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2章 王都編
07. ミラボー公爵家の父子
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全話に引き続きドミニク視点です。
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「見かけだけなら悪くはないですが、都落ちと取られるような提案です。ここは断りの一手かと」
居間に席を移して、検討に入る。
机の上に広げられた地図を確認する限り、新たな領地は今より若干どころか五割増しで広い。王都から五日ほどの距離ではあるが、そこから森まで更に同じくらいを要するほど広い。
とはいえ森の近くは大抵が集落一つなく、王都寄りに村が集中しているから、村の数はさほど多くないと推測される。現在の領地ではほぼ満遍なく領地に村落が存在することを考えると、広さの割に収益が三割しか増えないのは、それだけ農民の居住地に偏りがあり、領民もそれなりに多くはない、という話なのだろう。
――北の辺境伯の処分からわかるように、森からの収穫をしっかりと出さねばならず、管理の煩わしさを考えれば旨味は全くないな。
何より都落ちの弊害――体面を傷つけることやほかの貴族に示しが付かないことなどを始め、王弟やその息子としての立場を危うくすることを思うと、おいそれと首を縦には振れない。権力には興味がないとはいえ体面を傷つけられるのは貴族の矜持からは許せるものではないのだ。
父も私も玉座に興味がなく権力闘争から一線を画しているとはいえ、ほかの貴族たちから蔑まれたり見下されるのを良しとはしていない。
しかし父の言葉は自分とは真逆だった。到底受け入れられるものではなかった。
「南に領地替えするのは良いかもしれないな……」
政治的には盆暗と言われるとはいえ、貴族家の当主としては決して無能ではないのに血迷ったことを言い出したのは、弟の行方がわからないからなのだろうか。
「父上、私は反対です。ジョルジュだって帰ってきたら見慣れぬ屋敷であれば居心地が悪いでしょう。幼いころから過ごしていた馴染ある場所が必要です」
本当に息子のことを考えるなら、環境を変えるべきではない。
「本来ならそうなのだが……このままだと王位継承争いに巻き込まれることになる。殿下の誰かが即位するか、後継者が一人だけになるまで王都を離れた方が安全だろう」
「――!!」
第一王子であり王太子であるブノワ殿下と、第二王子でありエンゾ殿下は不仲で有名だ。とはいえ王太子の地位は盤石だと思われていた筈だ。
ブノワ殿下が南と東の辺境離反を招く失態を犯したのは事実だが、西の辺境での資源確保や北の辺境の一新によって挽回している。第二王子であるエンゾ殿下は妾妃を母に持つため、血筋がほかの兄弟たちより一段劣るだけでなく、能力的にも兄に見劣りする。何より常に王太子に食って掛かる短絡的かつ粗野な性格が、為政者向きではないと国王陛下から見られている。兄を王太子の立場から引きずり降ろせるような力量はないと、周囲から見なされていた。第三王子と第一王女は第一王子である王太子と母を同じくする仲の良い兄弟だ。
だというのに継承争いが勃発するかのような、父の物言いはなんだというのだ……?
