后狩り

音羽夏生

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初夜 ※

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「よく馴らしたから、きつくはあるまい」
「……は、い……」
「しばらくそのまま、太さに慣れろ」
「はい……」
「怖くなくなったら、尻でよく食んで、手を使わずに押し出すんだ」
「……畏まりました」

 淫靡な指示が否応なく、排泄器官を、男を受け入れる蜜壺へと変えていった。
 昨夜シェルの尻は、七本目の極太の張り形を挿れられ、軋みながらも呑み込んだ。それまでの六夜と同様に、収めたまま一晩を過ごしたが、腹を中から圧される感覚の凄まじさになかなか寝つけず、ようやく掴んだ眠りも浅かった。
 朝になり股の皮帯を外され、張り形を出すことを許された時には、安堵のあまり涙が零れてしまったほど、つらい「馴らし」だった。

(今宵、耐えられるだろうか)

「馴らし」を経た今、シェルを襲うのは、受け身の性交への純粋な恐怖だ。
 昨夜収めた張り形は、確かに漲った皇帝のものと同じくらいの太さだったが、長さはまったく及ばない。それに両端が細い紡錘形をしており、入れやすく出しやすくもあった。しかし皇帝の陽物は――。
 この七夜、尻に張り形を入れ皮帯で固定されたまま、シェルは口で奉仕し、皇帝の精を受けとめた。唇で、舌で、喉で仕え育てたものが、尻の中でシェルを苦しめているものより大きいのだと思うと、とても受け入れられるとは思えず、恐怖は奉仕の苦しさとともに、涙となって滲み出た。
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