傍観者を希望

静流

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「あれが基準で考えたのが、不味かったのか…。なら、本来は宰相の職務になるのか?」

「宰相殿の場合もありますが、正確でしょうね。他の大臣や、騎士に振る内容まで混じってましたよ」

アルフレッドが、心底呆れたように訂正している。
だが、よくそれだけ請負ったなと、別の意味で感心させられた。

「…それは、本当に悪いことをした。だが…確か、全て完遂した報告を、聞いた気がするのだが?」

「もちろん、全てきっちり処理させて頂きました。お陰様で、多方面にツテが出来ましたよ」

「ちょっと待て。結局は、前任者以上ではないのか?」

「ええ、後ろ盾がない分は、苦労させられましたが、恩も売りましたし、弱みも握ってます。故に現在、王宮内に居ても情報を集められるんです」

無理難題を解決し続けただけに、人脈作りが桁違いのようで、陛下も顔が引き攣っている。

「前言撤回する。職務以外の命は下さないが、辞任は一切認めない」

「また極端ですね。心配せずとも、他国に情報を売る気は御座いません」

「そういう心配は、端からしてない」

「他に何か、辞めたら困る要素がおありですか?」

アルフレッドの訝しげな視線を、嫌そうに見遣り顔を背ける。

「少しは、自分の身の安全を考えろ。少なくとも、今の地位なら襲われる危険は低い」

ボソッという内容は、アルフレッドの身を気遣ったもので、敢えて素っ気ない言いようだった。

嫌そうに見えたが、気恥ずかしくて、そっぽを向いたようだ。

「そういう事ですか…こういう場合は、感謝するべきでしょうが、原因が陛下だけに複雑ですね」

「別に礼は不要だ。私の勝手な命令に、怒っても構わん」

「素直ではないですね。まあ、改めて礼を言うのも変ですから、素直に承らせていただきます」

苦笑いしながら、アルフレッドが了承している。
結局は、似たもの同士だけに、意地の張り合いになるのだろう。

毎回のように、折れるのがアルフレッドで、漸く日常らしくなった気がした。

「それなら、グレンの禁足も短くなりそうですね」

「いや、それ以前に不要ではないか?」

「陛下の命が下る前に動かれては、止めようがないのに、随分と無責任なのでは?」

不要と言われ、呆れて突っ込めば、目を逸らされた。

「あ…まあ、そうだな。グレン、悪いが少し我慢してくれるか?」

「私としては、長期間でも構いませんので、お気遣いは無用です」

しらっと呆れたことを言うグレンに、陛下も半笑している。
アルフレッドは、米神が引き攣っているようだが、表面上は和かさを保っていた。

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