傍観者を希望

静流

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「グレン、禁足を喜んでいるが、私はその間も外出する予定だ。お留守番役を頼むからね?」

「え?あの、その場合も禁足では、誰が護衛を?」

「アルフが適任だろうが、ライトでも構わないかな」

護衛の仕事を、他の者が行うと聞いて、血相を変えている。
アルフレッドは、想定していたようだが、ライトの名には眉を顰めた。

「セイ様、私はともかくとしても、ライトは論外でしょう。騎士の経験がありません」

「ライトの腕前なら、一介の騎士より上だ。何が問題だ?」

「リスティリアならまだしも、ライトは侍従です。侍従が護衛では、離席を求められた場合危険です」

侍従が、離席を求められるのは、一般的でおかしな事でもない。
だが、それを要求できるのは上位の立場で、自分には関係ない話だった。

「アルフ、一体誰がそれを言えるのだ?陛下以外では、皆無だと思うのだがな」

「それは…そうなのですが、万が一という事もございます」

此方の指摘に、アルフレッドも言葉を濁している。
建前では、そうなのだろうが、当て嵌まらないのを失念していたようだ。

「セイ殿。そう無茶を言っては、アルフも困るだろう。体面を保つのも必要だ」

「私が行く先に、それは不要です。それに、侍従のみなら信用されている、と思われるだけでは?」

「ものは言いようだな。だが、何処へ行く予定なのだ?」

「もちろん領地ですが?」

大騒ぎして、体面などと言われるような場所ではない。
冷めた対応になるのも、仕方がないと思うが、陛下は妙に目を丸くしている。

「アルフ?それなら、騒ぐほどではないだろ。セイ殿が、珍しく我儘を言っているのかと勘違いしたのだが…違うようだな」

「領地といえども、最低限の警戒は必要でしょう?何処で仕掛けてくるか、判ったものではありません」

「だから、ライトの名を出したんだけど?魔法にも対処可能だからね」

大国の出方を懸念しているのなら、尚更ライトは適任だと推す。
どれほど剣の腕があっても、魔法には無力だと告げれば、顔を顰めている。

その辺は、心情的に認めたくないようで、意外と頭の固い面もあったようだ、と認識を改めた。

「アルフ、一本取られたな。だが、それならリスティリアを連れていく方が、良いのではないか?」

「それこそ、体面が必要なら考慮しますが、そうでなければ女性は遠慮します」

「おかしな事を言うな、セイ殿が選んだと報告を受けている。それなのに、忌避するのか?」

「言ったはずです。面目を保つ為なら許容するつもりですが、それ以外はドミニクの方を請負う約束です」

根本的に、女性というだけで苦手なのだ。
肩を竦めて告げれば、陛下は嘆息を漏らして呆れている。
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