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ライトが、白狼ならライカはと訊けば白鷺だそうだ。
是非とも契約したら、獣化して貰いたいと内心で思っていた。
ノックの音がして、呼んでおいた者たちが来たことを知らされた。
「今度のバザーで出店される方々ですか?」
「ああ、治癒園の方で小規模のバザーや演奏会をするから。もし都合があえば遊びに来るといい」
「ライカや薬師仲間も一緒に参加しても大丈夫ですか?」
「問題ないよ。領内のイベントだが、入場制限はしてないから、気兼ねなくおいで」
「では、楽しみにしてますね。御前失礼します」
丁寧な礼をして下がっていった。
故意にではないが、追い立てるような事になっても淡々としている。
頭の切替の速さに此方の方が唖然となるが、風のような性格は気持ちがいい。
颯爽と去った相手から、広間で待っている者たちへと意識を向けた。
今回の参加者は皆初めてだから、アルフレッドが事前の説明をしている筈だ。
バザーや演奏会の他に庭の整備を依頼するから、庭師も呼ばれているし当日の警備担当の騎士団長に副団長など一堂に集めて話し合うのは、中々大変だが無駄がない。
何かあれば、後日それぞれ別途に話し合って結果を上げてくれる。
後は、関連部署に変更点を周知しておけばいい。
偶に報告もれもあるが、その辺は精霊が情報を運んで来るから問題ない。
だが、今回の引き継ぎで考えさせられた。現状問題なしは逆に問題がある。
他の者が責任者になる時は、色々手直しが必要だと改めて思った。
嘆息していると、グレンが「如何なさいましたか?」と気遣わしげに尋ねてくる。
この間のお茶会(尋問会)のお蔭か、最近では気軽に声を掛けてくれる。
「第一線を退くには、問題が山積みだと気付いただけだよ」
以前なら問題ないで済ましていた。
でも、愚痴でも隠さない事を望まれているから言葉にしている。
そのお蔭で、自己分析にもなっている。
妙な相乗効果だなと思うが、ただ呑み込み続けるより建設的だ。
「セイ様が悩む必要はありません。引き継いだ者が対処すればいい事です」
第一現状何も問題ないのに何をするのですと、あっさり言う。
悩んでいるのが、無駄だと思えてくる。
視点を変える為にも、他の者の意見は大事だ。
何もかも全て引き受け過ぎていたと、最近漸く気付いた。
だが、意識はそう簡単に変えられない。
気付いたら自分で背負い込もうとしているのだ。
その結果、グレンたちが声を掛けてくれて、我にかえるを繰り返している。
又やってしまったと後悔していると、もっと頼ってくれと言われるのだが、充分頼って迷惑を掛けてると反論しても、全く足りないと言われる始末で途方に暮れる。
グレンが苦笑しつつ、迷子のような顔をと指摘する。
「グレンたちが言うように甘えたり頼るのは、私には難しいのだから仕様がないだろう。子供の様にと言われるのが一番判らない」
ムウとなりつつ言えば、破顔して随分良くなってますと、よく判らない褒め言葉を貰い余計に混乱させられる。
普通とは難解なものだと、口に出せば呆れられるであろう事を内心呟いていた。
是非とも契約したら、獣化して貰いたいと内心で思っていた。
ノックの音がして、呼んでおいた者たちが来たことを知らされた。
「今度のバザーで出店される方々ですか?」
「ああ、治癒園の方で小規模のバザーや演奏会をするから。もし都合があえば遊びに来るといい」
「ライカや薬師仲間も一緒に参加しても大丈夫ですか?」
「問題ないよ。領内のイベントだが、入場制限はしてないから、気兼ねなくおいで」
「では、楽しみにしてますね。御前失礼します」
丁寧な礼をして下がっていった。
故意にではないが、追い立てるような事になっても淡々としている。
頭の切替の速さに此方の方が唖然となるが、風のような性格は気持ちがいい。
颯爽と去った相手から、広間で待っている者たちへと意識を向けた。
今回の参加者は皆初めてだから、アルフレッドが事前の説明をしている筈だ。
バザーや演奏会の他に庭の整備を依頼するから、庭師も呼ばれているし当日の警備担当の騎士団長に副団長など一堂に集めて話し合うのは、中々大変だが無駄がない。
何かあれば、後日それぞれ別途に話し合って結果を上げてくれる。
後は、関連部署に変更点を周知しておけばいい。
偶に報告もれもあるが、その辺は精霊が情報を運んで来るから問題ない。
だが、今回の引き継ぎで考えさせられた。現状問題なしは逆に問題がある。
他の者が責任者になる時は、色々手直しが必要だと改めて思った。
嘆息していると、グレンが「如何なさいましたか?」と気遣わしげに尋ねてくる。
この間のお茶会(尋問会)のお蔭か、最近では気軽に声を掛けてくれる。
「第一線を退くには、問題が山積みだと気付いただけだよ」
以前なら問題ないで済ましていた。
でも、愚痴でも隠さない事を望まれているから言葉にしている。
そのお蔭で、自己分析にもなっている。
妙な相乗効果だなと思うが、ただ呑み込み続けるより建設的だ。
「セイ様が悩む必要はありません。引き継いだ者が対処すればいい事です」
第一現状何も問題ないのに何をするのですと、あっさり言う。
悩んでいるのが、無駄だと思えてくる。
視点を変える為にも、他の者の意見は大事だ。
何もかも全て引き受け過ぎていたと、最近漸く気付いた。
だが、意識はそう簡単に変えられない。
気付いたら自分で背負い込もうとしているのだ。
その結果、グレンたちが声を掛けてくれて、我にかえるを繰り返している。
又やってしまったと後悔していると、もっと頼ってくれと言われるのだが、充分頼って迷惑を掛けてると反論しても、全く足りないと言われる始末で途方に暮れる。
グレンが苦笑しつつ、迷子のような顔をと指摘する。
「グレンたちが言うように甘えたり頼るのは、私には難しいのだから仕様がないだろう。子供の様にと言われるのが一番判らない」
ムウとなりつつ言えば、破顔して随分良くなってますと、よく判らない褒め言葉を貰い余計に混乱させられる。
普通とは難解なものだと、口に出せば呆れられるであろう事を内心呟いていた。
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