ルピナスは恋を知る

葉月庵

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204話 アルト視点

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レオやウィルに誘われてハルの誕生日の祝いの席で食事をしていると、その当の本人が俺の腕の中でスーッと小さな寝息を立てていることに気がついた。

「ん?ハル、ハル?……寝てしまったか。」

「寝てしまいましたね……。お酒を飲んでから割とすぐに酔っていましたしね。」

「ククッ……、可愛いな。」

ガルムがハルの前髪をそっと梳いてキスをする。俺も可愛い存在にキスをしてあげたかったが、動くとハルを起こしてしまう可能性があったため、諦めた。

「主役も寝てしまったっすし、お開きにするっすか?それに、結構いい時間っすしね。」

「そうだな。レオ、ウィル、今日は、ありがとうな。」

「いや、僕達も楽しかったから。良かったらまた今度こうやって飲もうね。」

「あぁ、約束だ。アルトもいいよな?」

「もちろんだ。俺も楽しかったし、何よりハルが楽しそうだったからな。」

肩の力を完全に緩めて楽しそうにしているから、定期的にお酒を飲んでもらうのは良いかもしれない。……酔って甘えたになったハルを見たいってのもあるが。

「アルト、先に戻ってハルを寝かせておいてくれ。会計はやっておく。」

「分かった。お言葉に甘えてそうかせてもらおう。レオ、ウィル、改めて今日は楽しかった。また誘ってもらえると嬉しい。」

「はいっす!また必ずやろうっす!」

「その時はハル君も是非。」

俺はそれに返事をしてハルを向かい合うように抱き直してから店を出た。

少し冷えるな……。ハルが風邪を引かないよう、速く帰るとしよう。

すっかり暗くなってしまった道を駆けていく。酒で少し火照った体に心地いい。流石にガルム程、夜目が利く訳ではないため安全を考慮して屋根を伝うのはやめておいた。家に着くと、ウォルトが出迎えてくれる。

「アルト様、おかえりなさいませ。ハル様は……お眠りのようですね。ガルム様は?」

「ただいま、ウォルト。ガルムは後から帰ってくる。俺は先に帰らせて貰ったんだ。……そうだ、ウォルト。ハルが昨日飲んだ酒は、何か特別なものなのか?今日も酒を飲んでいたんだが、すぐ酔ってしまっていてな。」

「すみません、お伝えし忘れていました。昨日、ハル様にお出ししたお酒は特別、度数が低いものでして……。」

そうか、度数か。盲点だった……。つまり、ハルは酒に弱い、ということか。

「なるほど……、いや構わない。」

「ん……、あれ、アルトしゃん……?」

その時、腕の中でハルがゆるりと瞼を開いた。

「ハル。すまない、起こしてしまったか?」

「別に、大丈夫ですよ。ここは……、家ですか……?しゅみません、運んでもらって……。」

「大丈夫だ。起きてしまったのなら、風呂に入るか。ウォルト、俺とハルの寝巻きを用意しておいてくれるか?」

「畏まりました。」

むにゃむにゃと今にもまた寝てしまいそうになっている可愛い番を風呂へと連れて行く。

「ハル、風呂に入るから服を脱がすぞ。」

「えへへ……。なんだか、恥ずかしいれすね……。」

くっ……!可愛い……!

トロンとしているハルをずっと見ていたくなる気持ちをグッと抑えて、自分も服を脱いで風呂場へと入る。そして、ハルと自分の体を洗って浴槽につかる。

ちなみに、ハルの体を洗う際にくすぐったいと可愛く言う姿に、またも悶絶しそうになったのはここだけの話だ。
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