295 / 318
295話
しおりを挟む
迎えた次の日。昨日のマッサージのおかげで足の疲れは取れており、筋肉痛もなかった。早速私達は朝食後に出かけ、既に一つ温泉に入り終わった。そして今は近くの温泉へと向かっていた。
「ここ、色々なお店がありますね。温泉街ってところでしょうか?」
「そうだな、丁度入ったってあたりか。ふむ……、ここでウィルやレオ達への土産を買っていっていいか?」
「私はいいですよ。なら、私もここでお土産を買います。悪阻で苦しんでいた時、カズラさんがフルーツを手土産に、お見舞いに来てくれたのて、お礼がしたいです。」
「よし、じゃあ少し見て回ろうか。ついでに俺もギルドの連中に何か買っていくか。」
どうやらガルムさんの推測は正しいようで、そこからは色々なお店が軒を連ねていた。私達のように観光しに来た人をターゲットにお土産になりそうなものが主に軒先に並んでおり、見ているだけでも楽しかった。
「確かこういうお土産って、食べ物系がいいんですよね。お二人はどんなものを買っていくんですか……?」
「そうだな……、俺は温泉街らしく、饅頭にするかな。ふむ、これにするか。」
そう言ってアルトさんが手に取った商品名を見てみると、かりんとう饅頭と書いていた。
どれどれ……。へー、お饅頭なのにカリッとしているんだ……!かりんとうって書いてあるくらいだから、黒糖を使っているのかな……?
商品説明がないかと辺りを見ていると、商品の隣で存在を主張している試食コーナーに目を引かれる。
だ、ダメダメ……!妊娠している時に、こういう甘い物の取りすぎは良くないんだから……!
「フフッ……。一口くらいなら、バチは当たらないさ。それに、悪阻の影響で体調が悪い訳ではないのだろう?なら食べても問題はないはずだ。ほら、あーん。」
「えっ……!?うっ……。あ、あー……。」
差し出されたからにはと、抗うのを止めてアルトさんの手ずから一口大のかりんとう饅頭を食べる。
ん……!美味しい……!外はカリッとしていて、噛むとジュワッと黒糖が溢れ出してくる……!それに、中の餡も程よい甘さで……!
「その顔、美味しかったんだな?フッ、ならこれにしよう。ハルのお墨付きだしな。」
「えっ……!購入するのでしたら、アルトさんも食べてみてください……!私だけの感性では不安ですし……。」
「ハルの舌には信頼している。なにせ、あんなに美味しい料理を作るんだ。だから大丈夫だ。」
「そ、そうですか……?あ、ありがとうございます……。」
そ、そこまで言われてしまったら、まぁ……。
そう思って一歩引くと、ガルムさんがどこか少し先の方に視線を向けていた。
「あれ……?ガルムさん、何か気になるものでも……?」
「ん?あぁ、すまない。この先に着物屋が見えてな。少し寄ってもいいか?ハルに合うものを探したい。」
着物……。あっ、だったら、私もお二人にプレゼントしよう……!そしたら、貰うだけではなくなっていいよね……!
そう思っていると、先にアルトさんが声をあげる。
「おっ、それはいいな。じゃあ、これを買っておくから、先に向かっておいてくれ。すぐに追いつく。」
「分かった。じゃあ、ハル。行こうか。」
「はい、分かりました……!」
私はそう返事をしてガルムさんと手を繋ぎ、一足先にその着物屋さんに向かうのだった。
「ここ、色々なお店がありますね。温泉街ってところでしょうか?」
「そうだな、丁度入ったってあたりか。ふむ……、ここでウィルやレオ達への土産を買っていっていいか?」
「私はいいですよ。なら、私もここでお土産を買います。悪阻で苦しんでいた時、カズラさんがフルーツを手土産に、お見舞いに来てくれたのて、お礼がしたいです。」
「よし、じゃあ少し見て回ろうか。ついでに俺もギルドの連中に何か買っていくか。」
どうやらガルムさんの推測は正しいようで、そこからは色々なお店が軒を連ねていた。私達のように観光しに来た人をターゲットにお土産になりそうなものが主に軒先に並んでおり、見ているだけでも楽しかった。
「確かこういうお土産って、食べ物系がいいんですよね。お二人はどんなものを買っていくんですか……?」
「そうだな……、俺は温泉街らしく、饅頭にするかな。ふむ、これにするか。」
そう言ってアルトさんが手に取った商品名を見てみると、かりんとう饅頭と書いていた。
どれどれ……。へー、お饅頭なのにカリッとしているんだ……!かりんとうって書いてあるくらいだから、黒糖を使っているのかな……?
