異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた

甘党羊

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君たちの名は

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 飲んだ後は大人しくテントまで戻り、ピノちゃんを胸の上に乗っけて寝た。
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 ここまでの生活のお陰で寝相が大変良くなっている俺は、起きるまで微動だにしない寝方をマスターしているので、誤って寝返りをうってしまい下敷きにしてしまう......なんて哀しい事故は絶対に起こさないので安心して一緒に寝られるようになっている。
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 翌朝、目が覚めると寝た時そのままの体勢の俺。今日もパーフェクトな寝相でした。
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 こっちは寝相が悪かったみたいで、俺の顔面の上で寝ているピノちゃん。一度目が覚めた時に寂しくなったのか、俺の腹の上に顎を乗せて寝ているお嬢様がいた。
ㅤ幸せな気持ちになったのは言うまでもない。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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 さすがに顔面に乗られていると気を使いすぎるので、そーっと顔の上から胸の上へと移動させる。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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 起きるまではこのまま幸せを味あわせて貰いますねー。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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 そこから15分ほど幸せそうにすやすや寝ているあんことピノちゃんを眺めていたら、黒い子が起きてきて俺の顔の横へやってきた。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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 おはようと挨拶をしてから頭を撫でると、黒い子は俺の顔へ体をスリスリ擦り付けてきた。モコモコな羽毛が気持ちいよかった。
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 気持ち良さそうに寝てるよねーと話をしながら朝のひとときを過ごしていると、ようやくお目覚めのピノちゃんとあんこ。
 寝起きのあんことピノちゃんに、黒い子も交えてわちゃわちゃと朝のスキンシップタイムへと突入。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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 白い子も傍観者を気取ってないで混ざってくればいいのに。
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 さて、たっぷりと幸せを貰ったことだしご飯の準備をしてくるから、少しだけお待ちくださいね。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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 ウチの子たちにはいつものメニューを用意、俺用にはホットドッグとコーヒー。
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 ごはんできたよー朝ごはんですよー!
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 呼ぶとすぐに来てくれる。胃袋をガッチリ掴んで離れられなくしてやるぜー☆
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 やっぱり好きな物は美味しそうに食べてくれている。これからも色々作っていくから、好きな物を増やしていってね。
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 俺は安定のホットドッグを頬張る。
ㅤうん、ケチャップ、マスタード、パン、ソーセージ......この組み合わせにハズレ無し!どう作ろうが不味くなる要素が見当たらない。ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
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 ご飯を食べ終わってまったりしている俺の大事な可愛い子どもたち。

 食事後にすぐで悪いけど、少しお付き合いをお願いします。


「食べてすぐで悪いけど、ちょっと聞いて欲しい。一応俺の考えを言うけど、言いたい事とかがあったら遠慮なく言ってきてね」


 俺がそう言うと、皆しっかり頷いてくれた。ありがとね。


「まず一つ目、あんこは知ってると思うけど、めっちゃ美味しい牛がこの山に生息しているらしくて、それを捕獲してより美味しいお肉に加工したいの。
 美味しくするには魔力を増やせばいいらしくて、俺には魔力を増やせる方法がある。色々と試行錯誤しながらになると思うから、何ヶ月かこの山で生活する事になると思うけど、それはいいかな?」


 あんこは美味しさを知っているので真っ先に賛成してくれた。
 ピノちゃんは俺がそこまで美味しいと言う牛に興味を持ってくれたので、こちらも賛成。
 鳥ちゃんズもそれでいいよーと言ってくれた。


「ありがとね。それで、二つ目なんだけど、この山で暮らすのに当たっての問題点。あんことピノちゃんは俺と同じでわからないと思うけど、オウルちゃん達はここの冬がどんなもんか知ってる?」


 鳥ちゃんズは知らないって答えた。そして驚きの事実を告げてきた。

 元々違う場所でひっそりと住んでいたんだけど、黒い子が俺の魔力に反応して興味を持った。
 白い子の能力と黒い子の能力を併せて、俺を観察してみたんだけど、一回見ただけで見れなくなっちゃったから、追いかけて洞窟の中にまで来ちゃったらしい。

 なんか惹かれ合うモノがあったんだろうね。そんであの時の覗き魔は君たちだったのかー。

 と言う訳で、この子たちもここの冬は知らないと。


「なるほど......了解。結果的に追いかけてきてくれたのは嬉しかったよ。家族になってくれてありがとね。
 それで対策なんだけど、冬がそこまで厳しくなかったら遊牧民が使うようなしっかりしたテントで生活。
 冬が厳しかったら、トレーラーハウスとかキャンピングカーでの生活......って考えているんだけど、どうかな?移動できるお家って考えて欲しいんだけど」


