ルピナスは恋を知る

葉月庵

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280話

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ウォルトさんとシータさんの娘、リルさんと初顔合わせを済ませた後、私は部屋へと戻ってきた。

「リルも来てくれたことだし、これでシータの体調不良については大丈夫そうだな。」

「そうですね。徐々にではありますが、回復していっているようなので、安心しました。」

「シータには最近頑張ってもらっていたからな。日頃の労いも込めて、今度ウォルトと合わせて、何かあげるのもいいかもしれんな。」

こうして、私はアルトさんにもたれかかってしばし談笑していると、扉をノックされる。

「失礼します。アルト様、ハル様。お茶とをお持ちしました。」

「リルか。早速動いてもらってすまないな。」

「いえ、これが仕事ですから。こちらがハル様のノンカフェインのものとなっていおります。」

そう言ってリルさんは片方のポットから、お茶を注ぐ。妊娠した時からこのお茶になったが、以前から飲んでいたものと大して変わりはなく、違和感もなく飲んでいた。

「アルト様に先程、言いそびれてしまったのですが、ドレット様より言伝を預かっております。」

「ん?兄さんからか。なんだ?」

へー、アルトさんのお兄さんって、ドレットさんて言うんだ。ん?あれ……?なんで、リルさんがアルトさんのお兄さんの言伝を頼まれているんだろう……?

「はい、ドレット様はアルト様達に是非遊びに来てほしいそうです。こちらの街では温泉が有名なため、温泉につかりにくるついででもいいから、顔を出してほしいとのことです。それと、できれば番も一緒にともおっしゃっていました。」

「はぁ……、本心は後者だろうな。いづれ合わせると約束した手前、断るのもな……。ん?ハル、そんなに俺の顔を見つめてどうしたんだ?何か疑問があるのかい?」

私がアルトさんが話している間、顔を見つめているとアルトさんが何か察して、こちらにどうしたのか問うてくれる。私はそのご厚意に甘えて先程の疑問をぶつけることにした。

「えと、リルさんがアルトさんのお兄さん、ドレットさん?と親密そうな感じがしまして。もしかして番さんだったり……?」

「いえ、そんな……!滅相もございません……!」

「あぁ、ハルには説明していなかったな。」

私の言葉に慌てだしたリルさんに代わり、アルトさんが続きを説明してくれる。

「リルはな、俺の兄、ドレットの家の執事なんだ。兄に事情を説明したら、喜んで手をかしてくれたというわけだ。」

「はい、その通りです。ですので、しばらくの間よろしくお願いしますね、ハル様。」

「こ、こちらこそ、よろしくお願いします……!」

私がアルトさんの膝の上に座りながらも頭を下げると、リルさんはニコッと笑い返してくれる。

「そう言えばアルト様。ハル様と挙式は済ませたのですか?」

「……?アルトさん……?」

アルトさんが急にピタリと動きを止めたため、私はどうしたのかとアルトさんの顔を見上げる。

「っ……!!結婚式……!あの時は色々あって、すっかり忘れていた……!」

「あ、アルトさん……!?」

バッと勢いよくこちらを向いてきたため、私は若干驚いてしまう。そんな私にアルトさんはそのまま問いかける。

「ハル、結婚式に興味はあるか……!!」

「え、えっと……、結婚式、ですか……?」
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