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ヤベー奴
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他のモンスターよりも賢くて厄介だけど、やっぱりモンスターはモンスターって事だな。
「「グルァァァァァァァッ!!」」
「オラァ!!」
飛び込んできたオルトロスAの喉へ悪魔骨棒を、オルトロスBには針山の針を捻じ込んだ。悪魔骨棒は全力でコークスクリューブローのように回転させながら突き込んだので、飛び込んでくるスピードとオルトロスの自重もあって棒でも簡単に刺さった。
だがオルトロスも只ではやられず、飛び込んできた勢いそのままに振るった前腕が右肩と左脇腹を抉り取った。だがこれくらいなら瞬時に回復する。
まぁここまでの流れは想定内であるから問題はないが、こちらの回復スピードと戦闘スタイルを後方に控えていたケルベロスに見られた事が痛い。
「「「グルルルル......ッ」」」
下僕の二頭があっさり殺られた事と、そう軽くない手傷を負わされた事でケルベロスの警戒心が高まり、今までのような安直な攻撃はしないだろう事が伺える。
これは自分も気を引き締めて掛からねば......となる所だろうが、こちらはもうそれどころではなくなっている。ヤバい。とにかくヤバい。
「アハハ......アハハハハ......アハァッ」
心臓が煩い
正気が保てない
身体が疼く
ダメだ......目の前で棒や針を伝って流れ出る血から漂ってくる芳醇な香りが、それを今すぐ取り込め! 欲しいぞ! と、欲求を刺激する。
まだこの場にはケルベロスが残っているのに、そんなのは放っておけと本能が騒ぐ。
「「「グルァ......!?」」」
「いいぞ......警戒しろ......食事が終わるまで、貴様はそこで大人しく......オ座りシていロ......
そうダ、それデイい......頂きマーす」
痙攣する瀕死状態のオルトロスBから針を引き抜き、その傷口にすかさず口を付けて血を直接吸い出す。だが、それだけでは入ってくる量が少ない......
もどかしさでいっぱいになった自分は、オルトロスの傷口に指を差し込み一息に皮を剥ぐ。剥き出しになった柔らかそうな肌から滲み出る血が、ビクビクと痙攣しているピンク色の表皮がそれはもう艶めかしくて堪らない......
今の自分に必要なのは血のみ。不必要な肉は邪魔だったが、我慢できずにそのまま齧り付いて啜る。
――嗚呼、美味い......満たされていく
今思えば飢餓状態だったのかもしれないが、この階層で一度行動不能になってからは妙にイライラしやすくなっていた。そんな状態で血の滴る新鮮な肉塊を目にしたらどうなるかなんて誰でもわかるだろう。
辛抱なんて出来るはずもなく、まだ生きているケルベロスの事は頭から消え去り、ひたすら血を取り込む事だけ......それだけが頭を占めていた。
何やらケルベロスが唸りながら発光しているように見えるが、今はそんな事に構う暇は無い。心底どうでもいい......オラ! もっと血を出せ! 寄越せ! 出が悪くなってんぞ!
「ジュルッ......ズゾゾゾゾゾッ! 美味いな、アハハッ!! あーそうだ! 血流を操れば最後の一滴まで搾り取れるじゃんか」
作法など無い食事を行い、とりあえずの飢餓状態を脱却したからか思考能力が多少戻ってきた。血を吸い出すのにより有効な方法を思いついたので試すと、それが正解だったようでこれまでのもどかしさなぞ何のその、スムーズに血を吸引出来ていて幸福感が全身を支配する。
「もっと......ッ!! もっとだ、もっと血を俺に寄越せぇッ!!」
無我夢中で血を啜り、最後の一滴まで吸い付くされたカラッカラに干上がったオルトロスが完成したので、用済みになったソレから口を離す。
まだ満たされきっていない身体はもう一匹の獲物に狙いを定めて飛び掛かる。我ながら不用心だと後から思ったが、ケルベロスの事など忘れて一心不乱にオルトロスを喰らう。
自分が猛スピードで人間からかけ離れていくのが理解できて笑えてくる。まぁこのダンジョンに侵入した時からそうだったんだけど、この階層にきてからはそれが著しい。
