傍観者を希望

静流

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「本当にそう思うか?大国が後ろ盾なのだから、あり得ないとは言い難いのだが…」

「残念ながら、中枢機関に組み込まれるほどの家ではありません。恐らく、セイ様の出自もご存知ないでしょう」

「だから、平気でグレンに手を出してきたと言うのか?随分と短絡的だな」

「ですから、子供に関してのみ盲目的なんです。欲しがれば、与えるのが普通になってますからね」

辛辣な評価だが、先程の違和感は間違いではないようだ。
要するに、見目麗しい者を勝手に異動させる所為で、アルフレッドも迷惑を被っているのだろう。

「因みに、侍従が対象なのか?」

「護衛もです。お蔭で配置替えを何度させられた事か、思い出すのも嫌です」

顔を歪ませて言われれば、慰めの言葉も出てこない。

通りかかる場所から、その手の者も異動させたのだとしたら、さぞ苦慮させられただろうと察するだけだった。

「話を戻すが、大国が知ったら喜ぶと思うか?」

「この事態を…それは、どうでしょうね。逆に、余計な真似をした、と怒るのではないでしょうか?」

「私の護衛を排除出来た、とはならないのか?」

あの国なら、それくらい言いそうに思えたのだが、アルフレッドの意見は、どうも違うようだ。

「セイ様の機嫌を害してまで、する価値はないと判断するのが妥当です。第一、明からさま過ぎては、他国からも非難が殺到して良い事は何もないですよ?」

「現状でも、非難されても仕方がない事ばかりしているが、それは如何なんだ?」

利点がないというが、最近の大国は節操がないと言い返せば、首を振って否定された。

「セイ様。誰が観ても明らかな状況は、一応避けてますし、証拠も残さない方向でしか動いてません。ですが、王女殿下の場合は、それに当て嵌まりません」

「そういう事か。私の側から護りを奪い去る行為は、確かに明からさまだな。刺客を放つ大国にすれば、疑惑を深めるだけか」

「左様でございます。ですから、この件は単独でしょう」

アルフレッドの説明に納得がいったが、他の意味で厄介な事には変わりがない。
陛下が手を打つまで、この宮内で大人しくしてもらうしかなさそうだ。

「陛下ではないが、本当に妙な方に気に入られたものだな」

「それを言っては、グレンが憐れかと。災難に遭った、としか申しようがない事態です」

溜息混じりにボヤけば、アルフレッドが苦笑いしながら応じてくる。
女性に対して失礼だろうが、災害級の被害だと変に納得してしまう。

「それはそうとして、グレンは遅くないか?」

「そうですが、宮内からは出てないのでは?」

「グレンを探索してはないから、そこまで把握してないが…」

言いながら、即座に調べたのだが宮内に居ない。
驚いて範囲を広げれば、何故か詰所に反応があり、眉を顰めた。
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