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第7話
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マリから、チカラと僕を守るもの。
ネット監視からプライバシーを守るもの。
それは暗号。
暗号という情報の入れ物。
暗号はいい事にも悪いことにも使える。
悪意がなくても相手が傷つくこともある。
そもそも悪意なんて主観的なものだし。
暗号の使い方を規制するなんてナンセンスだ。
使う人も選ばない。
悪人も善人も平等に守る。
暗号は技術だ。
そして技術は中立だ。
そう、暗号と言えども一つの技術、道具にしか過ぎない。
ただ時に技術は人を傷つける目的にも使われる。
だから僕は自分を守るためにしか暗号を使わない。
僕は囮の通信データを使ってマリを調べた。
マリだったら僕とチカラのデータを欲しがるはずだ。
そのデータに、パケット発信機を付けたのだ。
発信機をつけるソフトがネットで公開されていたから。
正確には、特定のデータを僕のパソコンに送る小さなプログラムだ。
僕はそのデータがどこから来るのかネットワークモニタを見ながら追っていった。
そしてあるネットワークを最後にパケットの通信が途絶えたことを知った。
蛮族討伐隊のホームページ。
そのサーバはダークウェブ上に存在した。
僕はそのアドレスをコピーして、当局に通報した。
マリがやり取りしたデータを調べた結果、とんでもないことが分かった。
彼らの真のターゲットは僕みたいな真正ゲイ、男にしか反応しないゲイの恋愛を抑制すること。
そのために僕と同じようなゲイの行動を把握し、網にかけることが必要だった。
どうやってマリは僕の情報を調べたのか。
僕はスマホにゲイの出会い系アプリを入れていたから、そこを調べれば僕と誰がどうやって知り合ったのかが分かったはずだ。
一時期有名になった世界的なインターネット監視計画で使われているプログラム、XKEYSCOREというアプリがあるといわれる。
このアプリを使えば、どのようなネットワークにも侵入できるらしい。
まるで映画の世界だ。
もしかするとマリもそれを持っているのではないか?
そう考えれば簡単だった。
つまりマリは暴力主義グループのリーダーだったのだ。
でも、あのアプリを手に入れることができるのは確か政府の要人だけではなかったのか?
そこまでの謎は解けなかった。
証拠が少なすぎる。
通信履歴、通話、データなどを世界中のサーバ、つまりインターネットの物理的実体が、これらの監視システムで一望できるなら、個人のネット上での行動など、いともたやすく把握できるというわけだ。
迂闊だった。
インターネットは公共の空間だ。
つまりインターネットサービスを通じて、僕は自分のプライベートを暴露していたのだ。
なぜ狙われたのか?
公衆衛生上の理由?
少子化対策?
それは分からない。
ゲイだからか?
国家規模の差別?
結婚なんか嫌だ。
子供を作れと言われるなら、精液を飲めと言われたほうがましだ。
オンラインの行動はすべて捕捉される。
二人目の彼氏とは、出会いアプリでよくやり取りをしていた。
でもチカラとの関係は紹介だったから、その追跡を免れた。
普段から見張られてる関係かもしれなかった。
でも、どのみち分かるんだ。
こうして僕の二人目の彼氏は追い詰められ、死んだ。
マリはその場にいながらにして、僕の行動を手に取るように把握していたのだ。
そして最終的には、僕が普段使っているスマホのアプリに関する情報を抜き取った。
マリが唯一手にできなかった情報、僕とチカラの暗号化された会話だけは分からなかった。
それは討伐隊副隊長のスベテも同じだった。
僕たちは一体、何をすればいいのだろう?
ネット監視からプライバシーを守るもの。
それは暗号。
暗号という情報の入れ物。
暗号はいい事にも悪いことにも使える。
悪意がなくても相手が傷つくこともある。
そもそも悪意なんて主観的なものだし。
暗号の使い方を規制するなんてナンセンスだ。
使う人も選ばない。
悪人も善人も平等に守る。
暗号は技術だ。
そして技術は中立だ。
そう、暗号と言えども一つの技術、道具にしか過ぎない。
ただ時に技術は人を傷つける目的にも使われる。
だから僕は自分を守るためにしか暗号を使わない。
僕は囮の通信データを使ってマリを調べた。
マリだったら僕とチカラのデータを欲しがるはずだ。
そのデータに、パケット発信機を付けたのだ。
発信機をつけるソフトがネットで公開されていたから。
正確には、特定のデータを僕のパソコンに送る小さなプログラムだ。
僕はそのデータがどこから来るのかネットワークモニタを見ながら追っていった。
そしてあるネットワークを最後にパケットの通信が途絶えたことを知った。
蛮族討伐隊のホームページ。
そのサーバはダークウェブ上に存在した。
僕はそのアドレスをコピーして、当局に通報した。
マリがやり取りしたデータを調べた結果、とんでもないことが分かった。
彼らの真のターゲットは僕みたいな真正ゲイ、男にしか反応しないゲイの恋愛を抑制すること。
そのために僕と同じようなゲイの行動を把握し、網にかけることが必要だった。
どうやってマリは僕の情報を調べたのか。
僕はスマホにゲイの出会い系アプリを入れていたから、そこを調べれば僕と誰がどうやって知り合ったのかが分かったはずだ。
一時期有名になった世界的なインターネット監視計画で使われているプログラム、XKEYSCOREというアプリがあるといわれる。
このアプリを使えば、どのようなネットワークにも侵入できるらしい。
まるで映画の世界だ。
もしかするとマリもそれを持っているのではないか?
そう考えれば簡単だった。
つまりマリは暴力主義グループのリーダーだったのだ。
でも、あのアプリを手に入れることができるのは確か政府の要人だけではなかったのか?
そこまでの謎は解けなかった。
証拠が少なすぎる。
通信履歴、通話、データなどを世界中のサーバ、つまりインターネットの物理的実体が、これらの監視システムで一望できるなら、個人のネット上での行動など、いともたやすく把握できるというわけだ。
迂闊だった。
インターネットは公共の空間だ。
つまりインターネットサービスを通じて、僕は自分のプライベートを暴露していたのだ。
なぜ狙われたのか?
公衆衛生上の理由?
少子化対策?
それは分からない。
ゲイだからか?
国家規模の差別?
結婚なんか嫌だ。
子供を作れと言われるなら、精液を飲めと言われたほうがましだ。
オンラインの行動はすべて捕捉される。
二人目の彼氏とは、出会いアプリでよくやり取りをしていた。
でもチカラとの関係は紹介だったから、その追跡を免れた。
普段から見張られてる関係かもしれなかった。
でも、どのみち分かるんだ。
こうして僕の二人目の彼氏は追い詰められ、死んだ。
マリはその場にいながらにして、僕の行動を手に取るように把握していたのだ。
そして最終的には、僕が普段使っているスマホのアプリに関する情報を抜き取った。
マリが唯一手にできなかった情報、僕とチカラの暗号化された会話だけは分からなかった。
それは討伐隊副隊長のスベテも同じだった。
僕たちは一体、何をすればいいのだろう?
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