ルピナスは恋を知る

葉月庵

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87話

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「改めて、おはよう、ハル。その服、良く似合っている。とても可愛いよ。」

「あ、ありがとうございます。ガルムさんにも褒められたので、これを着てきて正解でした。」

私は、段々落ち着いてきた頭で照れながらこの服はガルムさんのお墨付きだと説明した。てっきり、アルトさんは俺のためにと喜んでもらえると思っていたが、想像に反してアルトさんは眉をピクッと動かし少し顔をしかめていた。

「……そのネックレスも新調したのかい?これもハルに似て凄く合っている。」

「ありがとうございます、これもこの間ガルムさんからプレゼントしてもらったんです。」

こう答えると今度はあからさまに不機嫌そうに目を細める。私は、ただ質問に答えただけでこうなってしまったのには何か悪いことでもしたのではないかとドキリとする。

「はぁ……、ハル。俺の前で、しかもデートの最中に嬉々として、他の男の話しをするのは、俺を試しているのか?」

「いえ、試すだなんて……!」

「まぁ、ハルにその気がないことは分かってはいたが……俺もそれなりに嫉妬はする。」

すると、アルトさんは私に横を向かせて唇を奪ってくる。先程の深いキスではなく、触れるだけのキスだ。

「フフッ、今はこれで許してあげよう。本当は先程のようにしたかったが、これからデートだから蕩けられては困るからね。」

うぅ……、確かにあのキスは気持ち良すぎてダメになりそう……。

そう思っていると、アルトさんは私をヒョイと持ち上げ、向かい合うように膝の上に座り直させる。アルトさんの整っている顔面が間近にあって、私の赤くなった顔が丸見えになってしまった。アルトさんはフッと微笑んだ後にイタズラそうな顔をする。

「そう言えば、部屋の中に性に関する本があったが、あれはハルが読んでいるのか?」

「!?み、見たんですか?」

「初だとは思ったが、知識がなかったからとはね。でもハルがそういう知識を入れたなら、煽られたらそれに乗ってもいいということだ。ハル、俺はハルを抱きたいと思っている。だからいつでもハルから誘ってきていいからね。なんなら、今からでも……。」

「い、いや、いいです、大丈夫です……!」

私は真っ赤になって誘いを断る。知識を入れてからこんなんばかりだ。

だ、だって、心の準備がまだ……!

「安心して、俺は無理やり抱くことはしない。」

そう言って、アルトさんはまた私の唇を奪う。今は触れるだけのキスでもその後を思うと頭がジンッと熱を持ってしまう。

「フフッ、これ以上ハルをからかうこはやめておこうか。」

「なっ……!?、か、からかっていたんですか?」

「まぁね、ハルの恥ずかしがっている顔が見たくて。でも、ハルをいつでも抱きたいというのは本気だよ。」

「っ~~///!!」

こんな調子で明日まで持つのだろうか……。

私は一抹の不安を抱えながらしばらく馬車に揺られるのだった。
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