傍観者を希望

静流

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出だしは良かったが、段々と勢いがなくなり、最終的にアスカルトだけが話している状況になった。

先ずドミニクが、違和感を感じて黙り込み。
次にブランディアが、眉を顰めて補足を辞め、ドミニクと目配せしあう。
最後にリラティスが、妙な顔をしながら突っ込んで、同じく黙ってしまう。
結局、未だに気付かないアスカルトだけが、一人で報告していた。

流石に、誰も口を開かないので、黙り見渡してくる。

「どうかしたのか?何か変なことを言ったか?」

「アスカルト、逆にまだ解らないのか?」

「は?何を言ってるんだ?」

「アス、私達の情報に違和感はない?都合のいい展開に、耳障りの良い内容ばかりだよ」

「リラ?それの何が不味いんだ」


「相変わらず脳筋…ですね。情報操作されているのが分かりませんか?」

「ブラン、もう少し言い方があるだろう。王族向けに、多少改竄されているか、貴族にとって都合の良い情報のみだということだよ」

ドミニクの説明で、漸く納得したようで、悔しそうな顔になっている。


「セイ様、返って時間を無駄にさせてしまい申し訳ありません」

ドミニクが、それまで聞き役に徹していた私に詫びてくる。

眉毛が心持ち下がって、身を縮こませる様に頭を下げてくる姿が、どこか大型犬を連想させる。尻尾や耳が力なく垂れ下がっている幻想が見えそうだ。


「いや、時間の無駄ではないよ。自分たちに届く、情報の方よりに気付けただろう?後は、どう改善するかを各自考えなさい。ドミニクは、午後の視察に学園も入っていた筈だから、直に見てくればまた違った気付きがあるだろう」


「はー、結局いつも通りですね。少しは、見返せると期待したんですが、残念です」

無念そうなブランディアに、ドミニクが肩を叩き慰めているが、もう少し粘る心意気が欲しい。


「ブランは、先程の情報の裏を取ってみなさい。序でに、他の情報も仕入れれば、なおいいですね。アスとリラは認識阻害の魔法を掛け合って、明日学園に行って情報収集してみなさい。くれぐれも、王族とバレないように注意して、人の会話に耳を澄ましてみるといいですよ」


仕方なく全員に指示を出せば、意気込んでいる。
素直でいいのだが、将来上に立つには心許ない。

ステファンなどは、指示を出せば反発していた。
あれはアレで扱い難いが、鵜呑みにしない点は評価できる。

翻って、王族の彼らは温室育ちで、聞き分けがいい。

育ちが良過ぎて、不安だが、王宮内で生存している以上は、見た目通りではないのだろう。

しかし、自分で指示を出したが、知らない方が幸せなこともある。

上手くいかない方が、当人にとっては傷付かないで済むのではと、真逆の期待をしてしまう。




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