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8章 ※
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甘やかすように、先端を撫でる手のひらがくるくると円を描く。さらに別の手で、裏筋をなぞるように擦り上げられる。快楽の通り道をすべて剥き出しにされる感覚に、腰が、脚が、何かに操られるように、滑稽なほど大きく震え始めた。
すべての手綱を振り切った志貴の体は、――最早志貴のものではなかった。
「ひあぁっ、アッ、だめっ、もう、だめぇ!」
ぷしゃっ、と弾けるような勢いで、熱い透明な液体が蜜口から迸り出る。凄まじい快感と解放感に、志貴は茫然と胸を喘がせることしかできない。
「あ、あ、あ……あぁ……」
「いい子だ、よくできたな」
ベッドが濡れないように、腰の下で乱れた寝間着で雫を受けとめながら、一洋が満足気に息をつく。何が起きたのか――何を褒められたのかもわからない志貴は、粗相したものと思い込み、本気の嗚咽を洩らした。
幼馴染の手で強引に射精させられ、三十にもなってベッドで失禁してしまった。
これまでの人生で築いてきた誇りや仕事への自負、そして自尊心が剥ぎ取られ、無力で小さな子供だけが取り残される。その証拠に涙は止まらず、子供じみた泣き声まで洩らしてしまっている。
何よりも志貴を傷つけたのは、この強引な行為に自身の体が悦び、快楽に自ら擦り寄ったことだった。射精は言うに及ばず、失禁にすら――深く感じ、今も喜悦の涙を流しているのだ。
「泣くな。これは漏らしたんじゃない、潮を噴いたんだ」
志貴の体液で湿った寝間着を脱がせようと、一洋が再びうつ伏せにしてくる。手首の帯が解かれ自由になっても、快楽と羞恥に打ち据えられた志貴に、一洋と対峙する気力は残されていなかった。シーツに頬を押し付けたまま、嗚咽の中、小さく聞き返す。
「し、お……?」
「感じすぎると噴くんだよ、男も女も」
脱がせた寝間着で、一洋が濡れた体を丁寧に拭う。大きな手が、汗で湿った髪を撫でる。その手つきは穏やかで、もう酷いことをされることはないという安堵に、志貴は何度もせき上げた。
慰めるように撫でてくる一洋が、今はまだ怖い。無理矢理与えられた快楽の鋭さに――潮を噴くという衝撃的な体験に、心も体もまだ痺れたままなのだ。
「おいで志貴。――いつでもこうして、俺に甘えればいい」
全裸の志貴を抱き込み、共に布団に包まりながら、一洋が言う。
「俺の前でだけ、お化けが怖くて眠れないとべソをかけばいい。つらくてどうしようもない時は、好きに殴って当たればいい。――どうして日本は、いつまでも現実を見ようとせず、少しでも国力が残っているうちに和平の道を模索しないのかと」
弾かれたように、志貴は俯いていた顔を上げた。涙で濡れた頬をそっと指先で拭われても、瞬きもせず幼馴染の男らしい顔を見つめる。
胸にわだかまっていた思いも、押し殺していた願望も、すべてお見通しだったのだ。
その上で、いつでも受けとめてやると胸を開いてくれている。――否、自発的にそうしなかったことを、幼馴染に頼ろうとしないことを、暗に責めているのだ。
すべての手綱を振り切った志貴の体は、――最早志貴のものではなかった。
「ひあぁっ、アッ、だめっ、もう、だめぇ!」
ぷしゃっ、と弾けるような勢いで、熱い透明な液体が蜜口から迸り出る。凄まじい快感と解放感に、志貴は茫然と胸を喘がせることしかできない。
「あ、あ、あ……あぁ……」
「いい子だ、よくできたな」
ベッドが濡れないように、腰の下で乱れた寝間着で雫を受けとめながら、一洋が満足気に息をつく。何が起きたのか――何を褒められたのかもわからない志貴は、粗相したものと思い込み、本気の嗚咽を洩らした。
幼馴染の手で強引に射精させられ、三十にもなってベッドで失禁してしまった。
これまでの人生で築いてきた誇りや仕事への自負、そして自尊心が剥ぎ取られ、無力で小さな子供だけが取り残される。その証拠に涙は止まらず、子供じみた泣き声まで洩らしてしまっている。
何よりも志貴を傷つけたのは、この強引な行為に自身の体が悦び、快楽に自ら擦り寄ったことだった。射精は言うに及ばず、失禁にすら――深く感じ、今も喜悦の涙を流しているのだ。
「泣くな。これは漏らしたんじゃない、潮を噴いたんだ」
志貴の体液で湿った寝間着を脱がせようと、一洋が再びうつ伏せにしてくる。手首の帯が解かれ自由になっても、快楽と羞恥に打ち据えられた志貴に、一洋と対峙する気力は残されていなかった。シーツに頬を押し付けたまま、嗚咽の中、小さく聞き返す。
「し、お……?」
「感じすぎると噴くんだよ、男も女も」
脱がせた寝間着で、一洋が濡れた体を丁寧に拭う。大きな手が、汗で湿った髪を撫でる。その手つきは穏やかで、もう酷いことをされることはないという安堵に、志貴は何度もせき上げた。
慰めるように撫でてくる一洋が、今はまだ怖い。無理矢理与えられた快楽の鋭さに――潮を噴くという衝撃的な体験に、心も体もまだ痺れたままなのだ。
「おいで志貴。――いつでもこうして、俺に甘えればいい」
全裸の志貴を抱き込み、共に布団に包まりながら、一洋が言う。
「俺の前でだけ、お化けが怖くて眠れないとべソをかけばいい。つらくてどうしようもない時は、好きに殴って当たればいい。――どうして日本は、いつまでも現実を見ようとせず、少しでも国力が残っているうちに和平の道を模索しないのかと」
弾かれたように、志貴は俯いていた顔を上げた。涙で濡れた頬をそっと指先で拭われても、瞬きもせず幼馴染の男らしい顔を見つめる。
胸にわだかまっていた思いも、押し殺していた願望も、すべてお見通しだったのだ。
その上で、いつでも受けとめてやると胸を開いてくれている。――否、自発的にそうしなかったことを、幼馴染に頼ろうとしないことを、暗に責めているのだ。
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