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執事(使用人)のルーティーン
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私の朝は早いです
お嬢様が起きるより先に起床し
朝食の準備に中庭の花壇に水やりと
やる事は多いです……
※霊体なので睡眠の必要がないので
24時間起きてます
ひと通りの準備が整えば
次はお嬢様が起きているか確認します
お嬢様は就寝されてから
おおよそ9~10時間ほどで
お目覚めになられます
※寝るタイミングはバラバラなので
起きる正確な時間は不明
お嬢様はまだ寝ていらっしゃるようですね
この場合は私のささやかな楽しみ
お嬢様の寝顔をじっくり眺める時間です
ああ、可愛らしい…
永遠と見てられる…
なんとまぁまぁ…
はぁはぁ…
おっと、今日はお嬢様の愛読書の発売日
起きる前に買いに行かねば…
私は財布を持ち、玄関へと向かいます
セレス「行ったか…」
目をゆっくり開け
ナレルが部屋を出て行くのを確認し
ここ数十年でもっとも素早く
着替える
今日はふっとした疑問
あの見た目(黒い影)で
どうやって買い物しているのか?
今までは何となく頼んでいたら
買って来てくれてて
お金に関しても
ちゃんと渡しているからと
気にしていなかったが……
もしかして、
人の姿にもなれるのか?
人の姿なら、生前の姿…
ものすごく見た目も気になる!
と、ここ数日、気になり
密かに計画を立てて
尾行する事を決めていた
セレス「物には触れられるのは知ってるが
果たして、どんな顔なんだ……」
期待を胸にナレルの後を追う
ナレルは財布を手にすると
その体の影の中に
吸い込まれるようにしまうと
玄関の扉をすり抜けて行く
セレス「四次元ポケットかよ……
ちょっと良いなぁ……」
ゆっくり玄関の扉を開け
ナレルが森の道を進むのを確認し
全身に日焼け止め(スプレータイプ)を
これでもかと
浴びると、玄関のドアの鍵を締めて
後を追う
(いくら森の奥とは言え
ドロボーが入らないとは限らないからな!)
山を下り、
車の音が聞こえだし
街が見えてきた
車も人も、
ナレルの存在に気づかない
肉体を持たない彼は
霊能力、ある程度の力を持った人間にしか
その存在に気づく事はない……
セレス「頭の中、時代劇かと思ったが
あいつ、平然と歩いて行くな……
慣れてるのかな?」
ナレル「さて……そろそろこの姿では
いけませんね……」
セレス「!つ、ついに、姿を!」
ナレルは全身の黒い霧を大きくし
近くを歩く女子高生に取り憑いた
セレス「……あいつ、憑依出来たんだ……」
モブ女子高生A「どうしたの?」
セレス「あ、あいつ!友達と歩いてるのに
取り憑いて!バレるだろ?!」
ナレル(憑依)「あーごめんごめん!
ちょっち、買い忘れ~☆」
モブ女子高生B「びっくりしたぁ~
何忘れたの?」
モブ女子高生A「ついて行こうか~?」
ナレル(憑依)「ううん、大したことないし~
すぐそこだから、先行ってて~☆」
セレス「………(啞然)」
突如の完璧な、なりすましに
開いた口が塞がらない
そうしてる間に
女子高生(ナレル)は
本屋へ向かう
我に返り
慌てて後を追いかける
何食わぬ顔で本屋に入り
女子高生(ナレル)を探す
セレス「あんな能力があったとは……
誰かに憑依してたら、私でもわからないぞ…
まぁ、私の魔力の気配を辿れば
見つけられるけど……」
自分の魔力を追うと
既に商品を手にレジに向かっていた
店員「1300円でーす」
ナレル(憑依)「あ、カードもありますので
少々お待ちを……あった、お願いします」
店員「はい、お預かりします」
(見た目と違って丁寧な口調の人ね)
棚の影から見守るセレス
さっきまでの口調を忘れている様子に
ヒヤヒヤする
セレス「流石に取り憑かれてるとか
バレないだろうけど、なんで女子高生なんだよ!」
