6 / 16
俺と我が家の食材と降臨する姉
しおりを挟む
「それより、明後日からの学校はどうするのさ。」
真剣な表情でそんなことを言うヒデに、俺は意味が分からず首を傾げた。
明後日からの学校はどうするか?って意味が分からないんだが?なんか学校行事でもあったか?
「いや、今の皐月は女の子なんでしょ?それなら色々問題が起きるんじゃない?制服とか体育のときの更衣とか。」
「あー、制服は姉がなんとかするって電話してきただけだからなんとも言えねえなぁ。」
「あ、家族にはもう言ってあるんだ。そりゃそうだよね、家で準備してたら嫌でも鉢合わせるもんね。」
「あ、あぁ!そうだな!色々としてたからな!うん!」
危ねえ、俺の家庭状況がバレるところだった……。
親が単身赴任で一人暮らしとか、コイツら絶対心配するだろうし言えねえよな。
少し挙動不審だったけど、ヒデは少し不思議そうにするだけだしバレてはないだろうな。
「ところでさ。いつ聞こうか迷ってたんだけど、聞いてもいいかな?」
「なにを?」
「女の子になった原因に心当たりは?」
「……朝起きてたらいつの間にかなってたから。」
いや、多分あの腐った弁当だと思うけど。よく考えたらご近所さんから貰った食材に、なんかよく分からないキノコ入ってたし。俺にとっては食えればいいって感じだったし、ご近所さんも「一応食べれるから大丈夫だよ。腐らせないようにね!」とか言ってたし、大丈夫だとは思ったんだが……。
「いや、間があったってことは心当たりあるでしょ。」
「…………とう。」
「ん?ごめん、もう少し大きい声で言ってくれる?」
「だー!昨日の弁当だよ!家帰って見たら案の定腐ってたけど、食ったんだよ!悪いか!」
「なんで逆ギレされるの!?というか腐ってたなら食べちゃだめでしょ!?家に帰ってきてるんだからなにか作りなよ!」
「だから朝も言ったろうが!食材がないんだよ!」
「それ聞いたの昼だよ!あとやっぱり、家に食材ないのはおかしいよ!?」
いいんだよ、帰りに買いに行くんだから。ヒデのおかげで金が浮いて、今月もなんとか持ち直せようだぜ。心の中で感謝しておこう。本人には言えないけどな。
俺は最後に残していたイチゴを口に運びながら、「とりあえずモヤシを買い貯めないとだな」と思った。砂糖とか塩とかの調味料はまだ残ってるから、買わなくていいだろ。
カフェラテを最後の一滴まで飲み干すと、俺は席を立った。
「それじゃ、奢ってくれてありがとな?今日はやることがあるから、俺もう帰るわ。」
「え、うん。それじゃあまた学校でね?」
「おう、じゃあな!」
俺はそう言ってカフェを出ると、行きつけのスーパーまで行くことにした。あそこは安売王の名に反さず、他のスーパーより安いからな。若干だけど。
えーっと残金は……8000円か。割りと大金持ってたな。いつものあのセットが200円だから、あれを40セットも食べれるのか。なんだ、天国じゃないか。
でもモヤシの方が絶対量が多いよな……。我慢するしかないのか……。
いや、よく考えたら作戦のために水着を買うお金が必要じゃないか!?しかもプール代も必要だと!?これじゃあ折角のお金が足りないぞ!?
くっ、こんな落とし穴があるとは……。
結局俺は1000円分のモヤシを買って、家に帰った。それでもビニール袋1枚にギチギチに入っているんだがな。
――――――――――――――――――――――――――
家に帰ると、なぜか玄関の鍵が開いていた。
「あれ?俺閉めてきたはずなんだが?」
急いでたし、閉め忘れたとかか?それとも空き巣に入られてしまった……とか?いや、空き巣が入っても問題ないな。盗られて困るような物はこの家に1つもないからな、貧乏すぎて。
家の中に入ると、俺のじゃない靴が置いてあった。あー、察した。侵入してきたな。
そこまで考えてから、リビングから弾丸のような速度で侵入者が俺に向かって飛びついてきた。
「サツキー!」
「帰って来てたのか、姉。」
「おっ、やっぱサツキだったのか!可愛くなったなー、このっこのっ!」
「とりあえずそのウザ絡みを止めて離れろ。」
「仕方ないなー。」
このウザいやつが俺の姉、遠野睦月だ。
男っぽい口調とは裏腹に、きめ細やかな肌にサラサラしているのが見て分かる黒髪の腰まで伸びたロング、茶色の瞳は大きく、軽くだが化粧もしている、すれ違った人が思わず振り返ってしまうような美女だ。しかもナイスバディで運動ができ、勉強も最後まで1位をキープしていた。
神は二物を与えたらしい。その代わり俺には一つもくれなかったがな……。やめよう、悲しくなる。
要約すると、遠野睦月はすれ違った人がその美貌に振り返り、その口調でもう一度振り返ってしまう、ナイスバディな姉だ。うん。
ガシッ!
「……あの、姉?」
「それで、説明してもらおうか?なんでこんなことになったのかを、もう一度な。」
「いや、それはいいんだけどアイアンクローは必要な……痛い痛い!?ヤメロォォォォ!?」
「知るか!心配させた罰だ!甘んじて受けろ!」
「いや、潰れるから!?頭が潰れるから!頭の形がおかしくなるってばー!?」
真剣な表情でそんなことを言うヒデに、俺は意味が分からず首を傾げた。
明後日からの学校はどうするか?って意味が分からないんだが?なんか学校行事でもあったか?
