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初光
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迂闊さを振り払うために、シェルはテラスの階段を降りて、完璧に手入れされた整形式庭園に足を踏み入れた。最も美しい季節を迎えた庭は、室内から眺めるだけではなく、その中に身を置きたいと思わせる興趣に溢れている。
一年前の今頃は、ウルリカに付き添われて後宮の庭園を散歩するのが、数少ない日課だった。ミレニオの王都よりも大分北に位置する帝都では、厳しい冬の後に迎える春夏の花々の美しさは爆発的で、生命の勢いに満ちている。
(はっきりした色が目立つミレニオの夏も賑やかで美しいけれど、帝国の夏の色は幻想的で……ほっとする)
左右対称の幾何学模様に整えられた整形式庭園は、草花と刈り込まれた低木で構成されている。部屋からの眺めを遮るものはなく、シェルの不在に気づいた侍従は、すぐに庭園に佇む姿を見つけるだろう。
それに、目にはつかないが、迎賓館には衛兵による厳重な警備体制が敷かれている。
予定にない訪問者は取次も許さず、休息中のミレニオ国王を煩わせることは決してない。到着時、そのように帝国側から申し送りがあり、シェルは気を楽に一人の散歩を楽しむことができた。
(まさか、この国で自由を感じる日が来るなんて)
監視も制限もされていないが、国王という立場である。ミレニオでは常に周りに人がいて、完全に一人で過ごすのは不可能だった。眠る時でさえ隣室に不寝番の侍従が控え、日々の窮屈さは否めない。
一年前の今頃は、ウルリカに付き添われて後宮の庭園を散歩するのが、数少ない日課だった。ミレニオの王都よりも大分北に位置する帝都では、厳しい冬の後に迎える春夏の花々の美しさは爆発的で、生命の勢いに満ちている。
(はっきりした色が目立つミレニオの夏も賑やかで美しいけれど、帝国の夏の色は幻想的で……ほっとする)
左右対称の幾何学模様に整えられた整形式庭園は、草花と刈り込まれた低木で構成されている。部屋からの眺めを遮るものはなく、シェルの不在に気づいた侍従は、すぐに庭園に佇む姿を見つけるだろう。
それに、目にはつかないが、迎賓館には衛兵による厳重な警備体制が敷かれている。
予定にない訪問者は取次も許さず、休息中のミレニオ国王を煩わせることは決してない。到着時、そのように帝国側から申し送りがあり、シェルは気を楽に一人の散歩を楽しむことができた。
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