后狩り

音羽夏生

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偽妃 ※

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 男色に興味のない皇帝であれば、偽妃が内殿の閨に呼ばれることはない。被征服者の象徴であるから後宮での序列も低く、愛も情も知らず、孤独の中緩慢に年月を重ねることになる。主人の死後は、次代の偽妃に仕える宦官となり、死ぬまで後宮から出ることは許されない。
 后のおかげで我が後宮に偽妃は要らぬ、と皇帝は以前冗談のように話されていた。
 ユングリングを異教の神、つまりまつろわぬ民と揶揄されているのか……と返す言葉に困り、黙って承るだけだったが──。
 あれは、揶揄でも冗談でもなかったのかもしれない。いずれシェルの肉体を、偽妃のように変えるおつもりだったのかもしれない。
 そう考えれば、射精を禁じられ女体の悦楽を強いられるのも、剃毛されるのも、すべて納得がいく。
 近々シェルは去勢され、そのための準備であるならば。

「こんなに健気で愛らしいものを切る必要がどこにある。これは、こうして可愛がるものだ」

 色の失せた顔と、手にしたものの変化に、皇帝は愛猫の怯えに気づかれたようだ。
 宥める手付きで、剥き出しの先端を磨くように撫で回され、シェルは小さく呻いた。一番敏感なところを刺激され、いつもなら快感に声を上げてしまうが、心身ともに冷え切った今は痛みしか感じない。
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