今、不思議なことにその状況を笑いながら俯瞰視点で観察出来ている自分がいた。何より其の行為を見て悦んでいる自分がソレを物語っている。
己の中に在る悪魔の因子、残虐性、暴力性、臆病さ、とっくに壊れていた感情、抑圧されて鬱屈し捻れた感情が入り乱れ、感情はグチャグチャに引っ掻き回され、ぶっ壊れている己を観察したら見えてきたモノ。それを認めた。
ここまであまり深く考えないでいた自分らしくない行動を取る自分を認めた。
自分の中にある二面性を自覚したのだ。
それが出来た途端、精神と身体が歓喜した様に脈動を始める。
――嗚呼、なんだ......簡単な事だったじゃないか。血に酔って出てきていたのは暴力大好きな自分。
自分に自信がなく、理不尽に晒され、我慢して我慢して我慢して、我慢だけしてきたこれまでの自分と、ダンジョンで変質したと思っていたが、実は封じて込めるだけして見ていなかった、知ろうとしていなかった中身を認知すればよかっただけなんじゃないか。
これまで抑圧され我慢を強いられてきた自分、暴力が大好きで生物を破壊するのが楽しくて仕方ない戦闘狂の自分、血に狂って本能の儘に暴走する俺。その三つが今急速に混ざり合って一つの形と成る。
「あー、スッキリした。それにもういいよね、戦いで人の形をする事に拘らなくても」
もっと......もっと、敵を楽に殺し、壊し、奪う。その事に特化しよう。
ほら――回復を終えた犬っころが自分を殺しに来てるから備えろよ、俺
◆◆◆
ケルベロスはただただ恐怖していた――
忠実な下僕である二頭を二匹従え、極稀にやってくる罠でボロボロになった侵入者を喰らうだけ......それがこの迷宮に生み出された己に与えられた役目だった。
それを長い間してきた。人間であればとうに気が狂うであろう時間を迷宮のルールに縛られて過ごした。
いつからか自身の守る領域に侵入者は来なくなり、寝て過ごす時間が主になっていった。
それからどれくらいの時を経たか――数えるのを止め、ひたすら侵入者が来るのを待った。
そして漸く侵入者が現れる。
魔力を持ち鍛え上げられた人肉の味を覚えたケルベロスは内心歓喜するが、やってきたのは下僕と分けたら僅かし喰えない大きさのが一匹だけ。
一瞬落胆するも、すぐに気付く。
今回のは活きがいいぞ、と。
ケルベロスはすぐに下僕へと指示を出す。
焼きながら甚振り、少しずつ末端から喰らえ――と。
当初はすぐに決着が尽く予定だった。初撃で動けなくし、焼き、喰らう。それだけだった。
だが、違った。
身動きも碌に取れない中空で初撃を躱すどころか反撃し、こちらに手傷を負わしたのだ。
人型生物が持つ武器の攻撃程度で傷付くほど柔では無いのだが、アレは易々と切り裂いてきた。
これまでに傷を負う事はあった。だが、ここまでの傷を負った事は数える程しかない。
ケルベロスは壁にぶつかり傷を負った侵入者を脅威と認め、下僕へと指示を出す。傷を治すから時間を稼げ、手負いだろうが油断せず同時に掛かれと。
そう指示するだけでどうにかなる筈だった。
だが、侵入者は簡単に下僕を仕留めてしまった。潰れ、ひしゃげていたであろう身体は何も無かったかのようにピンピンしており、最早理由がわからない。
己の傷は全快しておらず万事休すかと思われたが、侵入者が次に行った行動に混乱は加速する。
下僕の皮を剥ぎ、喰らい始めたのだ。
それは自然の摂理であり、納得は出来る事なのだが、その人型の生物はよく見ると肉は喰らわず血を啜っているではないか。
そこで迷宮が与えられた知識から辿り着く。
人型生物の頂点であるヴァンパイアという怪物に。
驚異的な回復能力を持ち、圧倒的な膂力で獲物を蹂躙する怪物。それならばケルベロスとオルトロスを相手しにも立ち回れる......と。
己よりも格上の登場に混乱と恐怖に苛まれる。
下僕を吸い終われば次は己の番だ。アレを倒そうにもヴァンパイアよ弱点など付けない己がアレを殺すには、アレを胃に収めて復活限界まで耐える事。それだけだ。
幸い、アレは食事に夢中になっている。
殺すには今しか無い。
覚悟を決めると気配を殺し、音も無く駆けた。
乾坤一擲
己の全力をこれから行う一撃に込め、死角から襲い掛かった。目標との距離は後爪一つ分――
アレは未だこちらに気付いていない。殺った!!