「いや、今の皐月は女の子なんでしょ?それなら色々問題が起きるんじゃない?制服とか体育のときの更衣とか。」
「あー、制服は姉がなんとかするって電話してきただけだからなんとも言えねえなぁ。」
「あ、家族にはもう言ってあるんだ。そりゃそうだよね、家で準備してたら嫌でも鉢合わせるもんね。」
「あ、あぁ!そうだな!色々としてたからな!うん!」
危ねえ、俺の家庭状況がバレるところだった……。
親が単身赴任で一人暮らしとか、コイツら絶対心配するだろうし言えねえよな。
少し挙動不審だったけど、ヒデは少し不思議そうにするだけだしバレてはないだろうな。
「ところでさ。いつ聞こうか迷ってたんだけど、聞いてもいいかな?」
「なにを?」
「女の子になった原因に心当たりは?」
「……朝起きてたらいつの間にかなってたから。」
いや、多分あの腐った弁当だと思うけど。よく考えたらご近所さんから貰った食材に、なんかよく分からないキノコ入ってたし。俺にとっては食えればいいって感じだったし、ご近所さんも「一応食べれるから大丈夫だよ。腐らせないようにね!」とか言ってたし、大丈夫だとは思ったんだが……。
「いや、間があったってことは心当たりあるでしょ。」
「…………とう。」
「ん?ごめん、もう少し大きい声で言ってくれる?」
「だー!昨日の弁当だよ!家帰って見たら案の定腐ってたけど、食ったんだよ!悪いか!」
「なんで逆ギレされるの!?というか腐ってたなら食べちゃだめでしょ!?家に帰ってきてるんだからなにか作りなよ!」
「だから朝も言ったろうが!食材がないんだよ!」
「それ聞いたの昼だよ!あとやっぱり、家に食材ないのはおかしいよ!?」
いいんだよ、帰りに買いに行くんだから。ヒデのおかげで金が浮いて、今月もなんとか持ち直せようだぜ。心の中で感謝しておこう。本人には言えないけどな。
俺は最後に残していたイチゴを口に運びながら、「とりあえずモヤシを買い貯めないとだな」と思った。砂糖とか塩とかの調味料はまだ残ってるから、買わなくていいだろ。
カフェラテを最後の一滴まで飲み干すと、俺は席を立った。
「それじゃ、奢ってくれてありがとな?今日はやることがあるから、俺もう帰るわ。」
「え、うん。それじゃあまた学校でね?」
「おう、じゃあな!」
俺はそう言ってカフェを出ると、行きつけのスーパーまで行くことにした。あそこは安売王の名に反さず、他のスーパーより安いからな。若干だけど。
えーっと残金は……8000円か。割りと大金持ってたな。いつものあのセットが200円だから、あれを40セットも食べれるのか。なんだ、天国じゃないか。
でもモヤシの方が絶対量が多いよな……。我慢するしかないのか……。
いや、よく考えたら作戦のために水着を買うお金が必要じゃないか!?しかもプール代も必要だと!?これじゃあ折角のお金が足りないぞ!?
くっ、こんな落とし穴があるとは……。
結局俺は1000円分のモヤシを買って、家に帰った。それでもビニール袋1枚にギチギチに入っているんだがな。
――――――――――――――――――――――――――
家に帰ると、なぜか玄関の鍵が開いていた。
「あれ?俺閉めてきたはずなんだが?」
急いでたし、閉め忘れたとかか?それとも空き巣に入られてしまった……とか?いや、空き巣が入っても問題ないな。盗られて困るような物はこの家に1つもないからな、貧乏すぎて。
家の中に入ると、俺のじゃない靴が置いてあった。あー、察した。侵入してきたな。
そこまで考えてから、リビングから弾丸のような速度で侵入者が俺に向かって飛びついてきた。
「サツキー!」
「帰って来てたのか、姉。」
「おっ、やっぱサツキだったのか!可愛くなったなー、このっこのっ!」
「とりあえずそのウザ絡みを止めて離れろ。」
「仕方ないなー。」
このウザいやつが俺の姉、遠野睦月だ。
男っぽい口調とは裏腹に、きめ細やかな肌にサラサラしているのが見て分かる黒髪の腰まで伸びたロング、茶色の瞳は大きく、軽くだが化粧もしている、すれ違った人が思わず振り返ってしまうような美女だ。しかもナイスバディで運動ができ、勉強も最後まで1位をキープしていた。
神は二物を与えたらしい。その代わり俺には一つもくれなかったがな……。やめよう、悲しくなる。
要約すると、遠野睦月はすれ違った人がその美貌に振り返り、その口調でもう一度振り返ってしまう、ナイスバディな姉だ。うん。
ガシッ!
「……あの、姉?」
「それで、説明してもらおうか?なんでこんなことになったのかを、もう一度な。」
「いや、それはいいんだけどアイアンクローは必要な……痛い痛い!?ヤメロォォォォ!?」
「知るか!心配させた罰だ!甘んじて受けろ!」
「いや、潰れるから!?頭が潰れるから!頭の形がおかしくなるってばー!?」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる