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第7話:調教後と解放
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3人を揃えると、スフィアの明らかに怯えた目を私に向けて来たことにエレンとローズが眉根を寄せる。
既に「復讐する」と言った私の発言から、エレン、ローズがそれぞれやられていたこととは違うことをやられていることは察することが出来る。
そして、今度は何をされるのか不安になっているのだろう。
スフィアは震える声で私に問いかける。
「あ、あの、私、私だけ、また……」
「何をされたかこの場で言えば、比では無い私の感情をその身に教えるけど?」
「いえ、あの、ごめんなさい、それだけは、どうかそれだけは許して下さい!」
「スフィア、どうしたのです!? 何をされたのですか!? 貴女、スフィアに何を――」
「エレン様、どうか、どうか彼女のことを刺激しないでください! 私が、私が悪いのです、だから、どうか……」
たった1度の拷問だけで、すっかりスフィアは従順になってくれた。
それに比べてエレンとローズはまだまだ抵抗出来るようだ。
「ここの部屋は鍵を掛けるけど、貴方達の拘束は一旦解かせてもらうわ。そこで逃げる為に策を講じるも良し、と言っても他に何が選べるか分からないでしょうけど。あ、それとも扉、開けとく?」
「いいえ、結構です。私達もそこまで愚かではありません」
「あらそう、じゃあその扉を開けておくから、スフィアには『愛している』とでも言っておいてあげなさい。私はもう行くわ」
「待ってください! お願いです! 私も連れていってください!」
スフィアは必死に私に懇願する。
恐らく目の届かない所で勘違いされて、再び拷問をされることを恐れているためだろう。
だから私はそっと彼女を抱き締める。
「言った言わないに限らず何をされたのかに触れた言葉が出れば、次は何で貴女をいじめようかしら……」
「ひっ……!!」
スフィアにしか届かない言葉。
私はそう言うと部屋を出る。扉は開けて、3人の拘束も解いた状態で。
さぁ、後は3人次第だ。
監視蟲、極小さな感覚を共有しやすい蟲を部屋に置き何をしているかを監視することの出来る蟲。
さて、私が居ない部屋で彼女達は何をするのかしらね。
「エレン様、スフィアはこんな状態ですが、拘束も扉も開いている今、逃げるのが得策じゃないですか?」
「いいえ。私達が逃げれば私達は必ずこのことを家に報告する。無断外泊状態で何も話さない訳にも行かないですもの。それが分かっていて、門扉を開くわけがないでしょう。これは罠よ」
「罠だらけの公園で捕らえられた我々が、やつのホームで逃げ果せることは難しい……か。スフィア、お前、一体あの女に何をされたんだ?」
「え? いえ、その、ごめんなさい、何も、何も言えないの……」
エレン、ローズ、スフィアは話し合う。しかし、そこまで話し合っても結局結論は出なかった。
そして、扉がノックされる。
私は扉越しに声を掛ける。
それはただ単に嫌がらせだ。
彼女達が何に悩み苦しんでいるかを十分に理解した上での行動だ。
「一応食事は持ってきてあげたわよ。貴族様の舌に、私の手料理は合わないでしょうから、残飯を食べる気分で食べなさい」
「……誰が貴女の食事に手をつけるものですか。毒が入ってるかも知れないのに」
「別に良いけど。毒で死ぬのも、飢餓で死ぬのも。ただ、長生きしたければ食べなさい」
「エレン様、毒見は私がするから、毒が無ければ食べて下さい」
そう言ってローズは恐る恐るスープを口にして、そして目を見開く。
それから私の方に視線を向けた。
「ローズ!? 毒なの!? 毒が入っていたの!?」
「いえ、これ、普通に美味しい」
「あら、舌の分かる貴族で良かったわ。さ、毒見も終わったのだからさっさと貴女達も食べなさい」
そう言って私は食事を置いてそのままその場を去った。
