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22話
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私は結果を緊張した面持ちで待つ。
「結論を言うと、ハルさんの適正はあります。適正値をギリギリ超えるくらいのものではありますが……。」
よ、良かった……。一応は冒険者に適正があるんだ。これでお金に関して、ガルムさん達を困らせることはなくなる。
「ハルさんの結果の詳細を見ていきますね。まず、魔力適正です。これは本人が持つ魔力量を示したものです。先ほどハルさんには言いましたが、真ん中のCランクです。身体能力の適正についてはDランクで、筋力が基準値を大きく下回っています。ただ、持久力が平均より高く、それがギリギリ適正があるという判定が出る所まで引っ張ってくれた感じですね。」
持久力テストのとき、頑張って良かった……。足も呼吸も辛かったが、胸や腹を切られた時の苦しさよりマシだと思えたのが功を奏したのかもしれない。
「そうか……。」
ガルムさんが若干残念そうな声を出す。
「ハルさん、どうしますか?冒険者登録しますか?仮に冒険者になるのならば、ハルさんの適正検査の結果からして、後衛職、しかも味方の補助しかできないと思いますが、大丈夫ですか?」
「補助しかできないと何か不利なことなど、あるのでしょうか。すみません、こういった知識が乏しくて……。」
「いえ、こういったことも私の仕事ですから。えっと、後衛職の補助しかできないことによる不都合ですが、パーティーに入れて貰いづらいことにありますね。」
なるほど、そういったことがあるのか。確かに前衛職など攻撃ができる職に比べるとパーティー内の役職の必須度が下がりそうだからな。
「パーティー問題については大丈夫だ。ハルは俺達のパーティーに入れる。」
「!?そ、そんな!駄目ですよ!迷惑になりますから……。」
私は思いもしなかったことに慌てふためく。
「条件。忘れたとは言わせないぞ。」
「あっ……。」
そういえば、冒険者になる条件として、ガルムさん達が許可するまで一人で依頼を受けないことと言っていたが、まさかパーティーを組むなんて想像していなかった。
いずれ一人で依頼を受けれるようになれば、迷惑にならないようにパーティーを抜けさせてもらえるはずだ。何より、他に稼げる方法をしらない……。それなら、早く一人前に冒険者になることが最善と言えよう。
「分かりました。私、それでも冒険者になります。ガルムさん、レオさん、ウィルさん、これから一人前になるまでの間、よろしくお願いします。」
「うんうん!よろしくっす!」
「そう気負わずにね。よろしく。」
ウィルさんとレオさんが私にそう返してくれる中、ガルムさんが一人眉をしかめている。やっぱり私はお荷物なんだ……。
「ほら、ガルム?」
「ん?あぁ、よろしく。」
レオさんに促され、ガルムさんも返してくれた。
こうして私はガルムさんのパーティーに入れてもらうことになった。ギルドで手続きをし、どこかモヤモヤとした気持ちも置いて、ギルドを後にする。その後、ガルムさんが鞄を買ってくれると言うので、それについて行った。
一度は断ったが、結局持ち運び安いよう、肩掛けのものを買ってもらいすっかり暗くなってしまった道を歩く。そのまま熊の蔵で食事を皆で済ませ、宿につく。昨日と同じようにガルムさんの部屋で寝ることになったため、シャワーを浴びさせて貰い、ソファに横になった。
明日からは早く一人前になって迷惑をかけないように、より一層頑張ろう。
そう気合いを入れて、プレゼントしてもらった大事な髪紐を机に置かせてもらってから、ソファで目を瞑り意識を手放した。
「結論を言うと、ハルさんの適正はあります。適正値をギリギリ超えるくらいのものではありますが……。」
よ、良かった……。一応は冒険者に適正があるんだ。これでお金に関して、ガルムさん達を困らせることはなくなる。
「ハルさんの結果の詳細を見ていきますね。まず、魔力適正です。これは本人が持つ魔力量を示したものです。先ほどハルさんには言いましたが、真ん中のCランクです。身体能力の適正についてはDランクで、筋力が基準値を大きく下回っています。ただ、持久力が平均より高く、それがギリギリ適正があるという判定が出る所まで引っ張ってくれた感じですね。」
持久力テストのとき、頑張って良かった……。足も呼吸も辛かったが、胸や腹を切られた時の苦しさよりマシだと思えたのが功を奏したのかもしれない。
「そうか……。」
ガルムさんが若干残念そうな声を出す。
「ハルさん、どうしますか?冒険者登録しますか?仮に冒険者になるのならば、ハルさんの適正検査の結果からして、後衛職、しかも味方の補助しかできないと思いますが、大丈夫ですか?」
「補助しかできないと何か不利なことなど、あるのでしょうか。すみません、こういった知識が乏しくて……。」
「いえ、こういったことも私の仕事ですから。えっと、後衛職の補助しかできないことによる不都合ですが、パーティーに入れて貰いづらいことにありますね。」
なるほど、そういったことがあるのか。確かに前衛職など攻撃ができる職に比べるとパーティー内の役職の必須度が下がりそうだからな。
「パーティー問題については大丈夫だ。ハルは俺達のパーティーに入れる。」
「!?そ、そんな!駄目ですよ!迷惑になりますから……。」
私は思いもしなかったことに慌てふためく。
「条件。忘れたとは言わせないぞ。」
「あっ……。」
そういえば、冒険者になる条件として、ガルムさん達が許可するまで一人で依頼を受けないことと言っていたが、まさかパーティーを組むなんて想像していなかった。
いずれ一人で依頼を受けれるようになれば、迷惑にならないようにパーティーを抜けさせてもらえるはずだ。何より、他に稼げる方法をしらない……。それなら、早く一人前に冒険者になることが最善と言えよう。
「分かりました。私、それでも冒険者になります。ガルムさん、レオさん、ウィルさん、これから一人前になるまでの間、よろしくお願いします。」
「うんうん!よろしくっす!」
「そう気負わずにね。よろしく。」
ウィルさんとレオさんが私にそう返してくれる中、ガルムさんが一人眉をしかめている。やっぱり私はお荷物なんだ……。
「ほら、ガルム?」
「ん?あぁ、よろしく。」
レオさんに促され、ガルムさんも返してくれた。
こうして私はガルムさんのパーティーに入れてもらうことになった。ギルドで手続きをし、どこかモヤモヤとした気持ちも置いて、ギルドを後にする。その後、ガルムさんが鞄を買ってくれると言うので、それについて行った。
一度は断ったが、結局持ち運び安いよう、肩掛けのものを買ってもらいすっかり暗くなってしまった道を歩く。そのまま熊の蔵で食事を皆で済ませ、宿につく。昨日と同じようにガルムさんの部屋で寝ることになったため、シャワーを浴びさせて貰い、ソファに横になった。
明日からは早く一人前になって迷惑をかけないように、より一層頑張ろう。
そう気合いを入れて、プレゼントしてもらった大事な髪紐を机に置かせてもらってから、ソファで目を瞑り意識を手放した。
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