攻撃と確率にステ振りしていたら最強になりました

りっくり

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雪女

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 サクラソウが一面に咲いているフィールドで妖怪を狩り尽くした僕達は次なるフィールドに向かっていた。
 春のフィールドなので、比較的暖かいはずなのにこの場所は凍えるほどの寒さだ。せっかく元気に咲いていた花もカチカチに凍り付いている。

「お兄ちゃん、寒いよぉ~」

 アサガオは体をガタガタさせ、凍えている。

「ちょっと待ってろよ!」

 トモはそう言うとストレージからアイテムを取り出し、アサガオに毛皮のコートを着せる。

「トモ、なんでそんなものを持ってるんだ?」

 僕はトモに問う。

「こういう時があったときのために準備しておいたんだよ! みんなの分もあるから。ほれっ!」

 こんな所でトモの用意周到な性格が役立つとは思ってもいなかった。みんなはトモから毛皮のコートを受け取り着る。これで耐えれそうだ。
 僕達は今、フウラに乗ってこの原因を作っていると思われる妖怪の元に向かっていた。これは確実に雪女の仕業である。

「見えてきた! みんな警戒を頼む!」

 僕はみんなに注意喚起を促した。

「フウラ! 鬼文字!」
「フォッコォォォ!」

 フウラは尻尾で炎の玉を作り出し、雪女に放つ。

「キャァァァァァァァ!」

 雪女は悲鳴を上げる。雪女が悲鳴を上げるとフウラの火の玉が凍りついた。
 先制攻撃を仕掛けようとしたのだが、簡単に塞がれてしまった。

「普通、火の玉を凍らせれないだろっ!」

 と僕は本音を漏らしてしまう。炎を凍らせるなんて不可能だと思っていたからだ。雪女の弱点属性だと思われる炎を凍らせるとなると戦闘がかなり難しいものになると予想される。気を付けて戦わなくては……。
 全員がフウラから降りたので、フウラをしまうと雪女の方を見やる。フウラをしまった訳は幻獣にもいくつかの制限がかかったからだ。幻獣のSPを使い切ってしまうと次に使えるまで三日の時間を要する。さらに幻獣を常に出しておくと少しずつSPが無くなって行ってしまう。だから幻獣をしまって、SPを回復させる必要があるのだ。

「私を見ないでぇぇ!」

 雪女が叫ぶと、ツキナの【アイシクルスピア】みたいに氷の氷柱が出現し、こちらに飛んでくる。

「シールド!」

 ツキナは僕たちを包み込むようにシールドを張り、それを防いだ。僕はツキナに「ナイス!」と言った後、神威《カムイ》を鞘から抜き取り接近する。レジェンダリーウェポンを手に入れてから一度も使ったことがなかったので、今回が初になる。どんな性能なのか少し楽しみだ。

「六明神! 炎!」

 僕は剣に炎を纏わせ、一振り。雪女はそれを氷で作りだ出した槍で受け止めてきた。

「おいおいおい、マジかよ!」

 (なんだ、この氷は!)全く溶ける気配がしない。それにレジェンダリーウェポンを受けとめるとは、予想外のことが立て続けに起こったので、僕は頭に驚愕の色を浮かべた。雪女は低確率で出現するボス級妖怪に違いない。

「見ないでと言ったのに‼」

 どうやら雪女は怒っているようだ。怒らせるべきではなかったのかもしれない……。雪女はそのまま僕の剣を押し戻し、乱れ突きをしてくる。僕はすぐに後方に跳び除いた。

「拙者に任せるがよい!」
「天下無双の剣豪! ムサシが参る!」
 
 僕と入れ替わるように前に出てきた戦国兄弟が雪女に攻撃を仕掛ける。

「二の太刀! そよ風斬り!」

 コジロウはそよ風のように連撃を打ち込む。雪女はそれを的確にさばいていく。(槍の名手か!)と突っ込みたくなるほどの腕だ。コジロウの攻撃をさばききると前方に息を吹きかける。そしてできた氷の塊をコジロウに飛ばす。コジロウはそれを回避するが最後の固まりが当たりそうになったところをツキナが【シールド】で援護する。

「感謝の限りでござる!」
「霧雨!」 

 コジロウがお礼を言った後、後方に下がったので今度はムサシが素早く連撃技を叩き込む。最初は見事にさばいていた雪女もあまりの速さに最後の一撃で後方にのけぞる。

「今でござるよ!」
「任せて!」
「オッケー!」

 ムサシの呼びかけに後方で攻撃の準備をしていたトモとリリが攻撃を叩き込む。

「六明神! 炎!」

 トモは神楽《かぐら》を使い、炎を纏わせた矢を。リリは合体させた銃からレーザーを発射した。二人の攻撃は見事に命中し、雪女のHPを大きく奪う。

「フレイムラーミナ!」

 ツキナはトモとリリが射撃をしていた時に準備をしていた炎の刃を発射する。

「キャァァァァ!」

 雪女はそれを固めるが、固めたときにできた隙を僕とアサガオは逃さなかった。

「分身! 炎撃!」

 アサガオは短剣を水平に振り、炎を発生させる。トモとアサガオのおかげで雪女は火属性やられである継続ダメージを受けることになった。

「六明神! 炎! 雪・月・花!」

 僕は最高威力の攻撃を叩き込む。【属性特攻】の効果も発動しており、一瞬にして雪女のHPを吹き飛ばした。

「みんな、ナイス連携だったよ!」

 僕達は全員でハイタッチを行った。ギルド全員で勝ち取った勝利。僕達は絆を深めた。この後もフィールドを回り着実にポイントを稼いでいく。
 現実世界の時刻がいつの間にか二十時を回っていた。僕達は狩りを引き上げ、クウガで拠点に帰宅していた。空中には地上ほどモンスターはいないので、素早く拠点に帰ることができる。

「今日の成果を確認しましょ!」

 ツキナがそう言うので、全員で今日、稼いだ妖怪ポイントを確認していく。僕が五十ポイント、トモは四十ポイント、リリは三十五ポイント、ツキナは六十ポイント、アサガオは三十ポイントだ。戦国兄弟は二人とも三桁で、ムサシが百一ポイント、コジロウが百五ポイントだった。この二人がダントツである。

「すごいな! ムサシ、コジロウ!」

 僕は二人を褒める。

ムサシ
「ヒビトさん! 褒めていただき、ありがとうございます!」

コジロウ
「今日は頑張りましたからね! お礼に現実世界で今度、ご飯奢ってください!」

 コジロウの予想外の要求に僕は目を白黒させてしまう。ムサシとコジロウの家は僕に家から電車で五十分くらい行ったところにある。もちろん会うことは可能だ。

「僕がかぁ?」
「はい! お願いします」
「あのう……僕お金がないんですが……」

 と断ってみたが、みんなの視線が一斉に集まる。全員、電車で行ける距離に家があるので、家に招待したことがある。その時に家の広さゆえに金持ちのレッテルを張られてしまったのだ。
 確かにお父さんは実業団にいるし、お母さんは売れっ子ライトノベル作家なので、否定はできないが……。みんな曰く親に頼んでみればと言いたいのだろう。みんなの視線が集まった以上、逃げ場がなくなってしまった。

「わ、分かった……頼んでみるよ……」
「ヒビト、さすがだね」

 とリリに言われてしまったが、(逃げ場をなくしたのは、リリ達じゃん!)なんて思っている。結局、僕が全員に奢ることになってしまったのだ……。
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