傍観者を希望

静流

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「セイ様。何で全部把握してるんですか?」

「何時迄も帰ってこないので、調査したんですよ。全く…一言くらい声を掛けてからにして下さい。しっかり罠に嵌って、どうするんですか?」

「それは…そうなんですが、あの時は気が急いてしまって、そこまで頭が回ってませんでした」

「序でに、アルフでも代役可能という事も、失念したんですね」

呆れ混じりに断じれば、肩を落として悄然としている。

責め立てるのは性に合わないが、この状況下で暴走されては、護るのも難しくなる。
自滅願望でもあるのか、と言いたくなる展開だけに、文句くらい我慢して欲しいものだ。

「誠に申し訳ありませんでした!」

ガバッと再度叩頭され、溜息を零す。
これ以上言葉を重ねても、追い詰めるだけだという諦めだった。

「それはもう良いから、本当に自重だけはしてくれ。それだけは、くれぐれも頼むよ」

「畏まりました。今度こそは、約定を違えません」

真剣な顔で力強く誓われ、逆に不安になってくる。

「何かあれば独断を避け、アルフに相談してから動くように」

「承知致しました」

唯々諾々と頷く、グレンを信用するしかない。
あまり言い過ぎるのも、逆効果かと思い、それで良しとした。

「ああ、それから一応挨拶で来ているのは、聴いているか?」

視線でライカを示せば、首肯したが、不思議そうに首を傾げた。

「アルフからは聞いてますが、なぜライトに化けているのです?」

「⁉︎」

ライカは、ギョッと目を見開き固まってしまう。
やっぱり気付いたかと、半笑してしまった。

「因みに、アルフは気付いていたのか?」

「それを言ったら嘆かれますよ?」

「で?何と言っていたの」

「急用で来れなかったか、侍女が来れば物議を醸すからではないか、と言われてましたが…違うようですね」

素直に教えてくれるが、目は眇められ、ライカを冷ややかに観察している。
当のライカ自身は、よほどショックだったのか、未だに硬直したままだ。

「ライトに頼んで、代わって貰ったそうだ。変装は、単なる悪戯で他意はないらしい」

端的に説明したら、唖然とし冷気まで漂わせ始めた。
こうなると分かっていたが、アルフにも発覚済みなら、誤魔化しても早晩バレると開き直った結果だ。

「形だけの方便とはいえ、やって良いかの判断能力が欠けてませんか?」

「先程、薬師長からも謝罪されたよ。で、ライカは当面の間、薬師塔で謹慎処分となった。その間に、教育し直すそうだから、そう殺気を放つのは辞めなさい」

「御前で失礼しました。ですが、本当にこの宮に置く気ですか?そう簡単に、直るものではありませんよ」

酷評に苦笑が漏れるが、グレンの懸念も的外れでない。

だが、侍女が皆無というのも、今後は問題視される要素の1つだけに、あっさり切り捨てられないのだ。

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