異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた

甘党羊

文字の大きさ
39 / 183

親バカ

しおりを挟む
 ......昨日はかなり嫌なものを見せられたが、本能のままに思いっきり暴れてスッキリした。
 やっぱりなんだかんだストレス溜まりまくってたんだろうな。


 心のままに暴れるのは、ダンジョン内だけでしか無理だわな。ヤバい時には入ろう。


 無手での格闘も、案外サマになっていたと思う......多分。
 力こそパワーだ!とか言う戦い方はしていないつもりだ。傍から見るとそう見えるかもしれないけど。

 それでも捻りとか、溜めとか重心移動に気を配っていたのがしっかり反映されていた気がする。


 閉鎖的空間で移動→虐殺→もふもふ→移動→虐殺→もふもふ......このループだと陰鬱な気持ちが溜まるのはしかたない。

 この子たちがいなかったら多分モンスターよりも害悪なモンになってる自信あるぜ☆


 どうでもいいか......さぁダンジョン攻略を続けよう。次のボス倒したら昨日のドロップをチェックしてみようかね。


 今日は90階層まで進みたいなぁと思いながら出発。


 やっぱり迷路タイプ。このままサクサク進んでいきましょう。


 今日は大きくなってトコトコ歩いているあんこと俺の肩に乗っているピノちゃん。

 先導するように先を歩いて、どんどん氷弾を撃ち込み敵を倒していく。
 相手に何もアクションを起こさせず倒していくスナイパーモード。凛々しくてかっこかわいいですよ!


 進行方向にある時にだけ宝箱を回収し、最短ルートを進んで行った。



 夜7時頃にボス部屋前に到着したんだけど、今から挑む気になれなかったので今日はもう終わりにする事に。

 なんとなくカレーが食べたくなったのでボ〇カレーを召喚し、パックご飯と共に湯煎する。



 レトルトカレーって無性に食いたくなる時あるよね。

 いつも通りの懐かしい匂いで美味しそうでございます。今度ルーを召喚してカレーを大量に作っておこう。




 楽しそうにご飯を食べているあんことピノちゃんの姿を見て何か急に寂しさを感じ、あの子達の所へ混ざって一緒に食べた。




 食べ終わった後に、甘えてきなさい!とお嬢様に言われたので、遠慮なく甘えた。まだ心が弱ってたらしい俺......ほんと助かります......



 それにしてもこのダンジョンの50層越えてからくらいかな?かなーり情緒不安定なんだけど......なんなんコレ?
 俺の所持スキルさん......ちゃんと仕事してくださいよ。

 その日はそのまま寝ることに。
 すやすや眠ってるウチの子たちを眺めながら、頑張って寝ようと努力する。





 皆が寝た後しばらくしたが全然寝付けなかった。精神的にヤられてるで片付けていいものなのかコレ?
 違和感を覚えたらもう止まらない。

 なのでちょっと離れた場所でチェックする事にした。



 タバコ吸いながら、不調の原因を探るために自分の体の中を魔力を使って調べてみる。

 ソナーを自分に向けて発動してみた。




 しかしなーんにも変な感じは無い。

 変といえば変なのが、俺の保有する魔力の量がソナー探知を覚えた頃より遥かに多くなっていることくらいか。

 レベルが上がったんだろう。確認するとまた精神がおかしくなりそうなので今はしない。
 する必要性を感じませんね。変なんじゃなく成長ですねコレは。



 しかし......なんかモヤモヤする。




 とりあえずあの子たちと俺の間に魔力で壁を作り、影響が出ないようにしてから、魔力の大半を使って一本の黒いレーザーを上に向けて放つ。

 かなり細く作って撃ったのだが大穴が天井に開き、その先は真っ黒な空間だった。


 この時なぜか知らないけど、俺は魔力を放出した方がいい気がしていた。直感ってヤツなのかな?


 すっごい脱力感だけど、先程まで感じていたモヤモヤがほとんど消失したので、きっとそこになんかあったんだろう。 



 一応もう一回自分にソナーをしてみる。

 魔力をほとんど放出したからなのか、なんかすごく小さいけど違和感がある魔力を見つけたので、それを捻り出した......



