傍観者を希望

静流

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「分かっているが…改善の余地があるなら、機会を与えたいとは思うよ。ライカの腕は確かだしね」

「セイ様がそう判断されるのなら、我等は従うのみです」

「我儘を言って悪いな」

苦言を呈しても、結局は折れてくれるグレンに詫びれば、ライカがジーっと観ているのに気付いた。

「何で…あり得ないはずなのに…」

どうやら、未だに現実が受け入れられないようだ。
ブツブツと呟く言葉の一部を聞き咎め、頭痛がしてくる。

ライの言葉ではないが、手に負えないと放棄したくなってきた。
魔の囁きという訳ではないが、頭にライからの言葉が響き、肩の力が抜ける。

引き取り(迎え)に来てくれるようで、ホッとしたのが本音だった。

どう説得するかと苦慮していただけに、ちょっと肩透かしにあった気分だが、それを差し引いても、助かったという思いが大きかったのだ。

「セイ様、どうかしましたか?」

「あ、いや。迎え(引き取り)に来るそうだ」

「意思の疎通が簡単にできるのですね」

「制約はあるが…まあ、可能だよ」

グレンの問いに、失言だったなと少し後悔したが、隠すほどの事でもない。

まあいいかと流して、認めればライカからは、責めるような目を向けられた。
我に返っていたのかと見返すが、スッと目を逸らされてしまう。

「それで、何時ごろお見えですか?」

「詰所を通過したから、そろそろ着くよ」

口を開く前にグレンから声が掛かり、問うタイミングを失した。
しかし、仮に出来たとしても、真面に返事がかえる事は期待できない。

「…随分と早いお越しですね。いつ知ったのですか?」

「あー、まあ。その辺はね?突っ込まないでくれるかな」

怪訝な顔で問い詰めてきたグレンに、苦笑しながら言葉を濁し、聞いてくれるなと誤魔化す。

グレンは、眉根を寄せて何か言いたげだが、それでも仕方なさそうな嘆息1つで済ませてくれた。

「では、おもてなしのお茶を用意してきます」

「その必要はないよ。恐らく、早々に引き揚げて長居はしないだろうしね」

「そういう問題ではありません。お茶も出さないのは、失礼な対応になります。この宮の質を、疑われかねないのですよ?」

「薬師長なら、気にも止めないのにか?」

「誰に対しても同じ対応の方が、無難なんです。例外を設けない方が、良いこともありますから」

お茶を用意すると言われ、不要だろうと断れば、咎めるように首を振られた。

対応に差をつけてはいけないのは、何となく理解できるが、そこまでかというのが、素直な感想だ。
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