは、ファーガスに対する恨みもあるだろうが、それだけではない。彼は魔法士団を恐れているのだ」
「魔法士団?それは…なんですか?」
「ウーレトリア一族が設立した、選ばれた魔法士で構成された団体。ロイド魔法士団だ」
ロジアンさんに案内されて訪れたアラン様の寝室は、無駄がない、整理整頓された殺風景な部屋だった。
城主といえば、普通は一番ぜいたくな部屋を使うのだろうと思っていたから、予想に反して、大きな暖炉がある以外は大した装飾品もなく、ただ質素な石造りの室内のかたすみに鎧や剣が置かれているのをみて、ニゲルは意外な気持ちになった。
この部屋を見る限り、アラン様がつね日頃からぜいたくを好まない人である事はあきらかである。
いや、そもそもこのお城全体がそんな感じで、みんなが質素な暮らしをしていることに気がついてはいた。
ただ、城主というものはここでは一番えらい人だから、少しは贅沢をしているかもと思っただけで、実際、寝室を見て、いよいよアラン様がそんな人ではないと改めて再確認したわけである。貴族といえども、色々な人がいるのだなぁとニゲルはなんとなく思ったのだった。
「…それで。こんな夜更けに一体なんの話だ?」
ロジアンさんは寝室を案内するとすぐに去っていき、つい先ほどまでニゲルは扉の前で1人おろおろとしていた。
そしてすぐに開いた扉のそばに立つアラン様に少し不審そうな顔をされてしまい、固まってしまったものの、すぐに部屋に入れてもらえたところである。
今は大きな寝台に腰をかけるアラン様に向かい合うように椅子に腰をかけている。
「アラン様っ!あの…湖に入って本当にごめんなさい!本当にッ…ごめんなさい!皆さんに迷惑を…おかけしました…」
「…本当なら城から追い出しているぞ」
「はい…ッ、本当に、ごめんなさい…!」
部屋には2人しかいない。
静まりかえって、不気味なほど人の気配がない部屋で、いやでも緊張していた。
それにしても、何度聞いてもアラン様の声は迫力がある。こうして一言何かを言われただけで、しどろもどろする自分がいる。
「…その…。」
大きな身体は白い上下の寝間着の上から厚みのある茶色いローブをはおっていて、これからお休みになろうとしているところのようだ。
「…遅くにすみません…僕、少しだけお話ししたい事があって…ちょっとだけお時間もらえませんか?」
頭を少し下げたまま固まる。
目の前で太い腕を組んでこちらを見下ろしているのを感じて、ぎゅっと息を詰めた。
「はぁ…。謝りに来たかと思えばなんだ。ドラゴンライダーについて聞きに来たのか?」
「あっ!はい…」
アラン様はニゲルの気持ちに気づいていたのか、あきれたような顔をして頭を軽くポンポンと叩くと、いいだろう、と簡素に答えてくれて、サフィラスには内緒だぞと言った。
「はい。内緒にします。ありがとうございます」
寝室はとても広くて、燭台のろうそくがぼんやりとした温かみのある色で部屋を照らしている。
その中でようやく落ち着いてお互い目線を交わしている。
アラン様はふぅ、と柔らかい光に照らされた横顔からため息をつくと、やがて静かに口を開いた。
「まず、ドラゴンライダーは、ドラゴンと意思疎通が出来る唯一の人だ」
「いし、そつう…ですか」
「そうだ。ドラゴンの感情を理解でき、自分の伝えたい事を伝える事ができる、超人だ」
ニゲルは緊張が高まってきて、ひざに乗せていた指をいじった。
「サフィラスの師匠もドラゴンライダーだったんですよね?」
「その通り。彼の本当の名はよく知らないが、皆からはファーガスと呼ばれていた」
「ファーガス…」
なぜその名前で呼ばれていたのだろう。
サフィラスは師匠の本当の名前を知っているのだろうか…。
「ファーガスとは、勇者という意味だ」
「勇者?」
「ああ。ドラゴンに乗るなんて前代未聞だろう?誰もあの姿を見たら腰を抜かす。まあ、姿を見た事のある者など、この世に数えるほどしかいないのだろうが。とにかくソレを従わせるなんて、どう考えたって尋常ではない。だから、そう呼ばれた」
「ファーガスさんはいつ頃からドラゴンライダーだったんですか?」
「彼は謎が多くてな…私もよくは知らぬが、サフィラスが言うには、10代の頃からドラゴンと意思疎通出来たそうだ。ライダーになったのがいつ頃かは不明だ」
「あの、サフィラスからは、師匠は、その…サフィラスを助けて死んだって、聞いて…」
ニゲルはうつむいて手元を見た。
聞いて良いかは分からなかったけど、どんな人か知りたいのだ。その好奇心には勝てない。
「どうやらそうらしいな。私もそう聞いている。あの時のサフィラスは自分を見失なっていたよ。それに、ドラゴンもファーガスが亡くなってぱったり姿を消したのだ。だから今回突然現れて私もおどろいた」
「あの…アラン様はあのドラゴンに昔会った事があるんですよね?」
ニゲルはじっと鋭い2つの眼を見つめる。
「…あるとも」
「それは、ファーガスさんが居た時ですか?」
「いかにも」
「いつ頃ですか?」
「何十年も前だ」
「ということは、サフィラスがまだ魔導師になる前ですか?」
「そうだ。ファーガスには合計7人の弟子がいた。皆、10代の子供の時に弟子入りした。私はその1人であり、最初の弟子だ。だが、弟子であった期間は一番短い」
「…!」
弟子が7人?
「その7人は…ファーガスさんに選ばれたって事ですか?」
アラン様はうなずいた。
「そうだ。お前たちを狙うアオガン、そして、お前の父と母も弟子だった」
「え…」
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「な、なんで…どうしてアオガンは魔法士をそこまで目の敵にするんだろう…」
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「それは、ファーガスに対する恨みもあるだろうが、それだけではない。彼は魔法士団を恐れているのだ」
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