 あー......なんだろう、凄いスッキリした。
 原因これだったのね......
 俺のスキルを突き抜けて、体内に侵入ってくるなんてやるじゃないか。


 ダンジョンへ入ってからすぐに感じた違和感みたいのが、50層越えてから感じなくなっていたので、そこらへんから何かをされてたのか?
 その違和感みたいなのにそっくりな感覚だったなアレ。


 これダンジョンが俺にバレずに干渉してきたって事なのだろうか?
 うーん......考えてみてもさっぱりわからない。

 ダンジョンの不思議って事にしておこう。
 あともうちょっと気を引き締めておかないとダメですね......お嬢様やピノちゃんに心配かけちゃったし。




 さて、一息ついた所で......この大穴どうしましょう?

 まぁ放っておけばダンジョン特有のナニかで戻ってたりすんじゃないのですかね?多分。
 空は見えないので外界とは隔離されてるのかな......ダンジョンってマジ意味わかんねぇ!!


 壁を解除してみんなの所へ戻ったら、壁のすぐ近くで心配そうにしているあんことピノちゃんが待っていたので謝った後にみんなで一緒に寝た。


 今度はちゃんとぐっすり寝れましたよ。




 ◇◇◇




 目が覚めたのでもう一度体内を確認してみるが、とてもスッキリしているのでもう平気だろう。また変になったら同じ事すればいいとわかったし。


 外に出てから同じ事になると怖いので、ラスボスにトドメを刺す時に同じ事してやろう。


 起きてきたあの子達に変なとこない?と聞いてみたが、大丈夫!と元気に言われたので安心。対処方法だけ伝えてから朝ご飯にした。


 昨日は心配させちゃったので謝り、たっぷり触れ合って出発。


 さぁ扉オープン!






 開けたらまた扉が。立派な錠前が付いている。

 このフェイク扉いらなくね?イラッとさせるのうまいねこのダンジョン。


 鍵ねぇ......あの鍵を使うので合ってるのかな?

 あの鍵が合わなかったら申し訳ないけどこの扉ごと消そう。

 そう言えばダンジョンと言えば謎解き......というかアイテム集めが定番なんだよね。
 絶対に最短距離では進ませないという意思を感じる。



 ガシャン......と音がして無事に鍵が開く。


 消さずに済んでよかったと思っていたら鍵と門が消えていった。

 んーダンジョンミステリー。

 これなら俺が消しても問題なかったよね?クソギミックめ!


 心を鎮めよう。イライラよくない。





 クールダウンしたのでご入場でございます!


 中に入ってみると、イカつい武器を持った牛と馬が二足歩行していた。

 なんとなく正体わかっちゃったけど、一応鑑定を。


 ▼ゴズ
 90層の番人▼

 ▼メズ
 90層の番人▼

 想像通り!守護者ではなく番人と申しますか。


 さぁ殺りましy......

 え?......あ、はい。わかりました。



 お任せいたします!が、怪我だけはしちゃだめだよ!


 殺るぞーと意気込んだ瞬間に、わたしやる!とお姫様が、やりたい!とピノちゃんが仰られたのでお任せする事に。


 槍を持った牛にはあんこが、刀を持った馬にはピノちゃんがそれぞれ挑む事になった。

 さぁバトル開始です。





 うん。全く危なさを感じられない。


 いつもの大型犬サイズよりも、もう少し大きくなったあんこが避けて、爪の一撃、離脱を繰り返してる。
 天使の様に舞い、天使の様に刺している。

 近接の練習なのだろう。90階層レベルのモンスターの攻撃を完璧に見切って掠らせもしない。


 お、爪を氷魔法で伸ばして切り裂いた!

