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第七十七話 サバイバル迷路 一
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ツキナがゲームからログアウトしてから五分が経過した。スリープ状態だったツキナのアバターが息を吹き返したかのように動き出す。どうやら調べ終わったらしい。
「おかえり、ツキナ」
「ただいま、ヒビト。私のアバターをしっかり守っていてくれた?」
「抜かりなくな!」
「ありがと!」
「当たり前だ! へびつかい座のシンボルマーク分かった?」
「分かったわよ! みんなこっちに来て!」
ツキナはみんなを集め、絵の隣に貼られてあった紙と置いてあったボールペンで絵を描く。へびつかい座のシンボルマークは〔U〕と言う文字の真ん中に蛇みたいに波線が入っていた。
「へぇ~。へびつかい座ってこんなマークなんだ」
僕はツキナが描いている絵を見ながら呟く。それと同時にメールが届いた。急いでリンクメニューを開き内容を確認する。
〔ご名答! では大きくアスレチックギミックに絵を描いてみましょう!〕
と言うものだった。アスレチックギミックの大きさは縦横が八メートルくらいで、絵の大きさの二倍ほどある。僕とツキナが代表してへびつかい座のマークをアスレチック上で描くように飛ぶ。「ガチャ」と言う音とともに僕とツキナは絵の目の前に転移させられる。何が起こるのだろうか。
アスレチックギミックが大きな音を立てながら、サイドに開いていく。そして真ん中に出口までつながる大きな橋が架かる。
「おぉ~! すげぇ~!」
みんながそのような感想を同時に言う。さすがは変化の間というべきか、ド派手な仕掛けである。僕達は架かった橋の上を歩いていく。
***
出口を通った後、またしても先程と同じで何もない真っ白な空間に出る。今度もメールが送られて来ているのではないかと思い、すぐにリンクメニューを開く。リンクメニューには〔ギミックを発動しますか?〕と言う通知が届いていた。
ギミックをクリアしないと先に進めないので、迷わず僕は〔発動〕ボタンを押す。真っ白な空間が生き物のように動き出す。揺れが激しすぎて視界が定まらない。そして気づいた時には小屋の中にいた。
「今度はどんなギミックなんでしょうか……武器も無くなっているようですし……」
アサガオが腰のあたりを触りながら言う。言われてみればそうである僕も背中に背負っていたはずの剣が無くなっている。ロストすることはあり得ないので、クリアしたら返ってくるのだろう。武器が無い代わりに剣が七本、食料と水筒らしきものが七つ、用意されていた。さらにこのゲームでは見たことのないゲージが二つ増えているのだ。
「SPゲージの下にあるゲージは何だと思う?」
僕はこのゲームが生まれて初めてなので、他のゲームの知識は全くない。そのためみんなならこれと同じゲージがあるゲームを知っていると思うので、質問したのだ。
「多分これはサバイバルゲームで見かけることがある空腹ゲージと水分ゲージだな!」
この中で一番多くのゲームをプレイしているトモが答えてくれた。
「なるほど」
名前を聞く限り、現実世界と同じ仕様になったみたいだ。腹も減るし、喉も乾くという事みたいだ。もし、二つのゲージが減ったら現実世界と同じ現象が起きるのか、試してみたいと思ってしまった。
「また、壁に絵が貼ってあるわね!」
ツキナが絵を指差しながら言う。今度は星の絵だ。真ん中の明るい星を中心に〔W〕の形をした星や繋がっているように見える七つの星など様々な星が描かれている。
「これは北の空じゃないか?」
僕は絵をしばらく凝視してから言った。繋がっているように見える七つの星が北斗七星で、〔W〕の形をしたものがカシオペア座。そして真ん中に明るく光る星が北極星だとするとしっくりとくる。
「多分そうですね! 北に進めという事なのでしょうか? ここに方位磁針もありますので」
「お兄の意見に一票!」
ムサシは僕の意見に賛同しつつ、絵に込められたメッセージを読み取った。コジロウもムサシの意見が正しいと思っているらしい。
リリ
「きっとそうだね」
