転生少女は怠惰した生活の夢を見るか?

オウラ

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魔女役になろう(溜息)

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 それは、文化祭も開幕まで、あと一週間をきった日のことだった。

「お願い!桃月さん、もう貴方しかいないの。一生のお願いだから」

 あー、だるいだるい。なんで、人生ってだるのかな。乙女ゲームは始まるし、私はこのままいけば刑務所だし、お先真っ暗、ブラックな人生だよ。などといつも通り学校に登校すれば、この有様。目の前で上目遣いをしながら、お願いっと手を合わせる委員長に出くわしたのだ(正確には、委員長友達に彼女のの席まで連行されたともいう)
 にしても、一生のお願いか。一生のお願いいて、絶対一生のお願いじゃないよね。思い返せば、一昨日も、委員長「一生のお願いだから、桃月さん、これやっといてくれる」と言っていなかっただろうか。一生のお願いを多用するのは良くないよ、委員長。信頼って言葉知ってるかい?え?思えに言われたくないって?知ってる。


「いーんちょ」
「たとえ、桃月さんが、ぐーたらで、ダメダメで、堕落し過ぎてて、やる気のないとしても!授業も真面目に聞かないのに、私よりテストの点が高くてぶっちゃけウザいと思っていても!」
「いーんちょ……」

 いや、好かれてるとは思った事なかったけど、ここまでとは。果たしてそれが人に頼む態度なのか。私の世間に対する認識ってそんなに酷いの?と思う事は多いがとりあえず委員長のその一言(実際には一言以上)に傷ついたが、そんなことでいちいち目くじらを立てる私ではない。だけど、やっぱ言いすぎだよ、委員長。オブラートって知ってる?



「ねぇ、私の代わりに、魔女の役をやってくれない。」

 どこかやや、悔しそうに発せられた委員長の言葉が耳へと届く。致し方ないだろう、彼女の気持ちを察すれば、わからなくもないかもしれない。
 ふと、ちょこんと目の前の椅子に座る委員長の足元まで視線を下げれば、その足は痛々しく包帯が巻かれている。聞くに委員長は、昨日劇の練習を体育館で行っていたとき距離感を間違えて、ステージから落下。不幸にも、着地に失敗し全治3週間となかなかの重傷となってしまったそうだ(因みに私は、既に任された仕事は終わっていたので、その頃は多分家に帰ってぐーたらして、翔馬に怒られていた)
 見るからに、誰よりもこの劇に力を入れ、頑張っていた委員長。まさしくそれは、私が捨てた青春の1
 ページそのもの。きっと自分が出られないっていう事実を悔しがり、皆に迷惑をかけていると言う罪悪感にさいなまれているに違いない。

「え、でも、そうは言っても、いいんちょ。私以外にも…いるんじゃない?魔女のやれる子」

 ……まぁ、でも、それとこれとは話が別。私が出なくてはいけない理由にはなってない。何で、委員長が、わざわざ私に頼んできたかは謎だが、もっと適任がいるだろう。大体、文化祭当日まであと7日それまでに、劇の代わりなんて…このへっぽこニート(仮)にできるわけがなかろう。自慢じゃないが前世ならば、いざ知らず、今世で全力を出したこと、頑張った事なんてないよ?基本的に(アニメ以外では)

「だから、貴方以外いないって言ってるじゃん!いい、桃月さん、ここだけの話、魔女の役の条件に合う子は皆当日は、何かしら劇の準備があるのよ役者は勿論、音響、照明、大道具を運ぶ係など、など、など!!皆、忙しいの!!わかる?そりゃ、あと一週間しか期間はないし、桃月さんの性格上、こう言うのやりたくないなって言う気持ちもわからなくもないけれど、貴方がやるしかないのよ!私は何が何でも、この劇を成功させたい。だから、魔女の役を私の代わりにやって!そして、完璧に演じて!わかった?わかったなら返事をしなさい!!」
「は、はい。桃月奏。全力で、魔女の役を勤めさせていただきます」

 委員長のあまりの気迫に、うっかり口から漏れた言葉。うぅ、怖い、怖いあまりに、了承してしまった。いや、委員長の事だから、了承するまで、聞かないんだろうけどさ。なんで、了承しちゃったんだろう。私らしくない。

「よし、よく言ったわ、桃月さん。私は勿論、皆でサポートするから。ね?頑張りましょうね、文化祭。絶対に、成功させましょう」
「……あ、うん」

 そう言ってきらきらっと笑う委員長。あぁ、うん、もう何も言えないや。それに、うん、下手をしたら最後の文化祭。来年には刑務所に入っているかもしれない。まぁ、ちょっとぐらい思い出を作るのもいいかもしれない。最後に、全力という物を出してみるのも、また一興だろう。

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