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267話
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うぅ……。まさか、昨日家に着いたらレオさんとウィルさんがいて、お二人からも軽めの悪阻でも休まないといけないと釘を刺されるとは……。
渋々それに従って今日は大人しくしているのだが、いかんせん何かしていないと落ち着かない。
今日も王城からの迎えが来なかったため、ガルムさんとアルトさんをそれぞれ見送り、今私はアルトさんの部屋でベッドに座っている。ふと、ウォルトさんとシータさんにお願いすれば何かさせてくれるのではないかと思えば、聞かずには居られなかった。私が早速広間に行くと、丁度ウォルトさんが掃除をしていた。
「あの、ウォルトさん……!私もお掃除手伝います……!」
「これはこれは、ハル様。いえ、その申し出はありがたいのですが、アルト様とガルム様から止めるよう言われておりまして。」
「ですが、手持ち無沙汰で……。それに、こんなに広いんですから、ウォルトさんも大変ですよ。二人でやれば早く終わります……!」
「大丈夫ですよ。日頃から皆様が汚れがあればすぐに綺麗にしてくださるおかげで、軽く掃除をするくらいですから。」
「わ、分かりました……。」
これ以上ウォルトさんにお願いしても逆に迷惑になるだろうと思い、私は引き下がった。ならばシータさんはどうかと思い、ウォルトさんに尋ねてみる。
「あの、でしたらシータさんはどちらに……?」
「シータでしたら、食処にいると思いますよ。」
「分かりました。ありがとうございます。」
食処と言えば、部屋を出る前に何とかじっとしていようとして時間を過ごしていたこともあり、お昼になりかけていた。
そう言えば、ガルムさんとアルトさんのお昼、作りたかったのにそれすらもさせてもらえなかったな……。
「すみません。シータさん、いらっしゃいますか?」
「はい、なんでしょう。」
食処につき、シータさんを呼ぶと奥からやってきてくれる。どうやら調理中だったようで、いつぞやに私がプレゼントしたハンカチをしまっているのが見えた。
あれ、使ってくれているんだ……!何だか、嬉しいな。
「ハル様、いかがなさいましたか?」
「あっ、えと、何か手伝えることはないかと思いまして……。」
「ハル様はお優しいですね。ですが、悪阻は大丈夫でしょうか?」
「はい、逆に動いていない方が落ち着かなくて……。」
「ふふっ、ハル様らしいですね。私も似たような経験を妊娠時にしたので、その気持ち、分かります。」
「えっ……!シータさんもですか……!」
なんと……!これは私だけじゃないんだ……!
私は自分でも普通ではないとわかっているので、この感覚は自分だけが抱いているものではないのだと分かり、嬉しくなる。
「えぇ、私も娘を妊娠時にウォルトが今のアルト様やアルト様のような感じでしたので。」
「でしたら……!」
「ですが。同時に、悪阻のつらさも知っております。なので、ここで一つ私から提案がございます。……ハル様は私と一緒に料理をする、といのはいかがでしょうか。」
「料理、ですか……?」
掃除とか色々あると思うけど、なんで料理なんだろう……?
「はい、料理です。料理でしたら、掃除ほど負担が大きいものではないですし、私共もお手伝いできます。そして何より、ハル様が夕餉を作ったとなれば、アルト様やガルム様が喜んでくださるでしょう。」
ガルムさんとアルトさんが喜んでくれる……!
「それはいい案ですね……!」
「えぇ。アルト様やガルム様への説得についても微力ながら、私が手伝わせていただきます。」
「はい、よろしくお願いします……!」
渋々それに従って今日は大人しくしているのだが、いかんせん何かしていないと落ち着かない。
今日も王城からの迎えが来なかったため、ガルムさんとアルトさんをそれぞれ見送り、今私はアルトさんの部屋でベッドに座っている。ふと、ウォルトさんとシータさんにお願いすれば何かさせてくれるのではないかと思えば、聞かずには居られなかった。私が早速広間に行くと、丁度ウォルトさんが掃除をしていた。
「あの、ウォルトさん……!私もお掃除手伝います……!」
「これはこれは、ハル様。いえ、その申し出はありがたいのですが、アルト様とガルム様から止めるよう言われておりまして。」
「ですが、手持ち無沙汰で……。それに、こんなに広いんですから、ウォルトさんも大変ですよ。二人でやれば早く終わります……!」
「大丈夫ですよ。日頃から皆様が汚れがあればすぐに綺麗にしてくださるおかげで、軽く掃除をするくらいですから。」
「わ、分かりました……。」
これ以上ウォルトさんにお願いしても逆に迷惑になるだろうと思い、私は引き下がった。ならばシータさんはどうかと思い、ウォルトさんに尋ねてみる。
「あの、でしたらシータさんはどちらに……?」
「シータでしたら、食処にいると思いますよ。」
「分かりました。ありがとうございます。」
食処と言えば、部屋を出る前に何とかじっとしていようとして時間を過ごしていたこともあり、お昼になりかけていた。
そう言えば、ガルムさんとアルトさんのお昼、作りたかったのにそれすらもさせてもらえなかったな……。
「すみません。シータさん、いらっしゃいますか?」
「はい、なんでしょう。」
食処につき、シータさんを呼ぶと奥からやってきてくれる。どうやら調理中だったようで、いつぞやに私がプレゼントしたハンカチをしまっているのが見えた。
あれ、使ってくれているんだ……!何だか、嬉しいな。
「ハル様、いかがなさいましたか?」
「あっ、えと、何か手伝えることはないかと思いまして……。」
「ハル様はお優しいですね。ですが、悪阻は大丈夫でしょうか?」
「はい、逆に動いていない方が落ち着かなくて……。」
「ふふっ、ハル様らしいですね。私も似たような経験を妊娠時にしたので、その気持ち、分かります。」
「えっ……!シータさんもですか……!」
なんと……!これは私だけじゃないんだ……!
私は自分でも普通ではないとわかっているので、この感覚は自分だけが抱いているものではないのだと分かり、嬉しくなる。
「えぇ、私も娘を妊娠時にウォルトが今のアルト様やアルト様のような感じでしたので。」
「でしたら……!」
「ですが。同時に、悪阻のつらさも知っております。なので、ここで一つ私から提案がございます。……ハル様は私と一緒に料理をする、といのはいかがでしょうか。」
「料理、ですか……?」
掃除とか色々あると思うけど、なんで料理なんだろう……?
「はい、料理です。料理でしたら、掃除ほど負担が大きいものではないですし、私共もお手伝いできます。そして何より、ハル様が夕餉を作ったとなれば、アルト様やガルム様が喜んでくださるでしょう。」
ガルムさんとアルトさんが喜んでくれる……!
「それはいい案ですね……!」
「えぇ。アルト様やガルム様への説得についても微力ながら、私が手伝わせていただきます。」
「はい、よろしくお願いします……!」
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