トモ
「俺もそう思う」
アサガオ
「私もそうだと思います」
ツキナ
「きっとそうね」
みんなも同意見のようだ。
「よし! じゃあ、北に向かって進もう!」
僕もみんなと同じ答えに至っていたので、掛け声をかけた。トモはこういうゲームをやったことあるみたいなので、トモの意見を取り入れながら進むことにする。僕達は用意されていた荷物を持って、小屋の外に出て行った。
外に出ると地下迷宮にいるとは思えないほどの明るさで、野原が広がっていた。所々にポツポツと一軒家が立っている。
上空に見える太陽みたいなものが何でできているのか、気になるが、どうせ分からないのでスルーする。
「一軒家にヒントになるものや今後、必要なアイテムがあるだろうから寄ってこう」
さすがは色々なゲームをやっているトモ。発言が的確だ。本当に頼りになる。僕達はトモが言った通りにする。
一番近くにあった一軒家に入ると、中には斧とお肉を焼くために必要なグリルが置いてあった。スタート地点の小屋には調理していない肉が置いてあったので、これで調理をして食べろという事なのだろう。斧は今後、何かに使えそうだ。
「へぇ~。こんな感じで食料を調理したり、アイテムを集めたりするんだ」
僕は呟く。トモの言った通りで、どうやらこのギミックは一軒家でゴールのヒントや空腹を満たしたりすることが大切なようだ。
楽しみながら先に進める感じが非常にいい。僕はそんなことを考えながらみんなの肉をツキナと一緒に焼く。
今、気づいたのだが、現実世界と一つだけ違うことがある。それは食料の腐敗時間がない事だ。これはこのギミックをクリアする上で非常に助かる。
「よし! 食べられそうな食料も手に入れたし、先に進もう!」
「おー!」
僕はみんなにそう提案した。みんなの元気のいい返事が返ってくる。僕達は一つ目の一軒家から外に出て、北に進みながら次の一軒家に向かう。
次の一軒家に到着し、中に入ってみたが、調理する物以外は何も無い。
トモいわくそういう家も存在するようだ。それでも一軒家をスルーしてしまった事でヒントが得られなってしまう可能性や必要な物が手に入らなくなってしまうこともあるので、全ての家に寄っていくらしい。何も無かったので、すぐに一軒家から出て、僕達は北に向かって歩いていく。
「おかえり、ツキナ」
「ただいま、ヒビト。私のアバターをしっかり守っていてくれた?」
「抜かりなくな!」
「ありがと!」
「当たり前だ! へびつかい座のシンボルマーク分かった?」
「分かったわよ! みんなこっちに来て!」
ツキナはみんなを集め、絵の隣に貼られてあった紙と置いてあったボールペンで絵を描く。へびつかい座のシンボルマークは〔U〕と言う文字の真ん中に蛇みたいに波線が入っていた。
「へぇ~。へびつかい座ってこんなマークなんだ」
僕はツキナが描いている絵を見ながら呟く。それと同時にメールが届いた。急いでリンクメニューを開き内容を確認する。
〔ご名答! では大きくアスレチックギミックに絵を描いてみましょう!〕
と言うものだった。アスレチックギミックの大きさは縦横が八メートルくらいで、絵の大きさの二倍ほどある。僕とツキナが代表してへびつかい座のマークをアスレチック上で描くように飛ぶ。「ガチャ」と言う音とともに僕とツキナは絵の目の前に転移させられる。何が起こるのだろうか。
アスレチックギミックが大きな音を立てながら、サイドに開いていく。そして真ん中に出口までつながる大きな橋が架かる。
「おぉ~! すげぇ~!」
みんながそのような感想を同時に言う。さすがは変化の間というべきか、ド派手な仕掛けである。僕達は架かった橋の上を歩いていく。
***
出口を通った後、またしても先程と同じで何もない真っ白な空間に出る。今度もメールが送られて来ているのではないかと思い、すぐにリンクメニューを開く。リンクメニューには〔ギミックを発動しますか?〕と言う通知が届いていた。
ギミックをクリアしないと先に進めないので、迷わず僕は〔発動〕ボタンを押す。真っ白な空間が生き物のように動き出す。揺れが激しすぎて視界が定まらない。そして気づいた時には小屋の中にいた。
「今度はどんなギミックなんでしょうか……武器も無くなっているようですし……」
アサガオが腰のあたりを触りながら言う。言われてみればそうである僕も背中に背負っていたはずの剣が無くなっている。ロストすることはあり得ないので、クリアしたら返ってくるのだろう。武器が無い代わりに剣が七本、食料と水筒らしきものが七つ、用意されていた。さらにこのゲームでは見たことのないゲージが二つ増えているのだ。
「SPゲージの下にあるゲージは何だと思う?」
僕はこのゲームが生まれて初めてなので、他のゲームの知識は全くない。そのためみんなならこれと同じゲージがあるゲームを知っていると思うので、質問したのだ。
「多分これはサバイバルゲームで見かけることがある空腹ゲージと水分ゲージだな!」
この中で一番多くのゲームをプレイしているトモが答えてくれた。
「なるほど」
名前を聞く限り、現実世界と同じ仕様になったみたいだ。腹も減るし、喉も乾くという事みたいだ。もし、二つのゲージが減ったら現実世界と同じ現象が起きるのか、試してみたいと思ってしまった。
「また、壁に絵が貼ってあるわね!」
ツキナが絵を指差しながら言う。今度は星の絵だ。真ん中の明るい星を中心に〔W〕の形をした星や繋がっているように見える七つの星など様々な星が描かれている。
「これは北の空じゃないか?」
僕は絵をしばらく凝視してから言った。繋がっているように見える七つの星が北斗七星で、〔W〕の形をしたものがカシオペア座。そして真ん中に明るく光る星が北極星だとするとしっくりとくる。
「多分そうですね! 北に進めという事なのでしょうか? ここに方位磁針もありますので」
「お兄の意見に一票!」
ムサシは僕の意見に賛同しつつ、絵に込められたメッセージを読み取った。コジロウもムサシの意見が正しいと思っているらしい。
リリ
「きっとそうだね」
トモ
「俺もそう思う」
アサガオ
「私もそうだと思います」
ツキナ
「きっとそうね」
みんなも同意見のようだ。
「よし! じゃあ、北に向かって進もう!」
僕もみんなと同じ答えに至っていたので、掛け声をかけた。トモはこういうゲームをやったことあるみたいなので、トモの意見を取り入れながら進むことにする。僕達は用意されていた荷物を持って、小屋の外に出て行った。
外に出ると地下迷宮にいるとは思えないほどの明るさで、野原が広がっていた。所々にポツポツと一軒家が立っている。
上空に見える太陽みたいなものが何でできているのか、気になるが、どうせ分からないのでスルーする。
「一軒家にヒントになるものや今後、必要なアイテムがあるだろうから寄ってこう」
さすがは色々なゲームをやっているトモ。発言が的確だ。本当に頼りになる。僕達はトモが言った通りにする。
一番近くにあった一軒家に入ると、中には斧とお肉を焼くために必要なグリルが置いてあった。スタート地点の小屋には調理していない肉が置いてあったので、これで調理をして食べろという事なのだろう。斧は今後、何かに使えそうだ。
「へぇ~。こんな感じで食料を調理したり、アイテムを集めたりするんだ」
僕は呟く。トモの言った通りで、どうやらこのギミックは一軒家でゴールのヒントや空腹を満たしたりすることが大切なようだ。
楽しみながら先に進める感じが非常にいい。僕はそんなことを考えながらみんなの肉をツキナと一緒に焼く。
今、気づいたのだが、現実世界と一つだけ違うことがある。それは食料の腐敗時間がない事だ。これはこのギミックをクリアする上で非常に助かる。
「よし! 食べられそうな食料も手に入れたし、先に進もう!」
「おー!」
僕はみんなにそう提案した。みんなの元気のいい返事が返ってくる。僕達は一つ目の一軒家から外に出て、北に進みながら次の一軒家に向かう。
次の一軒家に到着し、中に入ってみたが、調理する物以外は何も無い。
トモいわくそういう家も存在するようだ。それでも一軒家をスルーしてしまった事でヒントが得られなってしまう可能性や必要な物が手に入らなくなってしまうこともあるので、全ての家に寄っていくらしい。何も無かったので、すぐに一軒家から出て、僕達は北に向かって歩いていく。
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