 ドロップ品の槍を咥えて戻ってきた。華麗な戦いだったね♪お疲れ様と言い、撫でながらピノちゃんの戦いを見守る。




 こちらもまぁ危なげのない戦い。

 幻影で偽ピノちゃんを生み出して撹乱している。
 今度偽あんこと偽ピノちゃんを大量に出して欲しい。


 安全マージンをしっかり取った戦い方をしてるので全くヒヤヒヤしない。

 トドメは幻影の蛇が一斉に噛みついていき、そして燃えだした。


 これもまたえげつない技でごわす。

 ただ偽物だとわかっていても、ピノちゃんが燃えた瞬間ヒヤヒヤしてしまった俺はきっと騙されやすい部類の人間なのだろう。


 終わったよ!とドヤっているので迎えにいき、ドロップを回収し、ピノちゃんを手に乗せてなでなで。



 地獄と冥府のコラボレーションなのであろうダンジョン。その90階層レベルのボスを相手に、実験しながら完勝するウチの子達凄いだろ!と俺がドヤってみる。


 凄かったよと褒めてあげて、下の階に行きご褒美をあげる事に。

 ついでにドロップや宝箱の中身を確認しなくては。



 下の階層へ着き、まったりしながらご褒美を考えた結果、久しぶりにかき氷を作ってあげようと決めた。


 収納からかき氷機を出した途端、目をキラッキラさせながらいい感じの大きさの氷をスタンバったあんこちゃんが突撃してきた。

 すっげぇ可愛かったわ。


 シャリシャリ削ってあげてお気に入りになっていたブルーハ〇イ味を食べさせてあげた。

 ピノちゃんは冷たいのがダメかもしれないけど、ひとくちだけあげてみる事に。

 量は食べれないけど気に入ったみたいで良かった。食べ終わってすぐに俺の体で暖をとりはじめたけど。いつもしてくれていいよ!

 たまに作るからね!


 俺はかき氷を食べてるあんこと、ちょっと体が冷えて俺にべったりなピノちゃんを見て幸せを感じながら、ドロップ品と宝箱を確認する事にした。

しおりを挟む
感想 60

あなたにおすすめの小説

猫好きのぼっちおじさん、招かれた異世界で気ままに【亜空間倉庫】で移動販売を始める

遥風 かずら
ファンタジー
【HOTランキング1位作品(9月2週目)】 猫好きを公言する独身おじさん麦山湯治(49)は商売で使っているキッチンカーを車検に出し、常連カードの更新も兼ねていつもの猫カフェに来ていた。猫カフェの一番人気かつ美人トラ猫のコムギに特に好かれており、湯治が声をかけなくても、自発的に膝に乗ってきては抱っこを要求されるほどの猫好き上級者でもあった。 そんないつものもふもふタイム中、スタッフに信頼されている湯治は他の客がいないこともあって、数分ほど猫たちの見守りを頼まれる。二つ返事で猫たちに温かい眼差しを向ける湯治。そんな時、コムギに手招きをされた湯治は細長い廊下をついて歩く。おかしいと感じながら延々と続く長い廊下を進んだ湯治だったが、コムギが突然湯治の顔をめがけて引き返してくる。怒ることのない湯治がコムギを顔から離して目を開けると、そこは猫カフェではなくのどかな厩舎の中。 まるで招かれるように異世界に降り立った湯治は、好きな猫と一緒に生きることを目指して外に向かうのだった。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

才がないと伯爵家を追放された僕は、神様からのお詫びチートで、異世界のんびりスローライフ!!

にのまえ
ファンタジー
剣や魔法に才能がないカストール伯爵家の次男、ノエール・カストールは家族から追放され、辺境の別荘へ送られることになる。しかしノエールは追放を喜ぶ、それは彼に異世界の神様から、お詫びにとして貰ったチートスキルがあるから。 そう、ノエールは転生者だったのだ。 そのスキルを駆使して、彼の異世界のんびりスローライフが始まる。

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~

うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」  これしかないと思った!   自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。  奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。  得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。  直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。  このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。  そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。  アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。  助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

悪役令嬢に転生したので、ゲームを無視して自由に生きる。私にしか使えない植物を操る魔法で、食べ物の心配は無いのでスローライフを満喫します。

向原 行人
ファンタジー
死にかけた拍子に前世の記憶が蘇り……どハマりしていた恋愛ゲーム『ときめきメイト』の世界に居ると気付く。 それだけならまだしも、私の名前がルーシーって、思いっきり悪役令嬢じゃない! しかもルーシーは魔法学園卒業後に、誰とも結ばれる事なく、辺境に飛ばされて孤独な上に苦労する事が分かっている。 ……あ、だったら、辺境に飛ばされた後、苦労せずに生きていけるスキルを学園に居る内に習得しておけば良いじゃない。 魔法学園で起こる恋愛イベントを全て無視して、生きていく為のスキルを習得して……と思ったら、いきなりゲームに無かった魔法が使えるようになってしまった。 木から木へと瞬間移動出来るようになったので、学園に通いながら、辺境に飛ばされた後のスローライフの練習をしていたんだけど……自由なスローライフが楽し過ぎるっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?

はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、 強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。 母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、 その少年に、突然の困難が立ちはだかる。 理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。 一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。 それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。 そんな少年の物語。

処理中です...