46 / 237
4章
12
しおりを挟む
「それにしても、本気にしてなかったのに、あんなに冷たい鉄壁のガードを張り巡らしてたのか。まあ、そのおかげで、息をするように男を口説いてベッドに連れ込むのに慣れたあいつらが、あんたには指一本触れられないまま撃退されていたが。一体何をそんなに大事に守ってるんだ」
「……僕に何かあると、心配してくれる人たちがうるさいんだ。口出しされないように、身を保つことを心掛けている」
「――本当に、過保護に愛されてるんだな、志貴」
付け入る隙など与えるつもりはない、と一線を引いたつもりが、いかにも納得したようにしみじみと頷かれ、志貴は言葉に詰まった。言い返したいのは山々だが、過保護な昔馴染みの二大巨頭がマドリードにいる上に、昼間公使館で不穏なニュースを耳にしていたのだ。
何も言えないのが悔しくて、せめてもと上目遣いでちらりと睨んだ志貴を、「まったく、これだから……」と目元を緩めながら、テオバルドは甘く見つめる。二人の間の距離は詰めないまま、そっと手を伸ばして、志貴の顎を軽く指先で掬った。
「今ここでキスされたくなかったら、晩飯を買って大人しく帰るんだ。いい子にできたら、何もせず紳士的に玄関の前まで送ってやる」
「……僕に何かあると、心配してくれる人たちがうるさいんだ。口出しされないように、身を保つことを心掛けている」
「――本当に、過保護に愛されてるんだな、志貴」
付け入る隙など与えるつもりはない、と一線を引いたつもりが、いかにも納得したようにしみじみと頷かれ、志貴は言葉に詰まった。言い返したいのは山々だが、過保護な昔馴染みの二大巨頭がマドリードにいる上に、昼間公使館で不穏なニュースを耳にしていたのだ。
何も言えないのが悔しくて、せめてもと上目遣いでちらりと睨んだ志貴を、「まったく、これだから……」と目元を緩めながら、テオバルドは甘く見つめる。二人の間の距離は詰めないまま、そっと手を伸ばして、志貴の顎を軽く指先で掬った。
「今ここでキスされたくなかったら、晩飯を買って大人しく帰るんだ。いい子にできたら、何もせず紳士的に玄関の前まで送ってやる」
22
あなたにおすすめの小説
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦
雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、
隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。
しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです…
オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が
なかたのでした。
本当の花嫁じゃない。
だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、
だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という
お話です。よろしくお願いします<(_ _)>
本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います
こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。
※「小説家になろう」にも投稿しています
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる