異世界転移したけど、果物食い続けてたら無敵になってた

甘党羊

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新魔法改

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 ※汚らしい描写がありますのでご注意ください。

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「ギシャァァァァ」

「ゲギャギャァ!?」

 相変わらずトカゲ共は何言ってるかわからないし、鳴き声は汚らしい。
 だけど今回だけはなんとなく言いたい事はわかる。

 土煙が晴れた後、俺がピンピンしていて汚れすら付着していない姿を見たヤツらの反応がアレでした。

 悔しいなぁ......トカゲ語がわかれば「やったか!?」からの一連の流れがリアルに聞けたのに......

 あの一撃を食らってから土煙が晴れるまでの間に、少しゾクッとしたんだけど......アレはなんだったんだろうか。食らうとキツそうな追撃が来るかなと思って身構えていたけど、さっぱり何もなかったからわからん。

 うーん......考えてもわからない。余計な事は考えても、今の脳味噌の状態では無理だ。
 それよりも大事なのはトカゲ退治だから、そっちに集中しよう。


 若干の焦りが見えるものの、未だにふんぞり返っている黒トカゲと、殺意ムンムンな取り巻きトカゲ共。

 シャンプーハットを首にはめ込んであげたい衝動に駆られるけど、さすがにアレに付けられるサイズは無いので断念。


 もう目的は果たしたのでアホな事はおしまい。今から作業のお時間になります。

 この場に糸を張り巡らせて脱走できないようにして、取り巻き共は放置プレイ。

 糸に驚いている黒トカゲに向けて改良したスペ魔法を放つ。
 バラしたトカゲを片していた時に、ヤツらの具の配置とかを意図せず覚えちゃったので、今回はその知識を有効活用させてもらおうと思っている。


 ぶっつけ本番でもしっかり出来たように見える。ここに来て魔法使いとしての才能が開花したのかもしれない。

 嘘です......調子に乗りました。
 せいぜいゴリ押ししかしなかったヤツが、細かいコントロールを覚えた程度です。

 俺が放ったスペ魔法は黒トカゲの下腹部辺りに吸い込まれていく。吸い込まれてすぐに効果が出たらしく、余裕ぶっこいていた黒トカゲが苦しみはじめた。

 ふっふっふ......調子に乗っていた黒トカゲはリアルに死ぬ前に社会的に死ぬがよい。



 そう、これこそがスペ魔法Ver.2、【脆弱腸下痢魔法】だ。

 ......早く楽になっちまえよ。我慢しすぎると多分腸が破裂すると思うぞー。
 弾力性とかも皆無になってそうだし、気張ると脱腸とかもしそうだよなぁ......

 まぁ深く考えるのはよそう。
 もう我慢しなくていいんだよ。部下の前で盛大にやらかしちゃえ。


 俺はポラロイドを構えて待機している。
 ......別にスカの趣味や、お漏らしに興奮するといった性癖は無いよ。ホントに。

 今後俺と敵対した者はこうなるという証明写真だ。

 下痢魔法とスペ魔法の合わせ技で社会的に殺し、スペ魔法を付与。排泄物を抱いて溺死しろ!

 俺に交渉を持ち掛けてくる奴がいた場合、それを見せて裏切った場合にどうなるかを事前に示す。一般的にはドラゴンと言われているトカゲがそんな事にってる写真を見れば、相手は色々察してくれるハズ。

 実際そんな場面になった時に取引等に応じるかは謎だけど、後々面倒になるかもしれないような事案には釘を刺しまくってから対応したい。もちろん最初から無礼な相手なら即殺すけど。

 まぁそんな場面は中々無いだろうし、備えあれば憂いなしの精神。

 そんな事を考えていると叫び声が聞こえたので、一度思考を止め、声の主へと視線を向ける。


 どうやら黒トカゲダムが崩壊してしまったようだ。脂汗を垂れ流しながら必死に耐えていた黒トカゲだったが、今はもうその苦しみから解き放たれたようで......恍惚の表情を浮かべている。ヤクがキマっている人みたいで少しヒく。
ㅤ取り巻き共の「グワァ......」てドン引きしているような声と、ちょっと艶のある声と排泄音を出し続ける黒トカゲ。地獄だ。

 我慢すれば我慢しただけ、欲望を解放した時の快感はやばいよな。わかるよその気持ち。うんうん。


 これでヤツはトカゲ社会で死んだ。
 今日以降に黒トカゲがどんな偉業を成し遂げたとしても、「あいつ、う〇こびっちびちやねん」ってなるから。
 もちろん今日以降なんてないけど、目撃者はオール部下。今からどう取り繕っても......もう再起は無理だよ君。

 見た物を全て殺して、一からやり直さないと無理だ。しかしその為には、今ここで俺を殺せないと無理。
 だけどコイツに俺を殺せる程の力は無い。
 そして俺に寿命は無く、収納に入れておけば写真が劣化することは無い。

 チェックメイトだね。

 ダムの決壊直後、放水中、事後。全部アヘってるツラ付きでバッチリ写っている。流出してしまったら、即人生終わりの一品達......よかったな異世界にSNSが無くて。

 流出しちゃった時のタイトルは......そうだな。

 下ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 痢ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
 蜥蜴、襲来ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ

 とかどうだろう。

 ......イマイチだな。センスの無さが憎い。

ㅤヤツからはもう固形物は出てきていなくて、今は液体が垂れ流してるみたいで水音が響いている。時々赤いのが混じっていて怖い。

 臭いがキツいので穴を掘り、水魔法を使ってその穴の中へと汚物を流していく。

「はいはい、汚物は消滅ですよー」

 全て流し終えたらブラックホール。最後に消臭ニキを添えて処理終了。

 この騒動を見ていた取り巻きトカゲ共は、もう声も出ていない。ポカンと口を開けていて隙だらけ。
 まぁアレだ......頼みのボストカゲの目には光が無く、顔は緩みSiriからは液体。ボスご自慢の一撃を当てるも無傷。夢も希望も無いよね。

 漫画とかならここら辺で「絶望する必要なんて無いっ!!」って乱入してきたヤツに言われるんだろうけど、それも無いんですごめんなさい。

 黒トカゲの首に糸を巻き、徐々に締めていくも反応は無い。最後にスペ魔法しようとしてたのに......完全に壊れちゃっていたみたいなので首を落とした。
ㅤ......脳くちゅアッアッもやってみたかったのに残念だ。

「はい、これでお前らのボスは死にましたよー。この結果に文句のあるヤツは掛かってきていいからねー」



 ......居ないね。

「五匹だけをこの場では生かしといてあげるからよーく聞いてね。何故俺にちょっかい出してきたかわかるヤツ一匹、この中にあるアイテム類をかき集めてくるヤツが二匹、奴隷にしてる生き物達をかき集めてくるヤツが二匹。その役目を引き受けるよーってヤツらはいる?」

 トカゲ共の心は一つになり、全員手をあげた。選ぶのダルっ。

「......手出しした理由がわかるヤツの中で一番詳しいのは誰だ?」

 この問い掛けにトカゲ共の視線が一斉に一匹のトカゲへ向く。

「はい、じゃあ君はこっちで大人しくしててね」

 糸で簀巻きにして隔離。はい次。

「じゃあ次はアイテム持ってきたいと思っているヤツは左に、奴隷を運んできたいと思っているヤツは右に移動してねー」

 サッと二手に分かれたトカゲ。アイテムを持ってきたい派が若干多かった。

「はい、じゃあ俺の独断と偏見で選びまーす。落選した方は即座にご退場願います」

 アイテム班は大型と中型、奴隷班は小型と中型を選び、他は肉塊に変えた。

「それじゃあ俺はここで待ってるから頼むぞ。お前らが戻ってきてから絶対に嘘が許されない問い掛けをするから、誤魔化そうとか思わないように。じゃあよろしく」

 逃げるようにその場から離れるトカゲを見送り、暇になった俺は未だに治まらないストレスをどうにかする為に解体の練習を始めた。

 幸い練習用の肉塊は腐るほどある。解体が上手にできなかった肉は奴隷にされていたヤツらに消費してもらえばいい。
 あのヒョウ一家を見た感じだと栄養が足りてなさそうだから喜んで消費してくれるだろう。たぶん。

 数をこなせばいつかスキルとして生えてきてくれるはず。頼むぞ!!



 ◇◇◇



 八匹目を解体している途中にヤツらが帰ってきた。まず戻ってきたのはアイテム班。
 持ってきたのはよく見るタイプの宝箱。

 こんだけ?

 そう思って睨むと慌てだすトカゲ。宝箱をツンツン突っ突くアピールをしてきた。

 なんだろうか......ソレに触れって事か?


 ミミックじゃあねぇだろうな。バクっとイカれたら泣くぞ。


 いや、ヤツらが触ってるから大丈夫か。びっくりさせる系だけは勘弁。

 ......恐る恐る宝箱に触れると、騙そうとかそういう気は無かったみたいだと気付く。
 鑑定すればよかっただけなんだけどね。大分思考能力が低下しているらしい。

 設置型の収納袋......収納箱といったところか。触れた瞬間に内容物のリストが頭に浮かび上がってビビった。

 ふむ......中身はそんなにパッとしないけど、箱自体はなかなか良い。
 機能も色々付いて......い......

 ......なん......だと!?

 内部時間変動、温度管理、フォルダ分け、乾燥、脱臭、洗浄機能が付いていた。

 ハイスペックな洗濯機、食洗機、冷蔵庫に熟成庫みたいのが付いたような物......だと思う。後は隠蔽機能のある魔道具みたいな物の所在を聞けて回収できれば嬉しい。

 連れて来られる奴隷に通訳できるヤツがいればいいなぁ......

 ピノちゃんが居てくれたらなぁ......いや、ウチの子が全員居てくれたらなぁ......

 ソロは寂しいんだよ。もうこんな事になりたくない。

 あ、探知に引っかかった。そろそろ奴隷班が戻ってくるっぽいぞ。

 お願いします。通訳できるのが存在していてください!!
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