ルピナスは恋を知る

葉月庵

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203話

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「どうっすか、ハル君。お酒の味は。」

「はい、美味しいです。ただ、ガルムさん達が飲んでいるものはまだ私には早かったです……。」

「ハハハッ、そうっすか!お酒なんて自分の好きな物を飲めばいいんすよ。まぁ、そう言う自分も初めは苦くて避けてたんすけどね。」

「確か、ハル君は甘いものが好きだったよね?ガルムから聞いたんだけど、合ってるかな?」

「ガルムさんとアルトさん曰く、そうらしいですね。」

私はそう答えながらガルムさんとアルトさんの顔を見る。

「フフッ……、そうだな。ハルは甘い物を食べる時に、目を嬉しそうに細めるからな。それがまた可愛いんだ。」

そうなの……!?そ、そんなに私、表情に出ていたのかな?うぅ……、恥ずかしい……!

「ククッ……、そんな赤くならなくとも。ただ可愛いだけだぞ?」

「が、ガルムさん……!」

「ふふっ、仲が良くていいね。」

なんだか、レオさんとウィルさんに温かい視線を送られている気がする……!早く話をそらさないと……!

私は酔ってきた頭で必死に考え、パッと話題を思いつく。

「そ、そうです……!レオさんとウィルさんは今度の騎士団への招待は一緒に行くんですか?」

「ん?僕達も行ってもいいなら、行きたいけど、大丈夫なのかい?」

そうだ……!また早とちりしちゃった……。誘ってもいいか聞いてもいないのに……。

「俺は別に構わないぞ?レオたちの腕試しにも丁度いいだろう。」

「そうか。じゃあ、ギルに伝えておこう。カズラもいるし、一人も二人も変わらんしな。」

「えと、そのカズラって人は誰っすか?」

「あぁ、紹介していなかったな。カズラはあの王女がハルを攫った時に情報提供してくれた狐獣人だ。レオたちも会っただろう?あの後、色々あってハルと仲良くしてもらっている。」

「そうなんだ。今思えば、あの時、ハル君が無事で本当良かったよ。」

「そうだな。だが、あの事は今思い出しても腹が立つ。」

「でも、あれがあったおかげで大好きなガルムさんとアルトさんの番になれたので、私は結果的に良かったと思いましゅよ。」

「「「「ん……?」」」」

あれ……?もう呂律が回らなくなってきちゃった。グラスの半分も飲んでいないのになぁ?

視線が一気に私へと向き、私は重くなってきた頭を何とか支える。

「は、ハル、もう酔っているのかい?」

「そうれすね。もう酔っているのかもしれません。へへ。」

「……ガルム、前飲んだ時もこんなに酔いが速かったのかい?」

「いや、前は三杯くらいでこうなっていたんだが……。取り敢えず、ハル、俺の膝の上へ。」

私はガルムさんによって膝の上へと下ろされ、頭をガルムさんに預ける。その間にアルトさんが私のお酒を一口飲んでいた。

「ふむ……、特段アルコールか強いわけではないな。」

「皆さんは気にせず、どんどん食べて飲んでくだしゃい。私もまだまだいけますから……。」

「んー……、あっ!ほら、お腹が空いているとお酒のまわりが速いって言うっすし、ハル君も何か食べた方がいいんじゃないっすか?」

「そうだな……。ほら、ハル。ローストビーフだ。食べれるかい?」

目の前でアルトさんがフォークにお肉を刺して、差し出してくれている。私はそれをパクリと食べる。

「ん……、美味しいですね。じゃあ、はい。お返しです。あーん……、」

アルトさんは一瞬目を見開き、驚いた様子だったが、すぐに顔を破顔させて私が差し出した料理を食べてくれた。

「うん、ハルが食べさせてくれたからより美味いな。ありがとう。」

「えへへ……、それは良かったです。ガルムさんも、あーんです。」

「俺にもしてくれるのか!……ん、美味い。」

「あーあ、あんなにもデレちゃって……。ガルムを怖がっている人に見せてあげたいくらいだよ。」

こうして私は酔いながらもしばらく食事を皆さんと一緒に楽しんだのだった。
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