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密談
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-屋根裏部屋-
「今、楓禾姫と湖紗若は殿様と合っているんだよな?」
鈴の問いかけに。
「はい。殿様の居室にて。詰所にはなずなが控えております」
稜弥が答えた。
「問題はお二人の行動力ですよね?」
渋面にて問いかけた詠史の言葉に。稜弥と鈴も渋面で頷くと。
「話し合う前に下の階に移動しよう。屋根裏部屋は守り堅固ではあるが、ほとんど外の音や様子が分からなくなるからな」
「そうですね」
「はい」
そこで、三人は階下(天守閣最上階)に移動すると。床に座り。
「ここは、たどり着くまでに急階段やら大変なはずだが、湖紗若の執念か?たどり着いたしな」
「はい。楓禾姫様も……深窓の令嬢らしからぬ……体術やら。もろもろを習得されてますからね……」
「更に上の、屋根裏部屋に行く隠し扉も開けてたどり着く事も出来ますしね。楓禾姫も湖紗若も」
三人は思わず、ため息を吐《つ》いてしまう。
「稜弥の父の勇と、詠史の父の基史の護身術は楓禾姫と湖紗若を助けてくれるだろうがな……なずなも……実践させたくはないのに……」
「鈴様……楓禾姫様は縄抜けも出来ます。例え屋根裏部屋にて縛られ、捕らえられても自力で。湖紗若様の縄を解いて脱出する事は可能です」
「屋根裏部屋も、天守閣も、楓禾姫と湖紗若にとっては、遊び場。勝手知ったるですしね」
「しかし……見張りはいるだろうし。そう簡単には……この場所でなら楓禾姫と湖紗若が一番安全に助かる可能性が高いというだけで……」
稜弥は。
(なずなが、楓禾姫様と湖紗若様を救おうと。無茶するやもしれぬ……)
それも危惧していた。 当然の事。鈴がなずなの取りそうな行動を想像してない訳なく…… 心配している鈴に『 この事態も、想定せねばなりませんね』など口が裂けても言えないと思った。
詠史にも、懸念している事があった。
「楓禾姫と、湖紗若にとって比較的安全な場所であって。我々からしたら。お傍近くに居ない場合は、一番助けるには遠い所ですね。屋根裏部屋は」
(必ず、なずな殿が一緒とは限らない……)
「想定される中可能性が高いのは、外喜に呼び出され、相対する事。楓菜の方様の同じ手口で来る事だ」
(母が……凛実の方は利用された……その為、楓菜の方様への贖罪に苦しまれている……)
鈴が、苦しそうな表情で呟くと。
「私達がお助けする為の、対策を練りやすい手口ですが……外喜殿は、第三者からの呼び出しであると嘘を付いてくるかと……」
(楓菜の方が、断れない方の名を使って……楓禾姫様と湖紗若様も……)
稜弥も苦し気に呟き。
「外喜殿が一言命令すれば、持女達は部屋を退室せざるを得ない。守りの手薄を狙ってくるかと」
(その中、姉一人残された……なずな殿が狙われたら……)
詠史は、声と身体が震えるのをとめられなかった。
「怖じけ付いてる場合じゃないよな。我々が六年前の事を探り出したり、殿様の動きの変化に、外喜が危機感を抱いて、自分の命令に従う者達に働き掛けをしているのは、分かっているのだから」
鈴の言葉に。
「はい」
「はい」
稜弥と詠史は答えると。
三人で想定される事態に備える為の、役割や方法を話し始めたのだった。
「今、楓禾姫と湖紗若は殿様と合っているんだよな?」
鈴の問いかけに。
「はい。殿様の居室にて。詰所にはなずなが控えております」
稜弥が答えた。
「問題はお二人の行動力ですよね?」
渋面にて問いかけた詠史の言葉に。稜弥と鈴も渋面で頷くと。
「話し合う前に下の階に移動しよう。屋根裏部屋は守り堅固ではあるが、ほとんど外の音や様子が分からなくなるからな」
「そうですね」
「はい」
そこで、三人は階下(天守閣最上階)に移動すると。床に座り。
「ここは、たどり着くまでに急階段やら大変なはずだが、湖紗若の執念か?たどり着いたしな」
「はい。楓禾姫様も……深窓の令嬢らしからぬ……体術やら。もろもろを習得されてますからね……」
「更に上の、屋根裏部屋に行く隠し扉も開けてたどり着く事も出来ますしね。楓禾姫も湖紗若も」
三人は思わず、ため息を吐《つ》いてしまう。
「稜弥の父の勇と、詠史の父の基史の護身術は楓禾姫と湖紗若を助けてくれるだろうがな……なずなも……実践させたくはないのに……」
「鈴様……楓禾姫様は縄抜けも出来ます。例え屋根裏部屋にて縛られ、捕らえられても自力で。湖紗若様の縄を解いて脱出する事は可能です」
「屋根裏部屋も、天守閣も、楓禾姫と湖紗若にとっては、遊び場。勝手知ったるですしね」
「しかし……見張りはいるだろうし。そう簡単には……この場所でなら楓禾姫と湖紗若が一番安全に助かる可能性が高いというだけで……」
稜弥は。
(なずなが、楓禾姫様と湖紗若様を救おうと。無茶するやもしれぬ……)
それも危惧していた。 当然の事。鈴がなずなの取りそうな行動を想像してない訳なく…… 心配している鈴に『 この事態も、想定せねばなりませんね』など口が裂けても言えないと思った。
詠史にも、懸念している事があった。
「楓禾姫と、湖紗若にとって比較的安全な場所であって。我々からしたら。お傍近くに居ない場合は、一番助けるには遠い所ですね。屋根裏部屋は」
(必ず、なずな殿が一緒とは限らない……)
「想定される中可能性が高いのは、外喜に呼び出され、相対する事。楓菜の方様の同じ手口で来る事だ」
(母が……凛実の方は利用された……その為、楓菜の方様への贖罪に苦しまれている……)
鈴が、苦しそうな表情で呟くと。
「私達がお助けする為の、対策を練りやすい手口ですが……外喜殿は、第三者からの呼び出しであると嘘を付いてくるかと……」
(楓菜の方が、断れない方の名を使って……楓禾姫様と湖紗若様も……)
稜弥も苦し気に呟き。
「外喜殿が一言命令すれば、持女達は部屋を退室せざるを得ない。守りの手薄を狙ってくるかと」
(その中、姉一人残された……なずな殿が狙われたら……)
詠史は、声と身体が震えるのをとめられなかった。
「怖じけ付いてる場合じゃないよな。我々が六年前の事を探り出したり、殿様の動きの変化に、外喜が危機感を抱いて、自分の命令に従う者達に働き掛けをしているのは、分かっているのだから」
鈴の言葉に。
「はい」
「はい」
稜弥と詠史は答えると。
三人で想定される事態に備える為の、役割や方法を話し始めたのだった。
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