しかし、私が部屋から離れた途端に、エレンがスープを掬って、それを嗅ぐ。
そして安全を確認するとそのまま口に運んだ。
驚きに目を見開く、それだけを見て、今度こそ私はその場を後にした。
「さて、それにしてもどうする? 殺す気は無いにしても、このままだとジリ貧だ」
「そうね……」
エレンは深く考える。そして――
「出ましょう」
「良いんですか? さっき自身で言ってたでしょう。このまま逃げられるとは思えないって」
「えぇ。だから逃げる為に出るんじゃなくて、この外を見る為に出るのよ。どの道此処で燻っていても何も変わらないなら、出ることで何かが分かるかもしれない。例えばあの性悪女のことですもの、逃げられない様にあからさまなトラップやら魔物やらを侍ていてもおかしくないでしょう」
「なるほど、それを見る為にと言う事か。スフィアはどうする?」
「わ、たしは……」
スフィアは迷う。しかし、このまま此処にいても何も変わらないことは分かっているのだ。
だから――
彼女達も覚悟を決めたようだ。
彼女達がその結論を出したのなら、後は私がやるべきことは1つだけだ。
私は部屋に入り、食事を下げて行く。
「貴女、私達をどうする気なの?」
「どうとは?」
「食事を与えるなら殺す気では無いのでしょう。拘束も解いて門扉も開けて、私達が出て行けば、困るのではございませんこと?」
「それは私のセリフよ。その下着姿、お腹には性奴隷の紋様。私を捕えて殺せば、寧ろ困るのは貴女達でしょう」
エレンとローズはその言葉に顔を赤く染める。
それはそうだ。貴族が性奴隷の格好をして、その紋様を刻まれているのだから、これ以上無いほど恥ずかしいだろう。
そんな状態にもかかわらず、まだ私の上に立とうとするあたり、彼女達も諦めが悪いようだ。
しかし、そこまで開き直って私に口答え出来るほど、彼女達は冷静ではなかった。
私の言葉に赤面したまま押し黙るエレンとローズ。
私はそんな2人に問いかける。
今回のお仕置きはこれでお終い、でもこれからの調教は終わらないから覚悟なさいね、と。
3人は逃げる様にしてその場を走り去っていった。
既に「復讐する」と言った私の発言から、エレン、ローズがそれぞれやられていたこととは違うことをやられていることは察することが出来る。
そして、今度は何をされるのか不安になっているのだろう。
スフィアは震える声で私に問いかける。
「あ、あの、私、私だけ、また……」
「何をされたかこの場で言えば、比では無い私の感情をその身に教えるけど?」
「いえ、あの、ごめんなさい、それだけは、どうかそれだけは許して下さい!」
「スフィア、どうしたのです!? 何をされたのですか!? 貴女、スフィアに何を――」
「エレン様、どうか、どうか彼女のことを刺激しないでください! 私が、私が悪いのです、だから、どうか……」
たった1度の拷問だけで、すっかりスフィアは従順になってくれた。
それに比べてエレンとローズはまだまだ抵抗出来るようだ。
「ここの部屋は鍵を掛けるけど、貴方達の拘束は一旦解かせてもらうわ。そこで逃げる為に策を講じるも良し、と言っても他に何が選べるか分からないでしょうけど。あ、それとも扉、開けとく?」
「いいえ、結構です。私達もそこまで愚かではありません」
「あらそう、じゃあその扉を開けておくから、スフィアには『愛している』とでも言っておいてあげなさい。私はもう行くわ」
「待ってください! お願いです! 私も連れていってください!」
スフィアは必死に私に懇願する。
恐らく目の届かない所で勘違いされて、再び拷問をされることを恐れているためだろう。
だから私はそっと彼女を抱き締める。
「言った言わないに限らず何をされたのかに触れた言葉が出れば、次は何で貴女をいじめようかしら……」
「ひっ……!!」
スフィアにしか届かない言葉。
私はそう言うと部屋を出る。扉は開けて、3人の拘束も解いた状態で。
さぁ、後は3人次第だ。
