ルピナスは恋を知る

葉月庵

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295話

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迎えた次の日。昨日のマッサージのおかげで足の疲れは取れており、筋肉痛もなかった。早速私達は朝食後に出かけ、既に一つ温泉に入り終わった。そして今は近くの温泉へと向かっていた。

「ここ、色々なお店がありますね。温泉街ってところでしょうか?」

「そうだな、丁度入ったってあたりか。ふむ……、ここでウィルやレオ達への土産を買っていっていいか?」

「私はいいですよ。なら、私もここでお土産を買います。悪阻で苦しんでいた時、カズラさんがフルーツを手土産に、お見舞いに来てくれたのて、お礼がしたいです。」

「よし、じゃあ少し見て回ろうか。ついでに俺もギルドの連中に何か買っていくか。」

どうやらガルムさんの推測は正しいようで、そこからは色々なお店が軒を連ねていた。私達のように観光しに来た人をターゲットにお土産になりそうなものが主に軒先に並んでおり、見ているだけでも楽しかった。

「確かこういうお土産って、食べ物系がいいんですよね。お二人はどんなものを買っていくんですか……?」

「そうだな……、俺は温泉街らしく、饅頭にするかな。ふむ、これにするか。」

そう言ってアルトさんが手に取った商品名を見てみると、かりんとう饅頭と書いていた。

どれどれ……。へー、お饅頭なのにカリッとしているんだ……!かりんとうって書いてあるくらいだから、黒糖を使っているのかな……?

商品説明がないかと辺りを見ていると、商品の隣で存在を主張している試食コーナーに目を引かれる。

だ、ダメダメ……!妊娠している時に、こういう甘い物の取りすぎは良くないんだから……!

「フフッ……。一口くらいなら、バチは当たらないさ。それに、悪阻の影響で体調が悪い訳ではないのだろう?なら食べても問題はないはずだ。ほら、あーん。」

「えっ……!?うっ……。あ、あー……。」

差し出されたからにはと、抗うのを止めてアルトさんの手ずから一口大のかりんとう饅頭を食べる。

ん……!美味しい……!外はカリッとしていて、噛むとジュワッと黒糖が溢れ出してくる……!それに、中の餡も程よい甘さで……!

「その顔、美味しかったんだな?フッ、ならこれにしよう。ハルのお墨付きだしな。」

「えっ……!購入するのでしたら、アルトさんも食べてみてください……!私だけの感性では不安ですし……。」

「ハルの舌には信頼している。なにせ、あんなに美味しい料理を作るんだ。だから大丈夫だ。」

「そ、そうですか……?あ、ありがとうございます……。」

そ、そこまで言われてしまったら、まぁ……。

そう思って一歩引くと、ガルムさんがどこか少し先の方に視線を向けていた。

「あれ……?ガルムさん、何か気になるものでも……?」

「ん?あぁ、すまない。この先に着物屋が見えてな。少し寄ってもいいか?ハルに合うものを探したい。」

着物……。あっ、だったら、私もお二人にプレゼントしよう……!そしたら、貰うだけではなくなっていいよね……!

そう思っていると、先にアルトさんが声をあげる。

「おっ、それはいいな。じゃあ、これを買っておくから、先に向かっておいてくれ。すぐに追いつく。」

「分かった。じゃあ、ハル。行こうか。」

「はい、分かりました……!」

私はそう返事をしてガルムさんと手を繋ぎ、一足先にその着物屋さんに向かうのだった。
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