 あんこもピノちゃんもすぐにそれでいいよーと言ってくれた。信頼されてるんだなって嬉しくなる。
 鳥ちゃんズは俺の能力とかをまだよくわかっていないので、「???」ってなっている。首を傾げているのがとても愛らしい。

 ピノちゃんが「この人に任せておけば大丈夫だよ」って話してくれている。全幅の信頼を寄せてくれているのはわかるけど、俺失敗する事多いからね?

 よくわかっていないみたいだけど、あんこパイセンとピノパイセンが言うなら大丈夫だろってなったらしくて了承してくれた。
 じゃあ、うん。これで一応決まりと言う事で。


「じゃあ一応の方針はこれで決まりという事で。ありがとねー。
 やりたい事とかあったら遠慮なく言っていいからね!これからもよろしく」


 そう言って皆いっぺんに抱きしめようと両手を広げて向かっていく。
 白い子は俺の予備動作を見て即脱出していく。悲しい......

 あんこと黒い子はそのまま抱きしめられてくれた。ピノちゃんは俺の胸ポケットに入っていく。抱きしめたかったけど、サイズ的にまだ難しいから仕方ないか......

「んーっ気持ちいい!俺は幸せ者だ」


 もふもふの暴力が俺を襲う......もう全てがどうでもよくなってくるわぁ、フヒヒヒヒ。

 あ、ごめんなさい。トリップしてしまいました。
 ピノちゃんに喉を噛まれて正気に戻る。

 今回のメインイベント、それを忘れていたわ。

「はーい!白オウルちゃんちょっとこっちにきてねー!大丈夫、今回は変なことはしないから」

ㅤ疑惑の視線を向けながらも、恐る恐る寄ってきてくれた。好感度と信頼度が低すぎて泣けてきますよ......
ㅤまぁそこはこれから上げていこう。えーっと、よし!二羽とも横並びで待機してくれている。めっちゃイイよソレ!

「名前なんだけど、白いオウルちゃんがダイフク、黒いオウルちゃんがツキミで......どうかな?」

ㅤうん、ノーリアクション。

「意味としてはダイフクが大きな福運、縁起のいい名前かなーって。ツキミは月を見る、まぁ黒オウルちゃんにぴったりかなって」



 ......まぁ皆さんご存知の通り、今言った事は完全に建前。
 白い子はモチモチしてるから、黒い子は多少掛けたのもあるけど......二羽を合わせるとツキミダイフク。そう、月見大福ってなる。
 芋餡や栗餡を使った大福でございます。

 この事実は俺にしかわからないはずだ。真実は墓場まで持っていくねん。


 ピノちゃんの視線がちょっと痛いけど、真実にまでは辿り着けないと思う。うん。

 白い子も黒い子も、どちらも名前を気に入ったみたいで、その名前を受け入れてくれた。よかったよかった。

 これでこの子たちは完全にウチの子だ。これからしっかりと君たちを守っていくからね!


 ツキミちゃんは俺に飛びついてきてくれてかわいい。とてもかわいい。
 ダイフクは相変わらずツンツンしているけどかわいい。もっと触らせろや!

 あんこはよかったねーって言いながらツキミに対抗して俺に引っ付く。幸せでございます。

 ピノちゃんはまだ訝し気。胸ポケットから顔を出して俺をジィッと見ている......他意はないねん。かわいい名前でしょ?ね?


「ダイフクもおいでー!スキンシップしようじゃないか」

 あっ、逃げやがった!もっとデレを見せろ!!お前の触り心地はヤバいんだからもっと触らせろぉぉぉ!!



 これからの方針を固められて、家族の絆も深まった。
 素晴らしい食生活の為に山を進んでいこうね。

 甘えてくるあんことツキミをぶら下げたまま退去の準備を完了させて、いつでも出発できる状態になった。

 五分だけ待ってもらって、川にいるサーモンもどきを乱獲する。全部は獲らないけど、ちょっと多めにもらっていきます。


 ふふふ、お気に入りの食材は切らさないようにしなきゃね。



「お待たせー!じゃあ進もうか」

 そう声をかけると、今日は皆が俺に群がってきた。誰も自力で進もうとしないんだな。


 全員を装備して山の方へと進み始めるシアンなのでしたー。
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