異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた

甘党羊

文字の大きさ
27 / 183

収納の整理

しおりを挟む
 同盟締結と、計画の始動が成されてご満悦の三人withわんこ。

 可愛く着飾って、それを俺に褒められて嬉しがる女の子なあんこちゃん。

 オシャレに疎くて全然させてあげられなくてごめんね。ほんとに。


 濃紺と白のスカーフが特に気に入ったみたいで着けてあげた。洋服もお気に召したらしいけど、着たいのはたまにらしい。毎日は嫌だそうだ。


 デカい袋の中身、その残りは俺の服だそうで、色々と男では気にしないような気配りのされた服が出てきた。


 コート、手袋、ジャケット、スーツやシャツ、下着等が入っていた。この衣類だけでいくらになるんだろうな。

 シンプルなのが好みみたいに言ったのを覚えてくれていて、変に凝ったモノやゴテゴテしたのは無かった。本当にありがとう!


 持っていても使わないし、金もあるから一度換金して以来ずっとそのまま溜め込んでいた宝石類を全部さしあげようと思う。


 お嬢様がお礼っ!感じでメイドさんのほっぺをぺろぺろしている......羨ましいぞ。



 そこからは皆のテンションが落ち着いてきたので、はしゃいでいたお姫様はウトウトしだした。



 俺の膝の上に乗せて、そのままおやすみタイムに......夢の中へと旅立っていった。

 メイドさん達には、お礼にと追加で大福と緑茶を振る舞う。

 追加が出されると、それをすぐに手に取り、瞬時に口へ運び嬉しそうにしているやかましい方のメイドさん。



 この子達と王女さんは、もう仲間と思っていいだろうな。同じ志しを持っているし。

 腹の中で何を思っているかまではわからないけど、表面上は利用してやる!とかどうにかして貶めてやる!みたいな黒い感じは全く感じない。

 他の権力者がどうかはわからないけど、アラクネに良いイメージがついたのは間違いない。

 他のアラクネがクソだったとしても、俺はこの子達とだけは交流を続けるだろう。なんかもう真っ直ぐすぎて疑うのがバカらしくなった。


 という事で今度はちゃんと自己紹介をした。名前も付いたことだし。

 異世界人とか、俺の能力とかはさすがに言わないけど。


 アラクネ達は名前はなくて、王と王妃だけが代々受け継がれる名前を襲名していくらしい。
 偉い身分の人や、特権持ちは役職名やらをそのまま呼ばれるんだと。他の人は貴女とか君とかだって。


 大体の種族がそうであって、名前持ちは特別らしい。それに、名前が無くてもそれが普通なので、特に何も思わないんだそうだ。
 よく見るような設定だなぁと思いつつ話を聞いていた。


 言いたくなければいいと前置きしつつ、魔力の量と、大体の寿命を聞いてみたら普通に答えてくれた。

 アラクネの種族は大体5~8万、あの実一つで約5,000増えたそうだ。
 メイドさん達は現在約9万弱で、王女さんは10万を越えてるようだ。
 寿命は平均700年くらいらしい。

 人間は大体60~70年で死に、たまに200年越えや100年越えがいるらしい。魔力は1万行けば多いそうだ。
 人間の高名な魔法使いは300年程生きたとの事。


 次に、エルフは特に長生きで大体2,000年、ハイエルフはエルダーエルフとも呼ばれて5,000年を越えて生きているそう。
 魔力は多くて非力。引きこもっているのと独自の魔法知識と力で、攻められても負け無し状態との事。
 普通のエルフの魔力量は30~50万らしく、ハイエルフは情報が無いんだって。

 種族により計算方法が変わるのかね......

 魔力はあればあるほど肉体と魔力が融合していき、生身より長く生きれる......だって。



 それを聞いて、俺の中での寿命という概念が消えた事を察した。


 最後に見た時8億くらいだったし、まだ実を食っててレベルも上がっている。
 そして種族も......人であり魔であるって......ハハッ!!

 まぁわかっていた事だ。それが確信に至っただけでしょう。


 次に解体について聞いた。

 解体は頼めばやってくれるそうだ。解体を学びたいと言ったら、「そんな事は学ばずともいいのです。私達におまかせを!」と食い気味に言われた。

 理由を聞いたら羊羹を食べているのを見られ、それを強請られてしまい、仕方なく分けてからメイド達の間で大人気だそうだ。


 最初ちょっと不機嫌だったのは、そのせいで羊羹が消費されちゃった事と、喚ばれなかったから羊羹が欲しいのを伝えられなかったのが悔しかったかららしい。

 普段の仕事よりも全力を出すので依頼してください!とお願いされてしまった。
 たかが羊羹で、給料貰ってる仕事より全力を出すって......

 それでいいのか万能メイド達よ......


