俺とTSと無口系男子〜幼馴染二人を早くくっつけたい〜

自信だけはある白豚

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俺と家族と制服

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「なるほど。わたしが念願の一人暮らしを始めたばかりだったのに、それを壊すのは忍びなかった。ということか。」
「はい……。」

結局親の単身赴任のことから全て話してしまった。だって痛かったんだよ。一応さっき鏡で確認して大丈夫だったけど、ホントに頭凹んでたりしないよな?
頭が変形していないか心配していると、強めのチョップをされた。

「いった!?バカ姉!?やっぱり俺の頭を壊そうとしてんだろ!?やめ……。」
「バカはお前だ……。」

姉はそう呟いて俺を抱き締めた。その肩は少し震えている。なんだ、怒ってるのか?背骨でも折られるのか?
しかし姉の声はどこか弱々しかった。

「わたしのことを考えてくれたのは嬉しい。嬉しいが、わたしは家族のことも大事なんだ。だから頼ってくれていいんだ。」
「姉……。」
「お袋たちも言っていたぞ。皐月はなんだかんだわたしと暮らしているだろうから、最低限しか食費を送ってなかったって。」
「最低限ですらなかったんだが……。」
「皐月が女の子になったって聞いたときは寝耳に水だったし、お袋たちもわたしがお袋たちの状況を知らないってことを知らなくて驚いていたぞ。」

確かに……俺が姉に言っておくって言っちまったからな。母さんたちには悪いことをしたかもなぁ。
ん?というか待て。

「それならなんで母さんは、姉に電話したんだ?」
「わたしと皐月が一緒に暮らしていると思ったからだろう。お袋に返事しなかったんだろ?それでこっちに来たんだろう。まあ、第一声が『皐月ちゃんが皐月ちゃんになったって本当なの!?』だったが。」
「母さん……。」

常々残念な人だとは思っていたが、そこまで残念だったとは……。あの姉まで遠い目をしているぞ。
あの人やっぱりどっかおかしいだろ。

「とにかく、これからは報告・連絡・相談を忘れるな…。お願いだから。」
「……分かったよ、何かあったらちゃんと報告する。」

強めに抱き締められながら涙ぐんだ声でそんなこと言われたら、俺は頷くしかないじゃないか。
あ、そうだ。言わなきゃいけないことがあったんだった。

「姉。」
「なんだ?」
「俺今度いつものメンバーで遊びに行くから。」
「雄人君と明日香ちゃんと秀彦君とでか?」
「おう、みんなで水着買いに行ってプールに行ってくる予定だ!まだ未定だけど。」
「……皐月、それはどういうことか分かっているのか?」

ん?なんか姉の様子がおかしいな?少し前に見たヒデみたいだ。羞恥心がどうのこうのとか言っていたけど、アイツたまにおかしいからなぁ。

「皐月、よーく考えてみろ。お前は今女だが、元は男だ。ここまではいいな?」
「ああ、そうだな?それがどうした?」
「気付いてないのか……。それともそこまでして女子の更衣を見たいのか……。いや裸が見たいのか……?」
「ハッ!?確かにそれはマズイのでは!?」
「あぁ、やっぱ気付いてなかったのか。」

確かに俺は元男だ……。そんなやつが、女子更衣室なんていう秘密の花園に入ってしまったら……正体がバレた瞬間殺されるのでは!?うーむ、一大事な気がしてきた。やっぱり止めるべきか?というかヒデはそういうことを言いたかったのか。できればその場で言ってほしかったんだが、アイツには難しいか?
いや、でもあの二人の関係を進める上でこの作戦は効果が高いって言うのもまた事実なわけで……。
……うん、俺はもう女だし男に戻る方法もないしな。それに女体よりもアイツ等をくっつける方が優先だろ。

「いや、やっぱり俺はプールに行く。しっかりとした理由があるんだよ。」
「しっかりとした理由?女体が見たいとかではなく?」
「黙れ。実はかくがくしかじかでな。」
「ほう?」
「伝わったか?」
「ああ、皐月がわたしをおちょくっているということが伝わったぞ。」
「伝わってねえ!?」

まあ、かくがくしかじかで伝わるのなんてゲームや小説の中だけだしな。
結局俺は雄人と明日香がお互いにお互いを想っているのに付き合っていないこと、その二人の仲を取り持つためにヒデと二人で色々と今までしていたこと、そして作戦が尽く失敗してしまって新しい作戦として水着を選んでプールに行くことにしたことを説明した。
姉はそれを興味深そうに聞いていた。
そして俺の説明を聞いて少し考えると、口を開いた。

「なるほど、秀彦君に皐月の水着姿を見てもらうついでに、二人の仲を取り持つことにしたわけか。」
「どんな解釈違いしてんだ、バカ姉。」
「あれ?そういう話じゃなかったか?」
「姉に言った俺が間違いだった……。」

この姉は頭のネジが3つほど吹っ飛んでいるならな。こうなるのは予想できたはずだ。なんか目をキラキラさせてるし、恋バナなら他所でやってくれ。俺とヒデをそこに加えないでくれ、マジで。
あ、そういえばヒデで思い出したぞ。

「姉。今思い出したんだが、制服はどうなるんだ?」
「露骨に話を逸らすところがまた怪しいな……。」
「だめだ、話にならねえ……。」
「あ、制服だったな?もう皐月の部屋に置いてあるぞ。」
「サイズ合うのか……?」
「安心しろ、皐月が制服を作るために採寸されたときお袋が間違って注文してしまったものだからな。少し大きいかも?くらいで済むはずだ。」

母さん……なんで自分の子どもの性別を間違えたんだ。
ちなみに試着してみると、本当に少し大きいくらいだった。多分、3年着続ければいいくらいの大きさになるだろうな。
その後は姉指導の下、女の子のお風呂の入り方とお手洗いの仕方を懇切丁寧に教えてもらった。流石に恥ずかしかったが、なんとか乗り切った。あと女の子は色々面倒くさいんだなって思った。
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