監視蟲、極小さな感覚を共有しやすい蟲を部屋に置き何をしているかを監視することの出来る蟲。
さて、私が居ない部屋で彼女達は何をするのかしらね。
「エレン様、スフィアはこんな状態ですが、拘束も扉も開いている今、逃げるのが得策じゃないですか?」
「いいえ。私達が逃げれば私達は必ずこのことを家に報告する。無断外泊状態で何も話さない訳にも行かないですもの。それが分かっていて、門扉を開くわけがないでしょう。これは罠よ」
「罠だらけの公園で捕らえられた我々が、やつのホームで逃げ果せることは難しい……か。スフィア、お前、一体あの女に何をされたんだ?」
「え? いえ、その、ごめんなさい、何も、何も言えないの……」
エレン、ローズ、スフィアは話し合う。しかし、そこまで話し合っても結局結論は出なかった。
そして、扉がノックされる。
私は扉越しに声を掛ける。
それはただ単に嫌がらせだ。
彼女達が何に悩み苦しんでいるかを十分に理解した上での行動だ。
「一応食事は持ってきてあげたわよ。貴族様の舌に、私の手料理は合わないでしょうから、残飯を食べる気分で食べなさい」
「……誰が貴女の食事に手をつけるものですか。毒が入ってるかも知れないのに」
「別に良いけど。毒で死ぬのも、飢餓で死ぬのも。ただ、長生きしたければ食べなさい」
「エレン様、毒見は私がするから、毒が無ければ食べて下さい」
そう言ってローズは恐る恐るスープを口にして、そして目を見開く。
それから私の方に視線を向けた。
「ローズ!? 毒なの!? 毒が入っていたの!?」
「いえ、これ、普通に美味しい」
「あら、舌の分かる貴族で良かったわ。さ、毒見も終わったのだからさっさと貴女達も食べなさい」
そう言って私は食事を置いてそのままその場を去った。
しかし、私が部屋から離れた途端に、エレンがスープを掬って、それを嗅ぐ。
そして安全を確認するとそのまま口に運んだ。
驚きに目を見開く、それだけを見て、今度こそ私はその場を後にした。
「さて、それにしてもどうする? 殺す気は無いにしても、このままだとジリ貧だ」
「そうね……」
エレンは深く考える。そして――
「出ましょう」
「良いんですか? さっき自身で言ってたでしょう。このまま逃げられるとは思えないって」
「えぇ。だから逃げる為に出るんじゃなくて、この外を見る為に出るのよ。どの道此処で燻っていても何も変わらないなら、出ることで何かが分かるかもしれない。例えばあの性悪女のことですもの、逃げられない様にあからさまなトラップやら魔物やらを侍ていてもおかしくないでしょう」
「なるほど、それを見る為にと言う事か。スフィアはどうする?」
「わ、たしは……」
スフィアは迷う。しかし、このまま此処にいても何も変わらないことは分かっているのだ。
だから――
彼女達も覚悟を決めたようだ。
彼女達がその結論を出したのなら、後は私がやるべきことは1つだけだ。
私は部屋に入り、食事を下げて行く。
「貴女、私達をどうする気なの?」
「どうとは?」
「食事を与えるなら殺す気では無いのでしょう。拘束も解いて門扉も開けて、私達が出て行けば、困るのではございませんこと?」
「それは私のセリフよ。その下着姿、お腹には性奴隷の紋様。私を捕えて殺せば、寧ろ困るのは貴女達でしょう」
エレンとローズはその言葉に顔を赤く染める。
それはそうだ。貴族が性奴隷の格好をして、その紋様を刻まれているのだから、これ以上無いほど恥ずかしいだろう。
そんな状態にもかかわらず、まだ私の上に立とうとするあたり、彼女達も諦めが悪いようだ。
しかし、そこまで開き直って私に口答え出来るほど、彼女達は冷静ではなかった。
私の言葉に赤面したまま押し黙るエレンとローズ。
私はそんな2人に問いかける。
今回のお仕置きはこれでお終い、でもこれからの調教は終わらないから覚悟なさいね、と。
3人は逃げる様にしてその場を走り去っていった。
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