トゥモロウ・スピーチ

音羽夏生

文字の大きさ
235 / 237
19章 ※

18

しおりを挟む
 体はくたくたで、テオバルドの勢いに腰は引けるが、三度目ということもあり、気持ちの上では多少ゆとりが生まれる。変わった形で交わったため、引き寄せて口づけることのできない男の欲望に逸る顔を、志貴は一心に見つめた。
 この交わりの果てに、別離が待っている。テオバルドが欲情で志貴をその身に覚え込ませるなら、志貴はそのまなこに、美しい恋人が自身を求める姿を灼き付けたかった。

「テオ、……あっ、そこ……アッ、あァン!」

 奥まで入り込んだ先端が、何かを探るように花筒の突き当たりを抉る。そうされると、花筒のさらに先──腹の奥までがきゅうっと引き絞られ、臍の裏側が疼くように感じる。
 さきほどの乾いた絶頂も、それが引き金だった。本能的に危険を感じた志貴は、ずり上がって逃れようとする。

「そこ、ダメ……。テオ、そこは、怖いんだ……。──あヒイィッ!」

 懇願の声が、鋭い悲鳴に途切れた。
 ぐぽっ、と生々しく腹の奥が押し開かれ、テオバルドの切っ先が、これまでにないほど深く嵌まり込んだのだ。
 それと同時に、充血してほころんだ敏感な蕾に、濃い叢がざりっと押し付けられる。
 ようやく根元まで収められたテオバルドの肉の剣は、秘められた奥の蕾をも貫き、二つ目の初花を咲かせようとしていた。具合を確かめるように腰を引き、張り出した傘の部分で狭い粘膜を跳ね上げて、恋人の反応を確かめる。

「ア、ひぃっ、あっ、アッ、あぁっ!」

 くぽくぽと小刻みに何度も奥の蕾を苛められ、怖気を震いながら志貴は鳴いた。切っ先が狭い蕾を抉じ開け、嵌まり込んだ分厚い鰓が奥の花襞を引っ掛けて弾くたびに、臍の裏側からビリビリと電流が走り、目の前で火花が散る。
 感じているのは、おそらく恐ろしいほどの快感だ。その証拠に指先まで痺れ、だらしなく開いた口元は唾液で濡れている。しかし腹の奥まで犯される悦楽はあまりに強烈で、頭がそれを心地好いとは捉えられないのだ。

「……ふあっ! あっあ、……あ、あん……」

 異形の快楽でいたぶられているのに──どうしようもなく感じる。
 男なのに自ら中が濡れるような淫らな感覚に、とろりと志貴の眼差しが蕩ける。初めて暴かれた奥の蕾とともに、新たな官能が花開いていく。
 恋人が洩らす声に苦痛が混じっていないことを知り、テオバルドが額に張り付いた前髪をくしゃりと掻き上げた。

「は……っ、奥まで抉じ開けてやった。初めてのあんたには酷かもしれないが、──悪くはないようだな。奥は亀頭をちゅぱちゅぱ舐め回してるし、襞が竿に絡みついてる。……フ、こんなに痙攣するほどいいのか、ここが?」

 問われても、志貴はもう声も出せない。
 極太の肉の剣を奥の奥までみっちりと嵌め込まれ、圧倒的な雄としての強さに被食動物の本能が平伏し、怯えて身動きできないのだ。
 それでも、男を受け入れる花にされた体は、自身を満たしてくれる雄の威容に歓喜し、見境なく咲き誇る。手足は硬直しながらも、花筒だけはぞろぞろと蠢き、咥え込んだものを淫靡に舐め上げた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

帰宅

pAp1Ko
BL
遊んでばかりいた養子の長男と実子の双子の次男たち。 双子を庇い、拐われた長男のその後のおはなし。 書きたいところだけ書いた。作者が読みたいだけです。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

おめでとうが言えなくて

まめなぎ
BL
祝えないのは、最低だからじゃない。 まだ手放せていないからだ。

つまらない妃と呼ばれた日

柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。 舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。 さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。 リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。 ――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

処理中です...