異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた

甘党羊

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謎空間

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 朝、目が覚めると、俺の胸の上に乗って寝ているピノちゃん、腕に顎を乗せながら寝ているお嬢様が目に入った。

 昨日はあまり一緒に居れなかったから、触れ合える時間が嬉しい。寝てる間に寂しくなっちゃったのかなー?

 こうやって、俺に心を許してくれている姿を見せてくれるのは嬉しいなぁ。


 昨日みたいな事は、これから起こらないように配慮をしっかりしないといけない。
 移動スピード面でこちらに気を遣ってくれていたのか、それとも俺がずっと移動時に匿っていたから動きたかったのか。

 もしくは、ずっとべったりなのが煩わしくなって、一人の時間を作りたくなったのか。

 どちらにせよ、自由時間は必要だなぁ。
 これからはプライベートな時間を、なるべく多く作ってあげないと。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 構いすぎて嫌がられた......なんて事になったら、致命傷すぎる。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 ......でも寝てる間なら問題はないよね?
 減らそうと思う分、これからは寝てる間にエンジェル成分を摂取しよう。うん。

 寝そべったまま、天使たちの寝顔を堪能した。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 目を覚ました天使たちとスキンシップをしてから、朝ごはん。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 バターを塗ったトーストに、砕いたオ〇オとマシュマロを乗せて焼いた物を食べる。

 作っているとお嬢様がオレ〇に、ピノちゃんがマシュマロに興味を示してこちらに寄ってきた。

 お?珍しいな。気に入るのかな?
 トーストを一口分、お菓子を一つあげてみた。

 結果は......


 トーストは拒否られたので、俺が自分で食べた。

 お嬢様は〇レオをたまに食べさせて欲しいと言ってくれた。
 ピノちゃんは甘くないのがいいとハマらず......残念。


 食後にタバコを吸って休んでいると、ピノちゃんが近寄ってきた。

 どうやら俺に伝えたい事があるらしい。一体どうしたんだろうか。

 話を聞いてみると、昨日のお散歩中に、不思議な雰囲気を発している階段を見つけたらしい。
 地下に降りる階段で、ダンジョンに似ていたけど、ダンジョンとは何か違う感じらしい。

 出られなくなると嫌なので入らなかったけど、気になっているから一緒に来てほしいって。


 好奇心に負けて、不用意に入ったら出られなくなっちゃった!なんて残念な事をしなかったピノちゃんを褒める。
 俺だったら、その場のテンションとノリで入っちゃっていたかもしれない。

 お嬢様にも確認をしてみた。

 その場所に行く事に賛成をしたので、今日の予定はそこへ向かう事に決まった。
 やることが決まったので、気合いを入れて片付けと準備をして出発。

 ピノちゃんが俺たちを先導して、目的の階段がある場所に向かっていく。

 蛇の移動方法はよくわからない。なんて言うんだろうアレ。

 しゅるしゅるにょろにょろと器用に進んでいくピノちゃん。
 野生の蛇を見た時は、その場からすぐ離れていたからしっかり見た事なんてなかったけど......

 なんか見てると面白いな。ピノちゃんのだと可愛さすら感じる。 

 俺らより移動速度は遅いけれど、それなりのスピードで進めている。
 成長して身体が大きくなったらかなり早く進めるだろう。
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ◇◇◇ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 連れられていった先は岩場だった。

 なんとなく不思議な感覚はする。
 あっちの岩の下に何かがあるみたいだ。

 意識してないと気付けない程弱々しい感じだから、ここを見つけられたピノちゃんのファインプレーだわ。

 目線が低いからこそ気付けたんだろうな。

 そのままだと入れないので、周囲の岩を退かして階段を露出させる。

 何が起こるかわからないので、入る時は皆で一緒にくっ付いて......


 階段を降りていると、何かを通過した感じがする。
 すると、今まで弱かった不思議な感覚が一気に強くなったので、ここを守護する目的の結界か何かかなという感想。

 なかなか凄いなぁ。

 俺が雑に探知しているままだと、全然気付けないくらいの精度。
 それも結界っぽい物で作れるなんて。

 このまま進むか、それとも戻るかを聞こうと思い、胸元に目を向ける。

 胸元にいるあんことピノちゃんがソワソワしていた。
 この子たちが何かを感じ取っているけど、不快そうにはしていない。

 この様子なら危ない事は無さそう。この先に何があるんだろうなー。
 なんて思いながら、緊張感なんか欠片もなく一本道を進んでいった。

 皆でお散歩。嬉しい。
 お嬢様とピノちゃんも自分の足で移動している。
 警戒しているのがアホらしくなるくらい、なーんにも無いただの一本道。

 明かりもないのにぼんやり光る不思議な壁と天井、すべすべの大理石みたいな床。

 んー、これは不思議スポット。
 異世界に来てから、一番感ファンタジーっぽさを感じられる場所かも。


 しばらく進むと階段を発見。

 侵入者対策?それともダンジョンもどき?
 ワンフロアじゃないのには、ちゃんとした意味があるのかないのか。

 何層まであるんだろう。なるべく泊まりがけになったりまではしないでほしいなぁ。

 お嬢様とピノちゃんは、何故かずっとテンションが高い。ここはそんなに良さげな場所なのかねぇ。

 このまま穏やかで平和なフロアがずっと続いてほしい。
 意地悪なフロアがあると一気に辛くなるもの。そう考えながら、次の階層への階段を降りていく。

 次の階層はさっきより道幅が広くなっている。しかし、ここもまた一本道っぽい。

 一応警戒はするけど、なんとなく危険な感じはしないので、探知はしないで探検を楽しんでみようと思っている。

 お嬢様とピノちゃんが、俺を先導するように先を歩いていく事からも、この場所は本当に危険はないのだと思えてはいる。


 壁や天井を鑑定してみたけど、壁と天井としか表示されなかった。
 なので、未だにこの場所が何なのかのヒントすらわかってはいない。

 ここはなんなんだろうね。

 ......まぁ最奥まで進んで行けばわかるか。

 ただ歩くだけだと、何か口と手が寂しい。

 なので柏餅を食べながら歩く。

 みそあんがあまじょっぱくておいしい。
 他のお餅系の物だとあまり美味しく感じないけど、柏餅だけはみそあん。


 食べ歩きin不思議な地下空間。
 三個目を食べ終わると丁度良く地下二階が終了。
 先導してくれている天使たちに、疲れてないか聞いてみる。

 疲れているのなら、降りる前に休もうと考えていたんだけれど......

 大丈夫だよ!次行こっ!とテンション高く言われる。可愛さがやばい。


 なので、そのまま地下三階へと進んでいく。
 階段を降りきり、三層へ足を踏み出した瞬間にまた膜を抜ける感覚。

 結構強力な存在が、ここまで用心深く守っている場所。

 今抜けた時に感じたのは、 一定の力量以下の存在を弾くような感じだった。

 こんなズカズカと踏み込んでいってもいいものなんだろうか。
 立ち止まってしまった俺を咎めるように一鳴きするお嬢様。

 ごめんなさい。すぐ行きます。

 ......よし、最奥にいる存在に怒られたら素直に謝ろう。

 非はこちらにあるだろうから、怒られた場合にはなるべく穏便に済ませれるように頑張ろう。
 怒られるとは限らないけど、怒られるの前提で考えておく。

 そんな俺を嘲笑うかのようにズンズン進んでいくマイエンジェルたち。

 迷わず行けよ、行けばわかるさ!って顎の人も言ってたから、それに倣おう。

 さぁ進もうか。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ごめんね、お待たせ!


 三階層は直線の道では無くなっていて、円の外側からぐるぐると回って内側へ向かっていくスタイル。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 壁面は等間隔に不思議な動物っぽい絵......よくわからないけどそんな感じのものが彫ってあって、ファンシーさがある。
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 これにはなんか意味があるのかな?
 異世界の不思議文化は、俺にはさっぱりわからないよ。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 気になるから写真を撮っておいて、今度アラクネさん達を喚んだ時に聞いてみよう。

 浮かんだ疑問が勝手に解決?したので、可愛らしい後ろ姿を眺めるのに集中する。
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ぷりぷりのお尻と、むちむちの後ろ足、それにふさふさのしっぽ。
 すべすべでシャープな白いボディと滑らかなしっぽ。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 とってもファンタスティック。永遠に見ていられる。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 多分このペースだと、今日中に最奥には辿り着けそうにない。

 目の前には楽しそうにどんどん進んでいくあんことピノちゃん。
 その姿を見ていたら、何日掛かろうがどうでもいいや。
 感謝祭の緊急延長が決定。好きにやっちゃってくださいませ。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 あ、そうだ。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 俺にはよくわからないけど、この子たちなら知ってるのかと思って聞いてみる事に。

「あんことピノちゃんはこの場所がどんな場所かを知ってるの?」

 その質問に、どちらも口を揃えて『知らない』と答えた。


 知らないんかい!ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 迷いなく進んでいくからなんか知ってるのかと思ってたよ......ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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