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1日目
宏樹side.
しおりを挟む…夢…か…
最近、よくこの夢を見る…
俺が篠田家に引き取られた時の夢だ…
お陰で、優香の事を思い出す。
今頃どうしてんのかな…
迎えに行くって約束したのに…
1番の問題は、優香の引き取り先が分かないことだ。
若い夫婦が引き取ったらしいが、その後、二人は事故死。優香を哀れんだ義祖父に預けられたらしいが、肝心の連絡先が分からない…
しかも、俺は今、自分が生きることだけで、いっぱいいっぱいだった。
大学卒業後、義父と同じく秘書を目指すが、この就職氷河期のご時世になかなか就職先は見つからない。
やっと見つかったものの、3ヶ月前に倒産し、現在無職の一人暮らし…
そろそろ貯金が尽きかけてた矢先、仕事が決まった。
なんでも、どこかの金持ちの執事らしい。
秘書と似たようなもんか?と思い、面接すると、見事合格したのだ!!
…そういえば、この仕事が見つかったのも、あの夢を見るようになってからじゃなかったかな…?
これは優香が助けてくれてんじゃないのかと思ってみるが、どんなもんかな?
あの頃のアイツは、お兄ちゃんっ娘で甘えん坊だったからな~。
ま、優香に助けられることは今後もないな。
とりあえず、今日は初出勤の日だ。
さっさと用意して出掛けなければ。
で、でかい…
こんな屋敷、テレビやマンガくらいでしか見たことない…
………てか、入口どこ?
二時間後。
や、やっとあった…
出勤3時間前には家を出ろって…こういうことか…
だいたい、この狭い日本でこんな広い土地使ってどうすんだよ…
2時間歩きっぱなしだったのと、門を見つけた安堵感から脚が崩れそうになる。
…と、とりあえず、インターホンを…
『リーンゴーン』
ん~ 門も音もそれっぽいな~。
『はい』
「今日からお世話になります、篠田宏樹です」
『篠田様ですね?今そちらに向かいます。少々お待ち下さい』
10分程待ってると、門が開き、中に黒い車が停まっていた。
車から男が降りてくる。
「大変お待たせ致しました。私、当屋敷で執事長をしております、有馬です。篠田様、どうぞこちらへ」
有馬と名乗った男が、俺を車に導く。
声から察するに、応対してくれた男みたいだ。
自分の部下になる人間に対しても、丁寧な口調を崩さないのは流石だ。この広い屋敷を取り仕切ってるだけはある。
「あ、ありがとうございます」
俺は導かれるまま車に乗った。
「しかし、男性が応募されるとは思いませんでした」
車に乗るなり、有馬さんはそう言った。
「?」
何のことだ?
「まあ、男性のメイドがいても面白いかもしれませんね」
…………………………………………メイド?
「チョ、チョ、チョ、ちょ…っと待ってください!……メイド??」
「はい、メイドですよ。それがどうしたんですか?」
メェェェェェェイドォォォォォォォォォォッ!?
「いや…なかなか決まらなかったんですが、お嬢様が篠田様の履歴書を見た瞬間にお決めになられまして…」
ハ、ハハハ、ハハハハハハ……そういえば安定所の人の話し全然聞いてなかった………
…だけど、男にメイドの仕事紹介すんなよッ!!!!!
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