私の疑問に答える気があるのかわからない様子で、冷めたお茶をゆっくりと飲むと溜息を一つついた。
「エンゾ殿下は未だに王位を諦めてはいない。知っているとは思うが……」
確かに御父上である国王陛下が王に不向きだと目し、正妃に疎まれている状況だから、かなり不利ではあるとはいえ、上手くやれば汚名を雪ぐのも可能ではある。ギリギリの状況とはいえまだ玉座に手が届く位置だ。かなり険しい道のりではあるだろうが。
「マルク殿下はブノワ殿下を支える側近の立場にありつつ、漁夫の利を得るべく虎視眈々と玉座を狙い暗躍している。北のワイバーンの件で遅れたのは、故意に情報を止めたのではないかというのが、情報通の間で囁かれているな」
第三王子が学院を卒業されてから二年、王太子殿下からは兄弟としてだけではなく、腹心の部下として信頼厚いと聞いていたが、どういうことだと更に疑問が増す。
だが私の疑問は置いてけぼりだ。
「アビケイル殿下は夫にギルモア侯爵の嫡男を選んだ。知っての通り彼は我が家の次に王家に近い」
先代国王の弟に当たる血筋だ。低いものの王位継承権もある。夫たる人物は王女のまた従兄弟に当たり、当然、私たちの遠縁にも当たる。表面的な付き合いしかないが。
「もし兄弟全員に何かあれば王女殿下が女王として即位し、その子が次代の国王になろうだろう。それを踏まえての結婚相手だ」
親戚とはいえあまり付き合いのない相手に嫁いだ理由が垣間見えた気がする。一度は私の結婚相手に名が挙がったものの、従兄妹では血が濃すぎると流れた話だ。
その後、お互いに別の相手と婚約し、私の方は縁がなくて解消して未だ独り身だが、王女殿下の方はそのまま降嫁された。王籍離脱したとはいえ、他国ではなく国内の貴族に嫁いだから、王位継承権はそのまま有している。もっとも他国に嫁ぎたいと思ったところで、隣国は全て森の向こう側。二百年前のスタンピード以降、行き来ができないどころか国が残っているかさえ不明な状態が続いているのだが。
「ギルモア侯爵家より裕福で、王女時代と同じかそれ以上に贅沢ができる家も、権力の中心にいる家もあったのに、敢えて血筋以外取柄のない家を選んだのは、野心があったからにほかならないよ」
王女殿下は血統主義的なところがあるから、そういった理由で結婚相手を選んだと思っていたが違っていた……いや違わないか。
高位貴族であり妾妃派の家門でさえなければ、特に結婚相手に制約はなかったものの、蓋を開ければ自分や自分の子が王位に就くために最良の相手を選んだのだから。
先代国王の上の弟は権力欲溢れる人物だったらしい。私が物心をつく前に若くして亡くなったから、伝聞でしか知らない人物だが。
家を継いだ長男には娘が一人しか生まれず、更には早逝してしまったため、爵位は王家に戻るのが確定している。親子して権力欲のある人物だったから、子が亡くなって不謹慎ながらも王家は胸を撫でおろしたという。
ギルモア侯爵家に婿入りした先代国王の下の弟の息子が、先代王弟の血筋で一番王位継承権が高い。長兄である王と不仲だったという下の弟は人並み以上の欲を持ちつつも、兄や王家と敵対するようなことはなく、臣としての分を弁えているという評判だ。少なくとも嫡男に王女が降嫁したときに、表立って色気を出すような真似をしない程度には。
父上の話を聞く限り、裏の顔がどうなのかわからなくなっているが。
「マルク殿下とアビゲイル殿下に関しては、ほかに後継争いに参戦しているという証拠はあるが、知らない方が良いこともある」
知れば巻き込まれるか、好ましからざる事態になると暗に言われては、それ以上詳しく尋ねるのが憚られた。
「血を分けた兄弟で争う心境が如何ほどか理解しがたいが、同じように殿下方も玉座に魅入られていると言って差し支えないだろう。そんな訳で王都から距離を置くのは、悪い選択ではないと思うのだよ。この屋敷はそのままにしておいて、我々はほとぼりが冷めるまで、領地経営が軌道に乗るまでという期限を切って引っ越すのが良いだろう。やり過ごしたら王都と領地を行き来しても良いし、そのまま代官任せにして王都に腰を落ち着けても良い。逃げ場はあっても困らないが逆は違う。何よりジョルジュが帰ってこられたとして、公爵家が残っていなければ意味がないだろう」
「そういうことでしたら……」
消極的な対応とはいえ、父上の言葉は現在取れる最良の選択だと思わざるをえなかった。
-------------------
ミラボー公爵はどうしようもないほど親莫迦ですが、実は盆暗ではなく野心がなく、更に何も考えてない訳ではないよ、というお話。
最低限、貴族の嗜みとしての知識と情報は持ち合わせていて、元王族らしい政略の心得も実は持ち合わせています。
政治や権力にはまったく興味がないですが。
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「見かけだけなら悪くはないですが、都落ちと取られるような提案です。ここは断りの一手かと」
居間に席を移して、検討に入る。
机の上に広げられた地図を確認する限り、新たな領地は今より若干どころか五割増しで広い。王都から五日ほどの距離ではあるが、そこから森まで更に同じくらいを要するほど広い。
とはいえ森の近くは大抵が集落一つなく、王都寄りに村が集中しているから、村の数はさほど多くないと推測される。現在の領地ではほぼ満遍なく領地に村落が存在することを考えると、広さの割に収益が三割しか増えないのは、それだけ農民の居住地に偏りがあり、領民もそれなりに多くはない、という話なのだろう。
――北の辺境伯の処分からわかるように、森からの収穫をしっかりと出さねばならず、管理の煩わしさを考えれば旨味は全くないな。
何より都落ちの弊害――体面を傷つけることやほかの貴族に示しが付かないことなどを始め、王弟やその息子としての立場を危うくすることを思うと、おいそれと首を縦には振れない。権力には興味がないとはいえ体面を傷つけられるのは貴族の矜持からは許せるものではないのだ。
父も私も玉座に興味がなく権力闘争から一線を画しているとはいえ、ほかの貴族たちから蔑まれたり見下されるのを良しとはしていない。
しかし父の言葉は自分とは真逆だった。到底受け入れられるものではなかった。
「南に領地替えするのは良いかもしれないな……」
政治的には盆暗と言われるとはいえ、貴族家の当主としては決して無能ではないのに血迷ったことを言い出したのは、弟の行方がわからないからなのだろうか。
「父上、私は反対です。ジョルジュだって帰ってきたら見慣れぬ屋敷であれば居心地が悪いでしょう。幼いころから過ごしていた馴染ある場所が必要です」
本当に息子のことを考えるなら、環境を変えるべきではない。
「本来ならそうなのだが……このままだと王位継承争いに巻き込まれることになる。殿下の誰かが即位するか、後継者が一人だけになるまで王都を離れた方が安全だろう」
「――!!」
第一王子であり王太子であるブノワ殿下と、第二王子でありエンゾ殿下は不仲で有名だ。とはいえ王太子の地位は盤石だと思われていた筈だ。
ブノワ殿下が南と東の辺境離反を招く失態を犯したのは事実だが、西の辺境での資源確保や北の辺境の一新によって挽回している。第二王子であるエンゾ殿下は妾妃を母に持つため、血筋がほかの兄弟たちより一段劣るだけでなく、能力的にも兄に見劣りする。何より常に王太子に食って掛かる短絡的かつ粗野な性格が、為政者向きではないと国王陛下から見られている。兄を王太子の立場から引きずり降ろせるような力量はないと、周囲から見なされていた。第三王子と第一王女は第一王子である王太子と母を同じくする仲の良い兄弟だ。
だというのに継承争いが勃発するかのような、父の物言いはなんだというのだ……?
私の疑問に答える気があるのかわからない様子で、冷めたお茶をゆっくりと飲むと溜息を一つついた。
「エンゾ殿下は未だに王位を諦めてはいない。知っているとは思うが……」
確かに御父上である国王陛下が王に不向きだと目し、正妃に疎まれている状況だから、かなり不利ではあるとはいえ、上手くやれば汚名を雪ぐのも可能ではある。ギリギリの状況とはいえまだ玉座に手が届く位置だ。かなり険しい道のりではあるだろうが。
「マルク殿下はブノワ殿下を支える側近の立場にありつつ、漁夫の利を得るべく虎視眈々と玉座を狙い暗躍している。北のワイバーンの件で遅れたのは、故意に情報を止めたのではないかというのが、情報通の間で囁かれているな」
第三王子が学院を卒業されてから二年、王太子殿下からは兄弟としてだけではなく、腹心の部下として信頼厚いと聞いていたが、どういうことだと更に疑問が増す。
だが私の疑問は置いてけぼりだ。
「アビケイル殿下は夫にギルモア侯爵の嫡男を選んだ。知っての通り彼は我が家の次に王家に近い」
先代国王の弟に当たる血筋だ。低いものの王位継承権もある。夫たる人物は王女のまた従兄弟に当たり、当然、私たちの遠縁にも当たる。表面的な付き合いしかないが。
「もし兄弟全員に何かあれば王女殿下が女王として即位し、その子が次代の国王になろうだろう。それを踏まえての結婚相手だ」
親戚とはいえあまり付き合いのない相手に嫁いだ理由が垣間見えた気がする。一度は私の結婚相手に名が挙がったものの、従兄妹では血が濃すぎると流れた話だ。
その後、お互いに別の相手と婚約し、私の方は縁がなくて解消して未だ独り身だが、王女殿下の方はそのまま降嫁された。王籍離脱したとはいえ、他国ではなく国内の貴族に嫁いだから、王位継承権はそのまま有している。もっとも他国に嫁ぎたいと思ったところで、隣国は全て森の向こう側。二百年前のスタンピード以降、行き来ができないどころか国が残っているかさえ不明な状態が続いているのだが。
「ギルモア侯爵家より裕福で、王女時代と同じかそれ以上に贅沢ができる家も、権力の中心にいる家もあったのに、敢えて血筋以外取柄のない家を選んだのは、野心があったからにほかならないよ」
王女殿下は血統主義的なところがあるから、そういった理由で結婚相手を選んだと思っていたが違っていた……いや違わないか。
高位貴族であり妾妃派の家門でさえなければ、特に結婚相手に制約はなかったものの、蓋を開ければ自分や自分の子が王位に就くために最良の相手を選んだのだから。
先代国王の上の弟は権力欲溢れる人物だったらしい。私が物心をつく前に若くして亡くなったから、伝聞でしか知らない人物だが。
家を継いだ長男には娘が一人しか生まれず、更には早逝してしまったため、爵位は王家に戻るのが確定している。親子して権力欲のある人物だったから、子が亡くなって不謹慎ながらも王家は胸を撫でおろしたという。
ギルモア侯爵家に婿入りした先代国王の下の弟の息子が、先代王弟の血筋で一番王位継承権が高い。長兄である王と不仲だったという下の弟は人並み以上の欲を持ちつつも、兄や王家と敵対するようなことはなく、臣としての分を弁えているという評判だ。少なくとも嫡男に王女が降嫁したときに、表立って色気を出すような真似をしない程度には。
父上の話を聞く限り、裏の顔がどうなのかわからなくなっているが。
「マルク殿下とアビゲイル殿下に関しては、ほかに後継争いに参戦しているという証拠はあるが、知らない方が良いこともある」
知れば巻き込まれるか、好ましからざる事態になると暗に言われては、それ以上詳しく尋ねるのが憚られた。
「血を分けた兄弟で争う心境が如何ほどか理解しがたいが、同じように殿下方も玉座に魅入られていると言って差し支えないだろう。そんな訳で王都から距離を置くのは、悪い選択ではないと思うのだよ。この屋敷はそのままにしておいて、我々はほとぼりが冷めるまで、領地経営が軌道に乗るまでという期限を切って引っ越すのが良いだろう。やり過ごしたら王都と領地を行き来しても良いし、そのまま代官任せにして王都に腰を落ち着けても良い。逃げ場はあっても困らないが逆は違う。何よりジョルジュが帰ってこられたとして、公爵家が残っていなければ意味がないだろう」
「そういうことでしたら……」
消極的な対応とはいえ、父上の言葉は現在取れる最良の選択だと思わざるをえなかった。
-------------------
ミラボー公爵はどうしようもないほど親莫迦ですが、実は盆暗ではなく野心がなく、更に何も考えてない訳ではないよ、というお話。
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