 先払いよりも、後払いで報酬を下さいとの事。その方が燃えて効率あがるんだってさ。


 他のメイドも食いたい食いたいと煩いらしいので、普段は君達だけで楽しむ事と、他のメイドへは頑張ったご褒美で与える事を約束させた。

 なので明日依頼の品を持ってくる時に収納の付いた物を持ってくれば多めにあげる。と伝えたら狂喜乱舞してた。



 話も一段落した所でそろそろ他の仕事と、解体や革の処理が終わった頃らしいので解散する事に。明日の夜八時頃に招くと伝えてから送還した。


 ふぅ......濃い時間だったわ。

 しかし羊羹がバズってたのは意外だった。
 甘味が少ないのか、未知の甘味が珍しいのかわからないけれど、和菓子ラブの仲間が増えるのはいい事だと思う。
 あっちじゃ若いのは羊羹をわざわざ食うくらいなら洋菓子だったもんな。水ようかんは別だったけど。


 明日、詳しく甘味事情や甘味の値段とか聞こう。

 あぁぁぁぁぁ!魔法事情聞き忘れた......これも明日聞こう。






 さて、暇になった。お姫様はすやすやなので、とても暇だ。

 夕飯まではまだ時間があるし、これから何をしようかな。


 装備品は全てメンテナンスフリーというか......魔力を使うだけでキレイになるし......


 あっ、あの森で拾ったモノを鑑定してみよう。目に付いたキレイそうなのモノや、珍しそうなモノをただ拾ってきただけだったし。


 収納から拾って来た物を取り出す。
 まず1つ目はこの立派な草!鑑定さんお願いします。


 ▼オイタナシア
 まるで眠るような死を与えられる草
 乾燥させ粉末にすれば無味無臭になる▼


 最初っからやっべぇもんが出てきたな......
 変なテンションになってこれを口にしなくてよかったわ。多分無事だったろうけど。
 めっちゃ在庫あるよコイツ......


 次はこのキレイな拳大の石!


 ▼不壊石
 決して壊れず、欠けず、加工できない石▼


 これまたやべぇもんだけど使い道ねぇな......キレイなだけだ。

 これもめっちゃあるけどどうしよう......


 次は魔樹の枝であろう枝


 ▼魔樹の枝
 樹木が魔力をゆっくり長い間取り込み続け変質した物の枝
 魔力を通しやすく増幅させるので魔法使いの杖の素材に最適▼

 合ってたよ!やったね!じゃあ葉っぱも見てみよう。


 ▼魔樹の葉    
 樹木が魔力をゆっくり長い間取り込み続け変質した物の葉
 万病に効く万能薬で、恐ろしい程の即効性を誇る
 しかし、この世の物とは思えない苦味が数時間続く▼


 魔樹はチート。
 そしてメリットがクソでかいが、デメリットがその偉大なメリットをもってしても、躊躇させてしまう劇物だ。
 多分根とかにも特殊な効能があるだろう。根はもってないけど。

 次はなんかよくわからんデカい......棒か?

 湖の浅瀬にあったやつで、妙に気になって収納してしまった。


 ▼サヒモチの背骨
 ワニとサメの間くらいの幻の生物の背骨
 大太刀や片刃の長刀に加工すれば凄まじい斬れ味の名刀になる▼


 これまたやべぇもんを......

 骨には見えないけど骨なのか。そしてワニなのかサメなのかハッキリしてほしい......


 あとは光の加減で色んな色に見える小石だな。


 ▼精霊の核
 永い時を生きた精霊が死ぬ時に残す物
 所持者の魔力を吸収し続け、貯まりきった時に所持者の望む奇跡を起こすと言われているが貯めきった人がいないので定かではない
 魔力を貯める人が途中で変わると、貯まっていた魔力を全て放出し爆発を起こして壊れる▼


 ......これは持っててもいいのか?でも手放したら爆発寸前の爆弾を放置する事になるよな。

 俺の魔力を既に貯めているっぽいから......

 うん。これは持ってなきゃやばい。


 それをすてる  なんて  とんでもない▽


 がリアルに起きてしまうとは......


 最初の一文を読んだ時は精霊の祠を見つけた時に奉納しようかと思ったのに......



 他にめぼしい物は無かったので、鑑定作業はこれにておしまい。

 よし!もう夕飯の時間になってるから飯を食いに行こう。


 だいたいの物がやべぇモンだったので、記憶の片隅にぶん投げて、収納に死蔵しておこう。
しおりを挟む
感想 60

あなたにおすすめの小説

うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの
ファンタジー
 孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。  ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。 間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。 多分不具合だとおもう。 召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。 そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます ◇ 四巻が販売されました! 今日から四巻の範囲がレンタルとなります 書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます 追加場面もあります よろしくお願いします! 一応191話で終わりとなります 最後まで見ていただきありがとうございました コミカライズもスタートしています 毎月最初の金曜日に更新です お楽しみください!

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?

釈 余白(しやく)
ファンタジー
 毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。  その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。  最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。 連載時、HOT 1位ありがとうございました! その他、多数投稿しています。 こちらもよろしくお願いします! https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394

才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!

にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。 そう、ノエールは転生者だったのだ。 そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。

神の加護を受けて異世界に

モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。 その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。 そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

処理中です...