ルピナスは恋を知る

葉月庵

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210話

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それから日々は過ぎていき、あっという間にギルさんと約束した騎士団に行く日になっていた。どうせ一緒に行くのならと、レオさんとウィルさんも一緒に朝ご飯を食べ、馬車にのってカズラさんの家まで迎えに行った。今回は私とカズラさんがいるからと、行き来は馬車になったのだ。

「おはようございます、カズラさん……!」

「おはよう、ハル君!今日はわざわざすみません、アルトさん、ガルムさん。それと、こちらは……?」

「あぁ、こっちは俺のパーティーの……」

「レオです。よろしくね。」

「ウィルっす!よろしくっす!」

「いえ、こちらこそ……!ガルムさんのパーティーの方だったんですね、よろしくお願いします。改めて、今日はお邪魔してすみません。」

こうして自己紹介が終わり、早速馬車へと乗り込む。今日は六人も乗るため、キャビンも自然と大きいものになった。移動中は皆で雑談をしていると、あっという間だった。

「ガルム様、アルト様御一行ですね。団長は目立ってしまうため、出迎えができず申し訳ありません。さ、どうぞ、こちらへ。」

目立たないようにと、騎士団が使用する裏口的な所に行くと、騎士団の一人が案内してくれる。そして、指定の場所で御者をしているウォルトさんが馬車を止めてくれ、私達が降りると早速ギルさんが飛んでくる。

「やっと来てくれたか!待ちくたびれてしまうところだったぞ!」

「待ってくれ、団長……!初めての人もいるんだから、驚かせてしまうだろう……!」

ギルさんの後ろから副団長のローランさんがやってくる。

「ククッ……、大変そうだな、ローラン。」

「全く、その通り。小言の一つや二つ言ってやりたいよ……。さ、広間に案内しよう。そこに荷物など置けるようになっている。」

そうしてローランさんがギルさんを差し置いて先導して歩いていく。副団長という役職は、思っている以上に大変そうだ。そう思っていると、カズラさんがこそっと耳打ちしてくる。

「なんか、団長さんってあんな感じなんだね。もっと厳格な感じかと思ったけど……。」

「ですね、私も初めて会った時は驚きました。でも、とってもいい人ですよ。」

「ふふっ、ハル君が言うなら、そうなんだろうね。」

そんな会話を交わしていると、訓練場らしき場所に案内される。この場所にそぐわない日差しを遮るパラソルが刺さるテーブルに目が惹かれる。

えっ……、もしやしなくとも、あそこ……?ん、あれは……?あっ……!

「アッシュさん……!」

「おぉ、ハル君。久しいのぅ。」

「何だ?アッシュの爺さんも来ていたのか。」

「なんじゃ、アルト。その言い方は。何、息子から今日のことを聞いていてな。ハル君はどうしているのかと気になってきたんじゃ。……して、そちらの狐獣人さんはハル君のお友達かね?」

「は、はい……!始めまして、カズラと言います……!」

「フォッフォッ、そんな固くならずともよい。ギルドマスターなんて、ただの肩書じゃ。気楽にそこらの爺さんとでも思ってもらえればこちらとしても嬉しいのぅ。」

まさか、アッシュさんに会えるなんて……!これは嬉しい誤算だ。
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