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294話
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ちょっと落ち込んだ様子を見せたドレットさんは、横目でチラリと時計を確認した。私もそちらを見ると、結構時間が経っていた。やはり、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。
「さて、そろそろお開きにしようか。なんだか、私の恋愛相談みたくなってしまったね。ごめんね、ハル君。」
「いえ、私もお話できて楽しかったので、大丈夫です……!」
「そっか、お世辞だとしても嬉しいよ。それにしても、アルトから聞いていた通りの良い子そうで安心したよ。私が言えた口ではないけれど、弟のこと、よろしく頼むね。」
「そ、そんな……!私の方がお世話になりっぱなしですから……!逆にご迷惑ばかりかけてないか心配なくらいで……、」
私がそこまで言うと、お二人はギョッとしたような反応を見せる。
「そんなことはない……!俺達はハルに何か迷惑をかけられたことなんて一度もない……!」
「そうだぞ……!ハルがいなければ、今のような幸せな生活などなかったんだ……!逆に俺達がお礼を言わなければならない立場だ……!」
「えっ……?あの、お二人とも……?」
私としては、お二人から幸せを受け取っているばかりで、お返しできていないと思っていたため、その言葉には驚きを隠せなかった。すると、ドレットさんの笑い声が聞こえてくる。
「フフッ。だ、そうだよ?じゃあ、私からのお礼として、ハル君には追加の手土産として、このドライフルーツをあげよう。もちろん、未開封のをね。」
「いえ、受け取れないですよ……!」
「いや、良いんだよ。遠慮しないで。それに、随分気に入ってくれたようだからね?妊娠中でも食べられる甘い物を、と思って選んで正解だったよ。」
「えっ……!?あっ、いや、その……!」
やっぱり、気に入ってちょこちょこ食べていたのに気づかれている……!?は、恥ずかしい……!
「そうなのか?わざわざすまないな、兄さん。」
「俺からも礼を言わせてくれ。こういう知識がないから、いつも甘味がワンパターンになっていたのを悩んでいたんだ。」
私が恥ずかしさで動けなくなっている間にも話しは進み、あっという間に出してくれたドライフルーツが詰まった袋を2,3袋、受け取ることが決まっていた。
「じゃあ、私はこれで退室するよ。改めて楽しかったよ。お休み、三人とも。また明日。」
「「あぁ」、お休み。」
「お、お休みなさい……。」
そのままドレットさんは軽く手を振ってお茶のセットを引いたファルさんと部屋を出ていった。その後歯を磨く際もどこが心ここに非ず、といった感じだった。
「……ル、ハル……?」
「あっ、はい、すみません。なんでしょう、アルトさん。」
「フフッ……、ぼーっとしていたな?今からするから、ベッドに横になってくれるかい?」
「えっ……?」
する……、する……!?するって、そういうコト……!?た、確かに、これが番になって初めての旅行で。さらに、初めての旅行で番同士ではそういうことをするって聞いていたけれど……!
「ほら、俺が手伝ってやろう。」
「あっ、えっ……!?ま、待ってください……!そんな、急に……!心の準備が……!」
ガルムさんも何処か乗り気で私をベッドに横たえる。そしてその顔はニヤリと口角があがっていた。
「ククッ……。急も何も、さっきハルも了承していたじゃないか。なんだ、急に怖くなってしまったのか?大丈夫だ、痛くはしない。」
「べ、別に怖いわけでは……。そ、それに、私も痛くなくて気持ち良いだけ、ですから……。」
「ん?まぁ、そうだな……?」
あれ……?もしかして、ガルムさんは今までの……気持ち良くなかった……?そ、それはダメ……!一緒に気持ち良くならないと……!だったら私が主導になって……!
「わ、私が今日は動きます……!ガルムさんをきっと気持ち良くしてみせます……!」
「その気持ちはありがたいが、俺は別に疲れていないから大丈夫だ。」
「ですが……!」
「待ってくれ……!」
「アルト、さん……?」
ふとアルトさんが声をあげたことで、私はピタリと動きを止め、アルトさんの顔を見る。すると、アルトさんは少し考えながら話し出す。
「ハル、何か勘違いしていないかい?俺達はハルにマッサージをしてあげようとしているんだが……。」
「えっ……?マッサージ……?」
えっと、つまり……?私の、早とちり……?
「っ……///!」
自分の勘違いだったことが分かり、急激に顔が熱くなってくるのを感じる。そういう気分になりかけていた自分がいて、より恥ずかしい気持ちを加速させていた。
「フフッ……、顔が赤いぞ?」
「な、何でもないです……!」
絶対、絶対に……!アルトさんは私がどう勘違いしていたのか分かってる……!は、恥ずかしい……!
