人形館の花魁達と館の主人

男の娘と猫

いらっしゃいませ、御客様

主人の《ソウ》で御座います

今宵はどのような…

あの子ですか？

ええ、宜しいですよ

では御案内します

どうぞ、夢の時間を…

～～～

「いらっしゃい」

微笑みながら話しかけてきたこの人形

ネコと言う人形

この館でただ一体の獣の耳と尾が生えた人形だ

「小山凛太だ、宜しく」

「嗚呼、アンタは男なのかい？女みたいな格好してるからてっきり女かと思ったよ」

「こういう趣味なんだよ‥悪いか？」

「いやいや‥むしろ、そそられるねぇ‥」

ぺろりと妖艶に唇を舐め、ネコはゆっくりと近付いて来た

「悪いけど、今回はそういうことをやりに来た訳じゃないんだ」

「じゃあ何さ」

ネコはムッとして問い掛けた

「君の毛並みを堪能したい。撫でたいんだよ」

ネコはとても美しい毛並みの耳と尾をしている

撫でたい人は多くいるのだが‥

「嫌だね。この耳と尾は旦那様にしか触らせないよ」

ネコ曰く“旦那様”にしか触らせたくないらしい

無理に触ろうとして叩かれた客もいるそうだ‥

「どうしてもって言うなら‥アンタの、舐めさせてくれよ。天国見せてあげる‥」

「だから、別にそういう……」

「固くなってるけど？」

「ッ…」

服の上から固くなっているソレを撫でられ

嫌でも反応してしまう

「女装した男の舐めるって…お前、イカれてるな…」

「こんなのに反応するアンタもね？」

もう、好きにしてくれ…

～～～

御楽しみになれましたか？

ネコの耳と尾は本物の毛皮を使用してますから

とても気持ちいい触り心地ですよ

触らせて貰えなかった？

そうでしたか…

あの子は旦那様と言って、元の持ち主にしか触らせないのですよ

元の持ち主は大の猫好きで

猫の美しさを一つにした人形が欲しくなり

自作したのがネコなのです

とても美しかったでしょう？

ですが、あまりにも精巧に作りすぎて

性格も猫に似てしまいましたけど

では、またの御来店を御待ちしております…