衝撃と共にそう確信したのも束の間、一向に獲物との距離が近いていない事に気付く。
胸が熱い。
口から液体が溢れる。
何が起きた。
徐々に霞む視界が最期に捉えたのは、こちらに一瞥もくれずに真っ黒な腕をこちらに突き出した獲物の姿だった。
「「グルァァァァァァァッ!!」」
「オラァ!!」
飛び込んできたオルトロスAの喉へ悪魔骨棒を、オルトロスBには針山の針を捻じ込んだ。悪魔骨棒は全力でコークスクリューブローのように回転させながら突き込んだので、飛び込んでくるスピードとオルトロスの自重もあって棒でも簡単に刺さった。
だがオルトロスも只ではやられず、飛び込んできた勢いそのままに振るった前腕が右肩と左脇腹を抉り取った。だがこれくらいなら瞬時に回復する。
まぁここまでの流れは想定内であるから問題はないが、こちらの回復スピードと戦闘スタイルを後方に控えていたケルベロスに見られた事が痛い。
「「「グルルルル......ッ」」」
下僕の二頭があっさり殺られた事と、そう軽くない手傷を負わされた事でケルベロスの警戒心が高まり、今までのような安直な攻撃はしないだろう事が伺える。
これは自分も気を引き締めて掛からねば......となる所だろうが、こちらはもうそれどころではなくなっている。ヤバい。とにかくヤバい。
「アハハ......アハハハハ......アハァッ」
心臓が煩い
正気が保てない
身体が疼く
ダメだ......目の前で棒や針を伝って流れ出る血から漂ってくる芳醇な香りが、それを今すぐ取り込め! 欲しいぞ! と、欲求を刺激する。
まだこの場にはケルベロスが残っているのに、そんなのは放っておけと本能が騒ぐ。
「「「グルァ......!?」」」
「いいぞ......警戒しろ......食事が終わるまで、貴様はそこで大人しく......オ座りシていロ......
そうダ、それデイい......頂きマーす」
痙攣する瀕死状態のオルトロスBから針を引き抜き、その傷口にすかさず口を付けて血を直接吸い出す。だが、それだけでは入ってくる量が少ない......
もどかしさでいっぱいになった自分は、オルトロスの傷口に指を差し込み一息に皮を剥ぐ。剥き出しになった柔らかそうな肌から滲み出る血が、ビクビクと痙攣しているピンク色の表皮がそれはもう艶めかしくて堪らない......
今の自分に必要なのは血のみ。不必要な肉は邪魔だったが、我慢できずにそのまま齧り付いて啜る。
――嗚呼、美味い......満たされていく
今思えば飢餓状態だったのかもしれないが、この階層で一度行動不能になってからは妙にイライラしやすくなっていた。そんな状態で血の滴る新鮮な肉塊を目にしたらどうなるかなんて誰でもわかるだろう。
辛抱なんて出来るはずもなく、まだ生きているケルベロスの事は頭から消え去り、ひたすら血を取り込む事だけ......それだけが頭を占めていた。
何やらケルベロスが唸りながら発光しているように見えるが、今はそんな事に構う暇は無い。心底どうでもいい......オラ! もっと血を出せ! 寄越せ! 出が悪くなってんぞ!
「ジュルッ......ズゾゾゾゾゾッ! 美味いな、アハハッ!! あーそうだ! 血流を操れば最後の一滴まで搾り取れるじゃんか」
作法など無い食事を行い、とりあえずの飢餓状態を脱却したからか思考能力が多少戻ってきた。血を吸い出すのにより有効な方法を思いついたので試すと、それが正解だったようでこれまでのもどかしさなぞ何のその、スムーズに血を吸引出来ていて幸福感が全身を支配する。
「もっと......ッ!! もっとだ、もっと血を俺に寄越せぇッ!!」
無我夢中で血を啜り、最後の一滴まで吸い付くされたカラッカラに干上がったオルトロスが完成したので、用済みになったソレから口を離す。
まだ満たされきっていない身体はもう一匹の獲物に狙いを定めて飛び掛かる。我ながら不用心だと後から思ったが、ケルベロスの事など忘れて一心不乱にオルトロスを喰らう。
自分が猛スピードで人間からかけ離れていくのが理解できて笑えてくる。まぁこのダンジョンに侵入した時からそうだったんだけど、この階層にきてからはそれが著しい。
今、不思議なことにその状況を笑いながら俯瞰視点で観察出来ている自分がいた。何より其の行為を見て悦んでいる自分がソレを物語っている。