「ククッ……、そういうことか。可愛いな。」
その後、私は何だかんだいって、足のマッサージをしてもらった。疲れが溜まっていたからなのか、お二人のマッサージが上手いからなのか、途中でウトウトしてきてしまって、促されるまま眠ってしまった。
「さて、そろそろお開きにしようか。なんだか、私の恋愛相談みたくなってしまったね。ごめんね、ハル君。」
「いえ、私もお話できて楽しかったので、大丈夫です……!」
「そっか、お世辞だとしても嬉しいよ。それにしても、アルトから聞いていた通りの良い子そうで安心したよ。私が言えた口ではないけれど、弟のこと、よろしく頼むね。」
「そ、そんな……!私の方がお世話になりっぱなしですから……!逆にご迷惑ばかりかけてないか心配なくらいで……、」
私がそこまで言うと、お二人はギョッとしたような反応を見せる。
「そんなことはない……!俺達はハルに何か迷惑をかけられたことなんて一度もない……!」
「そうだぞ……!ハルがいなければ、今のような幸せな生活などなかったんだ……!逆に俺達がお礼を言わなければならない立場だ……!」
「えっ……?あの、お二人とも……?」
私としては、お二人から幸せを受け取っているばかりで、お返しできていないと思っていたため、その言葉には驚きを隠せなかった。すると、ドレットさんの笑い声が聞こえてくる。
「フフッ。だ、そうだよ?じゃあ、私からのお礼として、ハル君には追加の手土産として、このドライフルーツをあげよう。もちろん、未開封のをね。」
「いえ、受け取れないですよ……!」
「いや、良いんだよ。遠慮しないで。それに、随分気に入ってくれたようだからね?妊娠中でも食べられる甘い物を、と思って選んで正解だったよ。」
「えっ……!?あっ、いや、その……!」
やっぱり、気に入ってちょこちょこ食べていたのに気づかれている……!?は、恥ずかしい……!
「そうなのか?わざわざすまないな、兄さん。」
「俺からも礼を言わせてくれ。こういう知識がないから、いつも甘味がワンパターンになっていたのを悩んでいたんだ。」
私が恥ずかしさで動けなくなっている間にも話しは進み、あっという間に出してくれたドライフルーツが詰まった袋を2,3袋、受け取ることが決まっていた。
「じゃあ、私はこれで退室するよ。改めて楽しかったよ。お休み、三人とも。また明日。」
「「あぁ」、お休み。」
「お、お休みなさい……。」
そのままドレットさんは軽く手を振ってお茶のセットを引いたファルさんと部屋を出ていった。その後歯を磨く際もどこが心ここに非ず、といった感じだった。
「……ル、ハル……?」
「あっ、はい、すみません。なんでしょう、アルトさん。」
「フフッ……、ぼーっとしていたな?今からするから、ベッドに横になってくれるかい?」
「えっ……?」
する……、する……!?するって、そういうコト……!?た、確かに、これが番になって初めての旅行で。さらに、初めての旅行で番同士ではそういうことをするって聞いていたけれど……!
「ほら、俺が手伝ってやろう。」
「あっ、えっ……!?ま、待ってください……!そんな、急に……!心の準備が……!」
ガルムさんも何処か乗り気で私をベッドに横たえる。そしてその顔はニヤリと口角があがっていた。
「ククッ……。急も何も、さっきハルも了承していたじゃないか。なんだ、急に怖くなってしまったのか?大丈夫だ、痛くはしない。」
「べ、別に怖いわけでは……。そ、それに、私も痛くなくて気持ち良いだけ、ですから……。」
「ん?まぁ、そうだな……?」
あれ……?もしかして、ガルムさんは今までの……気持ち良くなかった……?そ、それはダメ……!一緒に気持ち良くならないと……!だったら私が主導になって……!
「わ、私が今日は動きます……!ガルムさんをきっと気持ち良くしてみせます……!」
「その気持ちはありがたいが、俺は別に疲れていないから大丈夫だ。」
「ですが……!」
「待ってくれ……!」
「アルト、さん……?」
ふとアルトさんが声をあげたことで、私はピタリと動きを止め、アルトさんの顔を見る。すると、アルトさんは少し考えながら話し出す。
「ハル、何か勘違いしていないかい?俺達はハルにマッサージをしてあげようとしているんだが……。」
「えっ……?マッサージ……?」
えっと、つまり……?私の、早とちり……?
「っ……///!」
自分の勘違いだったことが分かり、急激に顔が熱くなってくるのを感じる。そういう気分になりかけていた自分がいて、より恥ずかしい気持ちを加速させていた。
「フフッ……、顔が赤いぞ?」
「な、何でもないです……!」
絶対、絶対に……!アルトさんは私がどう勘違いしていたのか分かってる……!は、恥ずかしい……!
「ククッ……、そういうことか。可愛いな。」
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