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226話
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コップに血を入れ終わった私達はそれを持ってオズさんとレオさんの待つ部屋へと戻っていった。部屋に入り、一言二言交わしてから、ガルムさんが切り出す。
「早速で悪いが、コレを飲んでくれ。」
「これが先程話していた準備してくるもの、ですか?……失礼ですが、何処か血の匂いがしませんか?」
「いや、これはそういう匂いがするってだけの代物だ。それだけ効果があると思ってくれていい。」
「そうですか。では、失礼して……。」
ガルムさんから血の入ったコップを受け取ったオズさんは薬を飲むかのように一気に中身を飲み干した。私からこの血について話すと体質がバレてしまうということで、アルトさんがその効果を話してくれる。
「どうやら、骨折が治るのに1時間はらしい。まぁ、昼が終わる頃には治っているだろう。」
「分かりました。こんなに上等なもの、相当お高いんでしょう。ありがとうございます。そうですね、何か、お返しをしましょう。何がいいですか?」
「そうだな……。ハルは……、うん、なさそうだな。なら、何か必要な時は声をかけよう。その時はよろしく頼む。」
良かった。アルトさん、気づいてくれた。うん、だって、欲しいものとか特に思いつかないしね。
「そういうことならば、えぇ。いつでも頼ってください。お力になりましょう。」
こうしてオズさんの怪我も私の血を飲んでくれたおかげでしばらくすれば治るだろう。私達はレオさんと一緒に、オズさんに一応まだ安静にしておくように伝えて、昼食を食べに戻ることにした。ちなみに、騎士団の方達が用意してくれたのは、ピグで作った豚汁と白米だった。
「じゃあ、僕はこれをオズさんに届けてくるよ。ハル君、改めて、さっきはありがとね。」
「いえいえ、お役に立てたようで何よりです。」
そう言ってレオさんはオズさんにと昼食を持っていった。それを見送ると、ガルムさんは用意された椅子に座り、私を膝の上へと乗せた。
「さて、俺達も昼食を食べようか。」
「おい、待て。さっき、ガルムがハルを膝に乗せていただろう。今度は俺の番だ。代わってもらおう。」
アルトさんは私をガルムさんから取り上げ、膝の上へと乗せる。
どうやってもどちらかの膝の上に座ることになってしまうんだね……。
そう思っていると、アルトさんが顔を覗き込みながら聞いてくれる。
「ハル、まずは何から食べたい?」
「そうですね……。じゃあ、カズラさんの高菜のおにぎりから頂きます。」
「そうか。……ほら、ハル。じゃあ、俺はハルのおにぎりから食べよう。」
「俺もそうするとしよう。ここに来る時から楽しみだったんだ。」
ふふっ、素直にそう言われるのは嬉しいな。……ん!カズラさんのおにぎりも美味しい!
お二人が食べ始めたのを見てから私が食べていると、もう一個目の半分以上を食べたお二人が感想を言ってくれる。
「うん。相変わらず、ハルの料理は美味いな。毎日でも食べたくなる。」
「それは俺も同意見だ。フフッ……。まぁ俺は、ハルがこっちで働いてくれる時の昼は手料理を食べているがな。」
「何っ……!?それは本当なのか!?クソッ、俺もハルの手料理を食べたいというのに。」
「だが、ガルムもハルが依頼を受ける際にはハルの手料理を食べているのだろう?トントンだ。」
「それも、そうか……。いや、騙されんぞ……!その時はアルトもハルから弁当をもらっているではないか!」
「ま、まぁ、お二人とも。今度、家でウォルトさんとシータさんにお願いして作りますから……!それに、折角温めてくれたのに、冷めてしまいます……!」
お二人が私の手料理で言い合っているのは嬉しくもあり、どこかこそばゆかった。私が手料理を今度改めて振る舞うと言うと、お二人はとても嬉しそうにしており、感情が尻尾に表れていた。
「そうか……!あ、いや、作ってくれるのは嬉しいが、ハルは大変じゃないのかい?」
「そうだ。ハルが大変な思いをするのは俺達の本意ではない。」
お二人は優しいな。でも、そんなお二人だからこそ、作りたいって思える。
「大丈夫ですよ。今度作るので、楽しみにしていてくださいね。」
「「あぁ、もちろん……!」」
また今度、お二人に手料理を振る舞おうと心に決めながら、残りのお昼の時間を過ごすのであった。
「早速で悪いが、コレを飲んでくれ。」
「これが先程話していた準備してくるもの、ですか?……失礼ですが、何処か血の匂いがしませんか?」
「いや、これはそういう匂いがするってだけの代物だ。それだけ効果があると思ってくれていい。」
「そうですか。では、失礼して……。」
ガルムさんから血の入ったコップを受け取ったオズさんは薬を飲むかのように一気に中身を飲み干した。私からこの血について話すと体質がバレてしまうということで、アルトさんがその効果を話してくれる。
「どうやら、骨折が治るのに1時間はらしい。まぁ、昼が終わる頃には治っているだろう。」
「分かりました。こんなに上等なもの、相当お高いんでしょう。ありがとうございます。そうですね、何か、お返しをしましょう。何がいいですか?」
「そうだな……。ハルは……、うん、なさそうだな。なら、何か必要な時は声をかけよう。その時はよろしく頼む。」
良かった。アルトさん、気づいてくれた。うん、だって、欲しいものとか特に思いつかないしね。
「そういうことならば、えぇ。いつでも頼ってください。お力になりましょう。」
こうしてオズさんの怪我も私の血を飲んでくれたおかげでしばらくすれば治るだろう。私達はレオさんと一緒に、オズさんに一応まだ安静にしておくように伝えて、昼食を食べに戻ることにした。ちなみに、騎士団の方達が用意してくれたのは、ピグで作った豚汁と白米だった。
「じゃあ、僕はこれをオズさんに届けてくるよ。ハル君、改めて、さっきはありがとね。」
「いえいえ、お役に立てたようで何よりです。」
そう言ってレオさんはオズさんにと昼食を持っていった。それを見送ると、ガルムさんは用意された椅子に座り、私を膝の上へと乗せた。
「さて、俺達も昼食を食べようか。」
「おい、待て。さっき、ガルムがハルを膝に乗せていただろう。今度は俺の番だ。代わってもらおう。」
アルトさんは私をガルムさんから取り上げ、膝の上へと乗せる。
どうやってもどちらかの膝の上に座ることになってしまうんだね……。
そう思っていると、アルトさんが顔を覗き込みながら聞いてくれる。
「ハル、まずは何から食べたい?」
「そうですね……。じゃあ、カズラさんの高菜のおにぎりから頂きます。」
「そうか。……ほら、ハル。じゃあ、俺はハルのおにぎりから食べよう。」
「俺もそうするとしよう。ここに来る時から楽しみだったんだ。」
ふふっ、素直にそう言われるのは嬉しいな。……ん!カズラさんのおにぎりも美味しい!
お二人が食べ始めたのを見てから私が食べていると、もう一個目の半分以上を食べたお二人が感想を言ってくれる。
「うん。相変わらず、ハルの料理は美味いな。毎日でも食べたくなる。」
「それは俺も同意見だ。フフッ……。まぁ俺は、ハルがこっちで働いてくれる時の昼は手料理を食べているがな。」
「何っ……!?それは本当なのか!?クソッ、俺もハルの手料理を食べたいというのに。」
「だが、ガルムもハルが依頼を受ける際にはハルの手料理を食べているのだろう?トントンだ。」
「それも、そうか……。いや、騙されんぞ……!その時はアルトもハルから弁当をもらっているではないか!」
「ま、まぁ、お二人とも。今度、家でウォルトさんとシータさんにお願いして作りますから……!それに、折角温めてくれたのに、冷めてしまいます……!」
お二人が私の手料理で言い合っているのは嬉しくもあり、どこかこそばゆかった。私が手料理を今度改めて振る舞うと言うと、お二人はとても嬉しそうにしており、感情が尻尾に表れていた。
「そうか……!あ、いや、作ってくれるのは嬉しいが、ハルは大変じゃないのかい?」
「そうだ。ハルが大変な思いをするのは俺達の本意ではない。」
お二人は優しいな。でも、そんなお二人だからこそ、作りたいって思える。
「大丈夫ですよ。今度作るので、楽しみにしていてくださいね。」
「「あぁ、もちろん……!」」
また今度、お二人に手料理を振る舞おうと心に決めながら、残りのお昼の時間を過ごすのであった。
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