218 / 318
218話
しおりを挟む
目の前で行われたウィルさんとライさんの試合はウィルさんの勝利という形で幕を閉じた。
「お疲れ様です……!お二人ともお強くて、凄かったです……!」
「ありがとうっす。いや~、何とか勝てて良かったっすよ。」
「あなたも凄かったよ、ライ!」
「あ、ありがとう……。」
ふふっ、あのライさんがカズラさんの前ではこんな風になるなんて……、これだけで今日ここに来た価値があるか気がする……!
「あっ、そうだ……!ガルムさん、ちょっと双剣の手入れ、手伝ってくれるっすか?なにせ、4本もあって大変なんすよ……。」
「あぁ、分かった。すまない、ハル。そう言うことだから、少し待っていてくれるか?」
「はい、分かりました。私のことは気にしないで大丈夫ですよ。」
そうだよね、あんなに激しい試合をしていたんだから、刃毀れくらいするよね。あれ……?でも、ウィルさんが人に手入れを頼んでいるところ、見たことない……。
それもそうか。ガルムさんとレオさんもそうだけど、ウィルさんが武器を使っているのを見たのは私のレベルに合わせた魔物を狩っている時だけだったし、刃毀れすることはなかったのだろう。
「すまない、ハル。俺も少し、手を洗ってくる。」
「はい。じゃあ、ここで待っていますね。」
アルトさんは微笑んで私の頬にキスをしてきた。隙あらばキスをされるのは未だ慣れない。
「ウォルト。俺がいない間、ハルの事を頼んでもいいか?」
「もちろんです。お任せください。」
そうして私は、アルトさんの膝の上から椅子の上へと座らせてもらい、ガルムさんとアルトさんを見送った。そこで私ははっと気づく。
これは、指輪について聞くチャンスなのでは……!
「あ、あの、カズラさん……!」
「ん?どうしたの?ハル君。」
「えっと。実は私、ガルムさんとアルトさんのお二人に指輪をプレゼントしたいと考えているんですが、どういうのが良いのか分からなくて……。それで、カズラさんとライさんはどうしたのか、聞きたいんです……!」
「なるほど、そういうことね。ふふっ、ハル君とお二人のうち、どちらかはいつもついていて聞きづらかったのね。いいよ。……えっとね、ライからはプロポーズの時にサプライズで用意してもらったかな。……こ、こういうの、自分で話すの、なんだか恥ずかしいね……。ライ、あなたが話してくれる?」
「え、俺かい?ま、まぁ、いいけど……。えっと、俺がカズラにプレゼントした指輪はこれがカズラに一番似合うなって思ったのを選んだんだよ……。こ、これでいいかな?」
ライさんの顔が仄かに赤く染まり、なんだか照れくさそうに頬をかいている。
「そうなんですね……!それで、カズラさんはどうしたんですか……?」
「私は、ほら、装飾品を作っているじゃない?だから、指輪も作ってみたいなーって思って、指輪専門で作っている友人に教えてもらいながら、自分で作ったんだ。」
「えっ、そうなんですか……!?凄いです……!」
「あっ、そうだ……!思い切って、ハル君も作ってみたらどう……!ちゃんとその人、紹介するからさ!どうかな?」
「えっ……!?わ、私なんかにできるでしょうか……?」
「大丈夫だよ!私も指輪なんて作ったことなかったんだから!」
「うん、俺もハル君ならできると思うよ。」
ライさんにまで背中を押されたら、これはもう提案に乗ったほうが良さそうだ。それに、思いを込めるって点では一番良いものだと思うし。
「なら、お願いしても良いですか?」
「もちろん!じゃあ、今度その人を呼んで、計画を立てよう!あっ、でも、ガルムさんとアルトさんがその場にきっといるからサプライズにはならないのか……。ハル君もサプライズがいいよね?」
「はい、できればですが……。で、でも……!その点は私が何とかしてみせます……!」
こうしてガルムさんとアルトさんが離れていることをいいことに、サプライズ計画を立てるのだった。
「お疲れ様です……!お二人ともお強くて、凄かったです……!」
「ありがとうっす。いや~、何とか勝てて良かったっすよ。」
「あなたも凄かったよ、ライ!」
「あ、ありがとう……。」
ふふっ、あのライさんがカズラさんの前ではこんな風になるなんて……、これだけで今日ここに来た価値があるか気がする……!
「あっ、そうだ……!ガルムさん、ちょっと双剣の手入れ、手伝ってくれるっすか?なにせ、4本もあって大変なんすよ……。」
「あぁ、分かった。すまない、ハル。そう言うことだから、少し待っていてくれるか?」
「はい、分かりました。私のことは気にしないで大丈夫ですよ。」
そうだよね、あんなに激しい試合をしていたんだから、刃毀れくらいするよね。あれ……?でも、ウィルさんが人に手入れを頼んでいるところ、見たことない……。
それもそうか。ガルムさんとレオさんもそうだけど、ウィルさんが武器を使っているのを見たのは私のレベルに合わせた魔物を狩っている時だけだったし、刃毀れすることはなかったのだろう。
「すまない、ハル。俺も少し、手を洗ってくる。」
「はい。じゃあ、ここで待っていますね。」
アルトさんは微笑んで私の頬にキスをしてきた。隙あらばキスをされるのは未だ慣れない。
「ウォルト。俺がいない間、ハルの事を頼んでもいいか?」
「もちろんです。お任せください。」
そうして私は、アルトさんの膝の上から椅子の上へと座らせてもらい、ガルムさんとアルトさんを見送った。そこで私ははっと気づく。
これは、指輪について聞くチャンスなのでは……!
「あ、あの、カズラさん……!」
「ん?どうしたの?ハル君。」
「えっと。実は私、ガルムさんとアルトさんのお二人に指輪をプレゼントしたいと考えているんですが、どういうのが良いのか分からなくて……。それで、カズラさんとライさんはどうしたのか、聞きたいんです……!」
「なるほど、そういうことね。ふふっ、ハル君とお二人のうち、どちらかはいつもついていて聞きづらかったのね。いいよ。……えっとね、ライからはプロポーズの時にサプライズで用意してもらったかな。……こ、こういうの、自分で話すの、なんだか恥ずかしいね……。ライ、あなたが話してくれる?」
「え、俺かい?ま、まぁ、いいけど……。えっと、俺がカズラにプレゼントした指輪はこれがカズラに一番似合うなって思ったのを選んだんだよ……。こ、これでいいかな?」
ライさんの顔が仄かに赤く染まり、なんだか照れくさそうに頬をかいている。
「そうなんですね……!それで、カズラさんはどうしたんですか……?」
「私は、ほら、装飾品を作っているじゃない?だから、指輪も作ってみたいなーって思って、指輪専門で作っている友人に教えてもらいながら、自分で作ったんだ。」
「えっ、そうなんですか……!?凄いです……!」
「あっ、そうだ……!思い切って、ハル君も作ってみたらどう……!ちゃんとその人、紹介するからさ!どうかな?」
「えっ……!?わ、私なんかにできるでしょうか……?」
「大丈夫だよ!私も指輪なんて作ったことなかったんだから!」
「うん、俺もハル君ならできると思うよ。」
ライさんにまで背中を押されたら、これはもう提案に乗ったほうが良さそうだ。それに、思いを込めるって点では一番良いものだと思うし。
「なら、お願いしても良いですか?」
「もちろん!じゃあ、今度その人を呼んで、計画を立てよう!あっ、でも、ガルムさんとアルトさんがその場にきっといるからサプライズにはならないのか……。ハル君もサプライズがいいよね?」
「はい、できればですが……。で、でも……!その点は私が何とかしてみせます……!」
こうしてガルムさんとアルトさんが離れていることをいいことに、サプライズ計画を立てるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
私と子供より、夫は幼馴染とその子供のほうが大切でした。
小野 まい
恋愛
結婚記念日のディナーに夫のオスカーは現れない。
「マリアが熱を出したらしい」
駆けつけた先で、オスカーがマリアと息子カイルと楽しげに食事をする姿を妻のエリザが目撃する。
「また裏切られた……」
いつも幼馴染を優先するオスカーに、エリザの不満は限界に達していた。
「あなたは家族よりも幼馴染のほうが大事なのね」
離婚する気持ちが固まっていく。
拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件
碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。
状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。
「これ…俺、なのか?」
何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。
《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》
────────────
~お知らせ~
※第3話を少し修正しました。
※第5話を少し修正しました。
※第6話を少し修正しました。
※第11話を少し修正しました。
※第19話を少し修正しました。
※第22話を少し修正しました。
※第24話を少し修正しました。
※第25話を少し修正しました。
※第26話を少し修正しました。
※第31話を少し修正しました。
※第32話を少し修正しました。
────────────
※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!!
※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
三日天下の聖女です!
あんど もあ
ファンタジー
平凡なアルファパレス好き女子高生の私は、いきなり異世界に聖女として召喚されてしまった。でも、明後日に瘴気を浄化する神事をやってくれたら元の場所・時間に戻してくれると言うのでちょっと安心。なら三日間、立派な聖女になりましょう! ……でも、私が邪魔な人がいるようで……。
【本編完結】落ちた先の異世界で番と言われてもわかりません
ミミナガ
BL
この世界では落ち人(おちびと)と呼ばれる異世界人がたまに現れるが、特に珍しくもない存在だった。
14歳のイオは家族が留守中に高熱を出してそのまま永眠し、気が付くとこの世界に転生していた。そして冒険者ギルドのギルドマスターに拾われ生活する術を教わった。
それから5年、Cランク冒険者として採取を専門に細々と生計を立てていた。
ある日Sランク冒険者のオオカミ獣人と出会い、猛アピールをされる。その上自分のことを「番」だと言うのだが、人族であるイオには番の感覚がわからないので戸惑うばかり。
使命も役割もチートもない異世界転生で健気に生きていく自己肯定感低めの真面目な青年と、甘やかしてくれるハイスペック年上オオカミ獣人の話です。
ベッタベタの王道異世界転生BLを目指しました。
本編完結。番外編は不定期更新です。R-15は保険。
コメント欄に関しまして、ネタバレ配慮は特にしていませんのでネタバレ厳禁の方はご注意下さい。
2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~
青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」
その言葉を言われたのが社会人2年目の春。
あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。
だが、今はー
「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」
「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」
冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。
貴方の視界に、俺は映らないー。
2人の記念日もずっと1人で祝っている。
あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。
そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。
あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。
ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー
※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。
表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる