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312話
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私がレイさんにまで赤くなった顔を見られてしまって余計赤くなっていると、ウォルトさんがタイミングよく話に入ってくれる。
「アルト様、ガルム様。たった今、レイ様について連絡しました。」
た、助かった……って、ん……?連絡……?この短時間で手紙なんて送れないし……。
そう疑問に思っていると、ウォルトさんが話しを続ける。
「やはり、向こうでは部屋にレイ様がいなくなったことで探し回っていたようです。」
「ありがとう、ウォルト。助かる。さて、あまりここで長居するのも何だし、出発するとしようか。」
「あっ。は、はい……!」
ウォルトさんの話について考えていたため、アルトさんに話しかけられ若干声が上ずってしまう。それに気づいたガルムさんが顔を覗き込んでくる。
「ん……?どうしたんだ……?っ……!まさか、体調がすぐれないのか……!?」
「そうなの?ハルお兄ちゃん……?」
「あっ、いえ……!そういうわけではなく……!ただ、どうやってウォルトさんはシータさんに連絡したのかな、と……。」
「そうか、体調が悪くなったわけではないんだな。よかった……。」
「……ふむ、ハルには説明していなかったな。ウォルト、魔道具を出してくれるか?」
お二人は安堵した様子を見せ、レイさんもホッとしていた。そしてアルトさんは、ウォルトさんから何か受け取っていた。
「これは……?」
「これが先程、連絡する際に使った魔道具だ。最近出たばかりのもので、試験的に使ってもらっているんだ。それで良いようなら、俺達も購入しようかと考えているんだ。」
「そうすれば、もしハルに何かあったらすぐ駆けつけられるからな。これで多少は安心して依頼などに行けるというものだ。」
「そうなんですね。今の魔道具はここまで発達しているとは……。」
「まぁ、今の状態では不便な所も多いがな。だが、画期的であることにかわりはない。気になるのなら、ハルにも買ってあげよう。」
「いえ、大丈夫です……!私が持っても使いこなせそうにないですし……。」
それに、新しいものって何だか高そう……。
私が断ると、お二人はそうかと言って少ししょんぼりしていた。私にお金を使えないといつもこうなるけど、流石に私が折れる訳にはいかない。
ついこの間、悪阻で苦しい時に酷い姿を見せてしまったのに、これ以上甘えてしまったら、今度こそ失望されてしまうかもしれない。
「さて、では今度こそ馬車に乗り込もうか。レイは何処に座るんだ?移動中は流石にハルの膝の上はダメだぞ?妊夫には負担になってしまうからな。」
「うー……、分かった……。ハルお兄ちゃんに迷惑かけたくないもん。じゃあ、アルトお兄ちゃんの膝の上にする。」
「ん?俺か?まぁ、構わないが……。」
こうして私達は馬車に乗り込み、王城へ向かうのだった。
「アルト様、ガルム様。たった今、レイ様について連絡しました。」
た、助かった……って、ん……?連絡……?この短時間で手紙なんて送れないし……。
そう疑問に思っていると、ウォルトさんが話しを続ける。
「やはり、向こうでは部屋にレイ様がいなくなったことで探し回っていたようです。」
「ありがとう、ウォルト。助かる。さて、あまりここで長居するのも何だし、出発するとしようか。」
「あっ。は、はい……!」
ウォルトさんの話について考えていたため、アルトさんに話しかけられ若干声が上ずってしまう。それに気づいたガルムさんが顔を覗き込んでくる。
「ん……?どうしたんだ……?っ……!まさか、体調がすぐれないのか……!?」
「そうなの?ハルお兄ちゃん……?」
「あっ、いえ……!そういうわけではなく……!ただ、どうやってウォルトさんはシータさんに連絡したのかな、と……。」
「そうか、体調が悪くなったわけではないんだな。よかった……。」
「……ふむ、ハルには説明していなかったな。ウォルト、魔道具を出してくれるか?」
お二人は安堵した様子を見せ、レイさんもホッとしていた。そしてアルトさんは、ウォルトさんから何か受け取っていた。
「これは……?」
「これが先程、連絡する際に使った魔道具だ。最近出たばかりのもので、試験的に使ってもらっているんだ。それで良いようなら、俺達も購入しようかと考えているんだ。」
「そうすれば、もしハルに何かあったらすぐ駆けつけられるからな。これで多少は安心して依頼などに行けるというものだ。」
「そうなんですね。今の魔道具はここまで発達しているとは……。」
「まぁ、今の状態では不便な所も多いがな。だが、画期的であることにかわりはない。気になるのなら、ハルにも買ってあげよう。」
「いえ、大丈夫です……!私が持っても使いこなせそうにないですし……。」
それに、新しいものって何だか高そう……。
私が断ると、お二人はそうかと言って少ししょんぼりしていた。私にお金を使えないといつもこうなるけど、流石に私が折れる訳にはいかない。
ついこの間、悪阻で苦しい時に酷い姿を見せてしまったのに、これ以上甘えてしまったら、今度こそ失望されてしまうかもしれない。
「さて、では今度こそ馬車に乗り込もうか。レイは何処に座るんだ?移動中は流石にハルの膝の上はダメだぞ?妊夫には負担になってしまうからな。」
「うー……、分かった……。ハルお兄ちゃんに迷惑かけたくないもん。じゃあ、アルトお兄ちゃんの膝の上にする。」
「ん?俺か?まぁ、構わないが……。」
こうして私達は馬車に乗り込み、王城へ向かうのだった。
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