ルピナスは恋を知る

葉月庵

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279話

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私達は少し休憩してから、シータさんのいる部屋へとウォルトさんに案内してもらっていた。私は自分で歩こうとしたが、最近歩いていなかったからか、少し進んだだけでよろついてしまい、アルトさんに抱き上げられていた。

「ここが私とシータの部屋です。では、開けますね。……シータ、私です。入りますよ。」

ガチャッと扉を開け、ウォルトさんに続き中へと入っていく。中はお二人用ということもあり、広々としていた。おおよそアルトさんの部屋と同じか、それ以上の広さだった。

「シータ、大丈夫か?具合はどうだ?」

「アルト様……!それに、ハル様まで……!」

「あぁ、いや、起きなくていい。」

私達もいることを認識したシータさんが起き上がろうとするのをある者さんが止めていた。シータさんはとても

「これを見るに、アルト様もウォルトもハル様を止められなかったのですね……。」

「すみません、私が無理を言ってこさせてもらいました。それで、シータさん。具合の方は……?」

「お休みさせていただいているおかげでだいぶ良くなりました。お恥ずかしながら、最近張り切り過ぎたせいでしょう。いやはや、年とは取りたくないものですね。」

「さて、長居しすぎるのはハルにもシータにも良くないだろうし、出ようか。」

「そうですね、お大事になってください。」

「えぇ、ありがとうございます。ハル様も来てくださったおかげで少し元気が出てきました。しかし、お二方。ここを出た後の手洗いうがいはしっかりしてくださいね。」

こうして私達はシータさん達の部屋から離れるのだった。そして、言われた通り手洗いなどを済ませ、部屋に戻ろうとすると、丁度来客を知らせる鐘が鳴る。

「ふむ……、来たようだな。」

「私が出ますので、アルト様とハル様はお部屋にお戻りください。」

「いや、ハルは初対面だから、顔を合わせておいた方がよいだろう。」

「分かりました。でしたら、少々お待ちください。今連れてきますので。」

あっ、話していた娘さんか……!一体どんな人何だろう……?ウォルトさんとシータさんの娘さんだから、きっと良い人だよね。

少しワクワクしながらウォルトさんが戻ってくるのを待っていると、その人はウォルトさんの後ろについてやってきた。

えっ……?犬の獣人さんじゃ、ない……?

「お待たせしました。ハル様、こちらが娘のリルです。」

「こちらがハル様ですね。はじめまして、父と母がお世話になっております。娘のリルです。少しの間ですが、こちらでお手伝いをさせていただきます。」

挨拶をしてくれた人は獣人ではなく、人間だった。獣人と半獣人の間に人間が産まれるのを失念していた方がため、少々驚きながらも娘さん改め、 さんに挨拶を返す。

「は、初めまして……!は、ハルと言います。こちらこそ、よろしくお願いします……!あっ、すみません、こんな状態で……!」

挨拶してから気づいたが、私はシータさん達の部屋を出てから再度アルトさんに抱き上げられていたままだった。初対面なのに、こんな形で出会ってしまってなんだか少し恥ずかしい。

「いえ、両親からは悪阻の最中だと話は聞いておりますので、大丈夫ですよ。」

「すみません、ありがとうございます……。」

そこまで話し終えると、私達の会話を見守っていたアルトさんがリルさんに話しかける。

「リル、久しぶりだな。」

「アルト様も、お元気そうで何よりです。それにしても、両親から聞いた話の通り、とても素敵な番様ですね。本当におめでとうございます。」

「フフッ、そうだろう。ハルは自慢の俺の番なんだ。」

こ、こういうのは、世辞じゃないの……?うっ……、そ、そんな愛しいものを見るような目で見ないで欲しい……!は、恥ずかしくなってきちゃった……。
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