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侍童
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何があっても心に蓋をして、逆らわず甘んじて受け入れる。それが父大公の行いに対する、ユングリングの償いとなる。
自らに課せられた役割を思い出し、シェルはこくりと小さく喉を鳴らした。
「いつまで経っても、お前は俺に懐こうとしないな」
長椅子に深く座り、ゆったり背を預けると、皇太子は自分の前にシェルを立たせた。優雅に脚を組みながら、毛を逆立てて警戒する子猫を眺めるように、実に思い掛けないことを口にする。
(懐くだなんて……)
――畏れ多くて、考えたことすらない。
咄嗟に言葉も出ず、瞬きを二回。何か言わなければと焦るが、緊張に強張った舌はもつれるばかりだ。焦りが焦りを呼ぶが、気持ちの揺らぎを隠す習性のせいで、つい硬い無表情になってしまう。
可愛気のない態度を気にする様子もなく、皇太子は品定めする眼でシェルを見据えた。
「他の大公家の奴等は皆、俺の機嫌を取ろうと、顔を見れば擦り寄ってきたものだ。そういえばお前は、奴等と違って、皇宮の流儀に泣かされなかったらしいな」
「……自分のことは自分でできるように、育てられましたので」
「皇宮の流儀」とは、学業成績と生活態度で器量を計られ、その評価を直視させられることだろう。
自らに課せられた役割を思い出し、シェルはこくりと小さく喉を鳴らした。
「いつまで経っても、お前は俺に懐こうとしないな」
長椅子に深く座り、ゆったり背を預けると、皇太子は自分の前にシェルを立たせた。優雅に脚を組みながら、毛を逆立てて警戒する子猫を眺めるように、実に思い掛けないことを口にする。
(懐くだなんて……)
――畏れ多くて、考えたことすらない。
咄嗟に言葉も出ず、瞬きを二回。何か言わなければと焦るが、緊張に強張った舌はもつれるばかりだ。焦りが焦りを呼ぶが、気持ちの揺らぎを隠す習性のせいで、つい硬い無表情になってしまう。
可愛気のない態度を気にする様子もなく、皇太子は品定めする眼でシェルを見据えた。
「他の大公家の奴等は皆、俺の機嫌を取ろうと、顔を見れば擦り寄ってきたものだ。そういえばお前は、奴等と違って、皇宮の流儀に泣かされなかったらしいな」
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