人形館の花魁達と館の主人

黒部

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剣士と華

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いらっしゃいませ、御客様

主人の《ソウ》で御座います

おや…御客様、またそのような姿で?

身体中が血塗れですが…

このままあの子の所へ?

構いませんが…御客様は宜しいのですか?

大丈夫…なのですね、分かりました

では、御案内します

どうぞ、夢の時間を…

~~~

他者の血を被り、紅く染まった己の身体

一体、どのような反応をするのだろうか?

この姿を見て驚くだろう

怯える顔を見たい

恐怖で縮こまり、仔犬のように震える姿を…

クスクスと笑いながら

座敷の引き戸を思い切り開けた

バンッ

「きゃあ!?…お、御客様…その姿は、一体…?」

嗚呼、驚いている

コイツは…俺を心配しているのか?

クロユリ

黒く長い髪と細く、白い肌をした女の人形だ

こういうビクビクしている奴ほど

面白い

「血塗れの姿ですまないな…先程、五人程斬ってきたからな」

「ッ…そんなに…」

怯えているな…

見ていてゾクゾクする

「何故…そのように人を斬るのですか?」

「何故?それは俺が楽しいからだ」

「……自己中心的ですね」

「人の命程容易く潰せる物は他に無いからな」

「いつか、霊に呪い殺されるかも知れませんよ?それでも人を殺めるのですか?」

「はっ、そのような事が起こる訳……な、い…」

ギシリ…

~~~

ガタガタ、ドタン……

おやおや、あの子はまた…

え?嗚呼、此方の話ですよ…

御客様もクロユリを御指名ですか?

今は御止めになった方が宜しいかと…

クロユリは憑依体質の人形でしてね

人に憑いている霊を憑依させる事が出来るのですが…

悪霊の場合、人を殺めてしまうのですよ

特に、命を弄ぶような輩に憑いた霊とかはね…

今は他の子をおすすめします

ここで命を落としたくなければ…

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