店員「ありがとうございましたー!」
買い物を終え
自動ドアを抜けると
脇道に移動し
買った商品を地面に置く
何をしてるのだろう?と
不思議に見ていると
女子高生(ナレル)は
歩道に戻り
憑依を解除した
モブ女子高生C「あれ?何してたんだっけ??」
女子高生は携帯を取り出し
仲間に連絡を取り
歩き出した
憑依を解除したナレルは
すぐさま脇道に戻り
さっき置いた商品を
四次元ポケット(影)に取り込み
帰り道へ……
ナレル「おや?お嬢様?」
セレス「!!……えっと、よっ!」
ナレル「いかがなさいました?」
セレス「えー、散歩?」
ナレル「!!!まさか!!」
ナレルは体(影)をぷるぷる震わせて
ナレル「寂しくて私の後を
追いかけて来てくれたんですね!!」
セレス「飛び付いてくんな!!」
ナレル「あふん…」
綺麗に空中二段蹴りを放ち
宙を舞うナレル
そして地面に接触したと同時に
ぬるっと、何事も無かったように立つナレル
ナレル「お見事です…綺麗なフォームでした」
セレス「お、おう……」
(やっぱりダメージは無いのか……)
ナレル「では、帰りましょう♡」
セレス「う、うん」
こうして、ナレルの買い物の謎は解決した
ちなみに……
セレス「あの口調はなんだったんだ?」
ナレル「おや、そんな所から
見られてましたか///」
セレス「うぐっ……(キモッ)
ナレルは男……だよな?」
ナレル「はい♡あの口真似は
憑依した者の記憶から、普段の口調を
真似したのみです」
セレス「なるほど」
ナレル「余計な記憶まで覗きませんよ?
下衆な人間の記憶など
見たくありませんからね」
セレス「一応…怪しまれないようにか、
なかなかやるわね」
ナレル「ありがたきお言葉!」
セレス「わざわざ脇道に本を置いたのは?」
ナレル「あれは隠したのです
憑依を解けば下衆な人間……
お嬢様の愛読書があれば
自分の物でなくても盗むでしょう?」
(私も欲しい!!)
セレス「な、なるほど……」
こうして屋敷へと帰った
セレス「今度から何か無くなったら
真っ先にナレルを疑う事にする」
ナレル「なぜ?!」
お嬢様が起きるより先に起床し
朝食の準備に中庭の花壇に水やりと
やる事は多いです……
※霊体なので睡眠の必要がないので
24時間起きてます
ひと通りの準備が整えば
次はお嬢様が起きているか確認します
お嬢様は就寝されてから
おおよそ9~10時間ほどで
お目覚めになられます
※寝るタイミングはバラバラなので
起きる正確な時間は不明
お嬢様はまだ寝ていらっしゃるようですね
この場合は私のささやかな楽しみ
お嬢様の寝顔をじっくり眺める時間です
ああ、可愛らしい…
永遠と見てられる…
なんとまぁまぁ…
はぁはぁ…
おっと、今日はお嬢様の愛読書の発売日
起きる前に買いに行かねば…
私は財布を持ち、玄関へと向かいます
セレス「行ったか…」
目をゆっくり開け
ナレルが部屋を出て行くのを確認し
ここ数十年でもっとも素早く
着替える
今日はふっとした疑問
あの見た目(黒い影)で
どうやって買い物しているのか?
今までは何となく頼んでいたら
買って来てくれてて
お金に関しても
ちゃんと渡しているからと
気にしていなかったが……
もしかして、
人の姿にもなれるのか?
人の姿なら、生前の姿…
ものすごく見た目も気になる!
と、ここ数日、気になり
密かに計画を立てて
尾行する事を決めていた
セレス「物には触れられるのは知ってるが
果たして、どんな顔なんだ……」
期待を胸にナレルの後を追う
ナレルは財布を手にすると
その体の影の中に
吸い込まれるようにしまうと
玄関の扉をすり抜けて行く
セレス「四次元ポケットかよ……
ちょっと良いなぁ……」
ゆっくり玄関の扉を開け
ナレルが森の道を進むのを確認し
全身に日焼け止め(スプレータイプ)を
これでもかと
浴びると、玄関のドアの鍵を締めて
後を追う
(いくら森の奥とは言え
ドロボーが入らないとは限らないからな!)
山を下り、
車の音が聞こえだし
街が見えてきた
車も人も、
ナレルの存在に気づかない
肉体を持たない彼は
霊能力、ある程度の力を持った人間にしか
その存在に気づく事はない……
セレス「頭の中、時代劇かと思ったが
あいつ、平然と歩いて行くな……
慣れてるのかな?」
ナレル「さて……そろそろこの姿では
いけませんね……」
セレス「!つ、ついに、姿を!」
ナレルは全身の黒い霧を大きくし
近くを歩く女子高生に取り憑いた
セレス「……あいつ、憑依出来たんだ……」
モブ女子高生A「どうしたの?」
セレス「あ、あいつ!友達と歩いてるのに
取り憑いて!バレるだろ?!」
ナレル(憑依)「あーごめんごめん!
ちょっち、買い忘れ~☆」
モブ女子高生B「びっくりしたぁ~
何忘れたの?」
モブ女子高生A「ついて行こうか~?」
ナレル(憑依)「ううん、大したことないし~
すぐそこだから、先行ってて~☆」
セレス「………(啞然)」
突如の完璧な、なりすましに
開いた口が塞がらない
そうしてる間に
女子高生(ナレル)は
本屋へ向かう
我に返り
慌てて後を追いかける
何食わぬ顔で本屋に入り
女子高生(ナレル)を探す
セレス「あんな能力があったとは……
誰かに憑依してたら、私でもわからないぞ…
まぁ、私の魔力の気配を辿れば
見つけられるけど……」
自分の魔力を追うと
既に商品を手にレジに向かっていた
店員「1300円でーす」
ナレル(憑依)「あ、カードもありますので
少々お待ちを……あった、お願いします」
店員「はい、お預かりします」
(見た目と違って丁寧な口調の人ね)
棚の影から見守るセレス
さっきまでの口調を忘れている様子に
ヒヤヒヤする
セレス「流石に取り憑かれてるとか
バレないだろうけど、なんで女子高生なんだよ!」
店員「ありがとうございましたー!」
買い物を終え
自動ドアを抜けると
脇道に移動し
買った商品を地面に置く
何をしてるのだろう?と
不思議に見ていると
女子高生(ナレル)は
歩道に戻り
憑依を解除した
モブ女子高生C「あれ?何してたんだっけ??」
女子高生は携帯を取り出し
仲間に連絡を取り
歩き出した
憑依を解除したナレルは
すぐさま脇道に戻り
さっき置いた商品を
四次元ポケット(影)に取り込み
帰り道へ……
ナレル「おや?お嬢様?」
セレス「!!……えっと、よっ!」
ナレル「いかがなさいました?」
セレス「えー、散歩?」
ナレル「!!!まさか!!」
ナレルは体(影)をぷるぷる震わせて
ナレル「寂しくて私の後を
追いかけて来てくれたんですね!!」
セレス「飛び付いてくんな!!」
ナレル「あふん…」
綺麗に空中二段蹴りを放ち
宙を舞うナレル
そして地面に接触したと同時に
ぬるっと、何事も無かったように立つナレル
ナレル「お見事です…綺麗なフォームでした」
セレス「お、おう……」
(やっぱりダメージは無いのか……)
ナレル「では、帰りましょう♡」
セレス「う、うん」
こうして、ナレルの買い物の謎は解決した
ちなみに……
セレス「あの口調はなんだったんだ?」
ナレル「おや、そんな所から
見られてましたか///」
セレス「うぐっ……(キモッ)
ナレルは男……だよな?」
ナレル「はい♡あの口真似は
憑依した者の記憶から、普段の口調を
真似したのみです」
セレス「なるほど」
ナレル「余計な記憶まで覗きませんよ?
下衆な人間の記憶など
見たくありませんからね」
セレス「一応…怪しまれないようにか、
なかなかやるわね」
ナレル「ありがたきお言葉!」
セレス「わざわざ脇道に本を置いたのは?」
ナレル「あれは隠したのです
憑依を解けば下衆な人間……
お嬢様の愛読書があれば
自分の物でなくても盗むでしょう?」
(私も欲しい!!)
セレス「な、なるほど……」
こうして屋敷へと帰った
セレス「今度から何か無くなったら
真っ先にナレルを疑う事にする」
ナレル「なぜ?!」
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