商品説明がないかと辺りを見ていると、商品の隣で存在を主張している試食コーナーに目を引かれる。
だ、ダメダメ……!妊娠している時に、こういう甘い物の取りすぎは良くないんだから……!
「フフッ……。一口くらいなら、バチは当たらないさ。それに、悪阻の影響で体調が悪い訳ではないのだろう?なら食べても問題はないはずだ。ほら、あーん。」
「えっ……!?うっ……。あ、あー……。」
差し出されたからにはと、抗うのを止めてアルトさんの手ずから一口大のかりんとう饅頭を食べる。
ん……!美味しい……!外はカリッとしていて、噛むとジュワッと黒糖が溢れ出してくる……!それに、中の餡も程よい甘さで……!
「その顔、美味しかったんだな?フッ、ならこれにしよう。ハルのお墨付きだしな。」
「えっ……!購入するのでしたら、アルトさんも食べてみてください……!私だけの感性では不安ですし……。」
「ハルの舌には信頼している。なにせ、あんなに美味しい料理を作るんだ。だから大丈夫だ。」
「そ、そうですか……?あ、ありがとうございます……。」
そ、そこまで言われてしまったら、まぁ……。
そう思って一歩引くと、ガルムさんがどこか少し先の方に視線を向けていた。
「あれ……?ガルムさん、何か気になるものでも……?」
「ん?あぁ、すまない。この先に着物屋が見えてな。少し寄ってもいいか?ハルに合うものを探したい。」
着物……。あっ、だったら、私もお二人にプレゼントしよう……!そしたら、貰うだけではなくなっていいよね……!
そう思っていると、先にアルトさんが声をあげる。
「おっ、それはいいな。じゃあ、これを買っておくから、先に向かっておいてくれ。すぐに追いつく。」
「分かった。じゃあ、ハル。行こうか。」
「はい、分かりました……!」
私はそう返事をしてガルムさんと手を繋ぎ、一足先にその着物屋さんに向かうのだった。
0
あなたにおすすめの小説
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
冤罪で堕とされた最強騎士、狂信的な男たちに包囲される
マンスーン
BL
王国最強の聖騎士団長から一転、冤罪で生存率0%の懲罰部隊へと叩き落とされたレオン。
泥にまみれてもなお気高く、圧倒的な強さを振るう彼に、狂った執着を抱く男たちが集結する。
S級エスパーは今日も不機嫌
ノルジャン
BL
低級ガイドの成瀬暖は、S級エスパーの篠原蓮司に嫌われている。少しでも篠原の役に立ちたいと、ガイディングしようとするが拒否される日々。ある日、所属しているギルドから解雇させられそうになり、焦った成瀬はなんとか自分の級を上げようとする。
劣等アルファは最強王子から逃げられない
東
BL
リュシアン・ティレルはアルファだが、オメガのフェロモンに気持ち悪くなる欠陥品のアルファ。そのことを周囲に隠しながら生活しているため、異母弟のオメガであるライモントに手ひどい態度をとってしまい、世間からの評判は悪い。
ある日、気分の悪さに逃げ込んだ先で、ひとりの王子につかまる・・・という話です。
【本編完結】落ちた先の異世界で番と言われてもわかりません
ミミナガ
BL
この世界では落ち人(おちびと)と呼ばれる異世界人がたまに現れるが、特に珍しくもない存在だった。
14歳のイオは家族が留守中に高熱を出してそのまま永眠し、気が付くとこの世界に転生していた。そして冒険者ギルドのギルドマスターに拾われ生活する術を教わった。
それから5年、Cランク冒険者として採取を専門に細々と生計を立てていた。
ある日Sランク冒険者のオオカミ獣人と出会い、猛アピールをされる。その上自分のことを「番」だと言うのだが、人族であるイオには番の感覚がわからないので戸惑うばかり。
使命も役割もチートもない異世界転生で健気に生きていく自己肯定感低めの真面目な青年と、甘やかしてくれるハイスペック年上オオカミ獣人の話です。
ベッタベタの王道異世界転生BLを目指しました。
本編完結。番外編は不定期更新です。R-15は保険。
コメント欄に関しまして、ネタバレ配慮は特にしていませんのでネタバレ厳禁の方はご注意下さい。
神獣様の森にて。
しゅ
BL
どこ、ここ.......?
俺は橋本 俊。
残業終わり、会社のエレベーターに乗ったはずだった。
そう。そのはずである。
いつもの日常から、急に非日常になり、日常に変わる、そんなお話。
7話完結。完結後、別のペアの話を更新致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる