俺とTSと無口系男子〜幼馴染二人を早くくっつけたい〜

自信だけはある白豚

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俺と寝坊と可愛い担任

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「ハァ……ハァ……。」

俺は今通学路を一人で全力疾走している。それも、女子制服で。いや、今は女子なんだから当たり前なんだが。
ちなみに今通学路には俺以外の生徒は居らず、居るのはお散歩中のお爺さんとかなんか項垂れてるサラリーマンとか野良犬、野良猫、野良チンパンジーの類くらいだ。
それもそのはず、なぜなら……。
俺は寝坊して遅刻してしまっているからな!
まったく誇れないぜ!

いや、言い訳をさせてほしい。俺だって流石にいきなり「女の子になっちゃいました。」って言って、そのまま登校するのはどうかと思って昨日先生たちに言ったんだよ。そしたら説明を何度も繰り返す羽目になって、疲れちゃったんだよ。あとなんだかんだ言いつつ、俺を俺だって認識してくれた先生たちの様子に安心して気が抜けたってのもある。
そして昨日の夜、流石に疲れてるしすぐに寝ようとしたんだが、「クラスの連中にどうやって説明しようか」とか「まず信じるのか?」とか色々考えてたら不安になっちゃったわけですよ、はい。結果寝るのが遅くなって寝坊した。姉も昨日向こうに帰ったから、起こす人も居らず久々にゆっくりと寝てしまった。

まあ、時計を見らずに準備していたのが余計に駄目だったんだろう。今朝のラジオニュースで、「奥恋動物園のチンパンジー脱走事件」の話とか呑気に聞いてるべきじゃなかった!家出てスマホの時間チェックしてから気付いたわ!
こんなときテレビだったら、左上とかに時間が書いてあるのに……。電気代節約とか言ってる場合じゃなかったか。

ちょっとばかし後悔していると、やっと学校に着いた。スマホの時計は10時半を指していた。
大丈夫だ、遅刻が発覚してすぐに学校に連絡したからな。その時にはもう1時間目が始まって数十分経っていたが。今の時間なら……2時間目があと少しで終わるくらいか。

「ふぅー……。とりあえず職員室に行かねえとな。」

昇降口の自分の下駄箱から、上履きを取り下靴を入れた。
足のサイズが変わっていなかったことに関しては、楽ができると喜ぶべきなのか、男のときから小さかったことを思い出して悲しめばいいのか。

俺が通っている奥恋市立奥恋高校はここら辺では比較的いい高校で、自称ではあるものの進学校だ。
クラスは一学年大体6クラスで、1組は理数科クラス、2組は人間文化クラス、他の4クラスが普通科クラスだ。2年生からは更に普通科で文系・理系のクラスに別れるらしい。
本棟、教室棟、特別棟、体育館、あと部室棟と敷地内に5つの建物があり、部室以外は2階の連絡廊下で繋がっている。ちなみに今俺が向かっている職員室は、本棟の2階になる。あ、昇降口は教室棟な。

とりあえず昇降口から一度外に出て、職員玄関の方から本棟に入る。教室棟から2階を経由して行くと、授業の邪魔になるかもだからな。
俺は職員室の扉の前に着くと、扉を4回ノックした。2回はトイレ、3回は親しい仲でするやつだってこの前雄人が言っていた気がする。4回ノックは公的場所なんだそうな。本当かどうかは知らない、雄人に聞いてくれ。多分「ネットで書いてたからな!」とか返してくるから。
おっと、扉を開けてっと。

「えー、1年5組の遠野皐月です。今登校しました。」
「あー、遠野君か。小鳥遊先生なら今授業中だよ?」
「いえ、遅刻してしまった報告で来ただけですから。」
「はい、じゃあ入出許可証を……いや、もうこの時間ならいっそ3時間目から受けていいんじゃないかな?」
「え?」

職員室の壁にかかった時計を見ると、いつの間にか10時39分になっていた。2時間目は40分に終わるので、確かに3時間目から受ける方が……というかどう頑張っても残り1分じゃ教室に行けないから、3時間目から受けざるを得ないって感じじゃね?
最近、一コマの時間を短めにして、もう一コマ増やしてるからな。おかげで授業の終わりがこんな中途半端な時間になってしまっているが、生徒側からしたら授業が短い分普通に助かるだけだ。

最近のことを少し考えていたら、1分なんてあっという間だった。いい加減聞き慣れたチャイムの音を耳にして、職員室から退出する。「失礼しました」と礼は忘れない。嘘だ、偶に忘れる。
そして教室へと足を運ぶ……途中で幼女とあった。

「あ、やっと来たんですか、遠野さん……じゃなくて、君!遅刻ですよ、プンプン!」
「いや、言いやすい方でいいですよ小鳥遊先生。あと怒り方が可愛すぎて怖くないです。」
「な、なにおう!そんなことを言う悪い子には、机の上に今日の授業プリントを置く嫌がらせをしてあげましょうか?」
「先生、それ渡さない方が嫌がらせになってますし、仮にも教師なら生徒に嫌がらせをしないでください。」

この目の前の幼女が、俺の担任である小鳥遊唯たかなしゆい先生だ。一応言っておくが、しっかり成人していれば結婚もしている。子どもはまだらしいが。見た目は完全に幼女だし、何もないところでもよく転ぶしで、みんなから温かい目で見られていることが多い茶色のミディアムヘアーをした先生である。
遅刻したことを怒られたが、怒り方が単純に可愛い。腰に両手を当てて頬を膨らませて、「プンプン」とか幼女が言っているところを想像してほしい。怖くないだろ?むしろ微笑ましいし、可愛いだろ?多分旦那さんはロリコ……いや、これは言う必要ないだろ。

「とりあえず遠野さんのことは、遅刻してくるとしか言っていないのですが……。」
「あー、ちょっと不安ですけど多分なんとかなりますよ、多分。」
「あっ、次の授業5組なので私も一緒に行きますね。」

先生は俺と一緒に行くことにしたらしい。
先生は「ちょっと待っていてください。」とだけ言って、職員室に入ると2分ほどで出てきた。

「アイタッ!?」

そして俺の方に向かう途中で盛大に転んだ。
何してるんだろうね、あの人は。
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