己の中に在る悪魔の因子、残虐性、暴力性、臆病さ、とっくに壊れていた感情、抑圧されて鬱屈し捻れた感情が入り乱れ、感情はグチャグチャに引っ掻き回され、ぶっ壊れている己を観察したら見えてきたモノ。それを認めた。
ここまであまり深く考えないでいた自分らしくない行動を取る自分を認めた。
自分の中にある二面性を自覚したのだ。
それが出来た途端、精神と身体が歓喜した様に脈動を始める。
――嗚呼、なんだ......簡単な事だったじゃないか。血に酔って出てきていたのは暴力大好きな自分。
自分に自信がなく、理不尽に晒され、我慢して我慢して我慢して、我慢だけしてきたこれまでの自分と、ダンジョンで変質したと思っていたが、実は封じて込めるだけして見ていなかった、知ろうとしていなかった中身を認知すればよかっただけなんじゃないか。
これまで抑圧され我慢を強いられてきた自分、暴力が大好きで生物を破壊するのが楽しくて仕方ない戦闘狂の自分、血に狂って本能の儘に暴走する俺。その三つが今急速に混ざり合って一つの形と成る。
「あー、スッキリした。それにもういいよね、戦いで人の形をする事に拘らなくても」
もっと......もっと、敵を楽に殺し、壊し、奪う。その事に特化しよう。
ほら――回復を終えた犬っころが自分を殺しに来てるから備えろよ、俺
◆◆◆
ケルベロスはただただ恐怖していた――
忠実な下僕である二頭を二匹従え、極稀にやってくる罠でボロボロになった侵入者を喰らうだけ......それがこの迷宮に生み出された己に与えられた役目だった。
それを長い間してきた。人間であればとうに気が狂うであろう時間を迷宮のルールに縛られて過ごした。
いつからか自身の守る領域に侵入者は来なくなり、寝て過ごす時間が主になっていった。
それからどれくらいの時を経たか――数えるのを止め、ひたすら侵入者が来るのを待った。
そして漸く侵入者が現れる。
魔力を持ち鍛え上げられた人肉の味を覚えたケルベロスは内心歓喜するが、やってきたのは下僕と分けたら僅かし喰えない大きさのが一匹だけ。
一瞬落胆するも、すぐに気付く。
今回のは活きがいいぞ、と。
ケルベロスはすぐに下僕へと指示を出す。
焼きながら甚振り、少しずつ末端から喰らえ――と。
当初はすぐに決着が尽く予定だった。初撃で動けなくし、焼き、喰らう。それだけだった。
だが、違った。
身動きも碌に取れない中空で初撃を躱すどころか反撃し、こちらに手傷を負わしたのだ。
人型生物が持つ武器の攻撃程度で傷付くほど柔では無いのだが、アレは易々と切り裂いてきた。
これまでに傷を負う事はあった。だが、ここまでの傷を負った事は数える程しかない。
ケルベロスは壁にぶつかり傷を負った侵入者を脅威と認め、下僕へと指示を出す。傷を治すから時間を稼げ、手負いだろうが油断せず同時に掛かれと。
そう指示するだけでどうにかなる筈だった。
だが、侵入者は簡単に下僕を仕留めてしまった。潰れ、ひしゃげていたであろう身体は何も無かったかのようにピンピンしており、最早理由がわからない。
己の傷は全快しておらず万事休すかと思われたが、侵入者が次に行った行動に混乱は加速する。
下僕の皮を剥ぎ、喰らい始めたのだ。
それは自然の摂理であり、納得は出来る事なのだが、その人型の生物はよく見ると肉は喰らわず血を啜っているではないか。
そこで迷宮が与えられた知識から辿り着く。
人型生物の頂点であるヴァンパイアという怪物に。
驚異的な回復能力を持ち、圧倒的な膂力で獲物を蹂躙する怪物。それならばケルベロスとオルトロスを相手しにも立ち回れる......と。
己よりも格上の登場に混乱と恐怖に苛まれる。
下僕を吸い終われば次は己の番だ。アレを倒そうにもヴァンパイアよ弱点など付けない己がアレを殺すには、アレを胃に収めて復活限界まで耐える事。それだけだ。
幸い、アレは食事に夢中になっている。
殺すには今しか無い。
覚悟を決めると気配を殺し、音も無く駆けた。
乾坤一擲
己の全力をこれから行う一撃に込め、死角から襲い掛かった。目標との距離は後爪一つ分――
アレは未だこちらに気付いていない。殺った!!
衝撃と共にそう確信したのも束の間、一向に獲物との距離が近いていない事に気付く。
胸が熱い。
口から液体が溢れる。
何が起きた。
徐々に霞む視界が最期に捉えたのは、こちらに一瞥もくれずに真っ黒な腕をこちらに突き出した獲物の姿だった。
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